「ブラナー・シアター・ライブ」上映に当たり、演出家でもあり俳優としても有名なケネス・ブラナーがインタビューに答えてくれた。

ーー舞台を映画で見た場合、劇場で見た時と同じ観劇体験を味わえますか?

『僕は映画でも同じ体験を提供したいと思っているんだ。むしろ映画の方がワクワクするかもしれないね。「冬物語」の最初の3幕は閉所恐怖症のような心理ドラマだが、映画はその世界により入り込めるものになっている。第4幕のダンスシーンは文字通りフロアに響く靴の音を感じることができ、劇場での情緒的体験を味わえると思う。舞台の核心を分析した上で、ある一定の強調と翻訳を加えて、そのシーンの意味をより良く伝えるために編集し、しっくりくるように映像化する。ただ舞台をリピートするのではなく、リクリエイトするんだ。そうすることで、撮影された演技を映画では再活性化することができる』

ーーシェークスピアに馴染みがない観客に、シェークスピア劇を楽しむアドバイスを。

『観劇前に原作を読む必要はないよ。シェークスピアを見る側として僕が早くに学んだことは、すべてを理解できなくてもいいということ。なぜなら、映画や舞台が傑作なら、セリフを超えて舞台上や劇中で何が起きているかを直感で感じることができるからだよ』

画像: 「ロミオとジュリエット」演出中のブラナー

「ロミオとジュリエット」演出中のブラナー

今年も舞台のマスターピースがズラリと並ぶ「ナショナル・シアター・ライヴ2017」

演劇界最高峰の英国ロイヤル・ナショナル・シアターが、世界で上演された舞台の中から厳選された作品を映画館へお届け。大注目の英国舞台を日本にいながらにして堪能できる。

これまでの上映作には、ベネディクト・カンバーバッチ主演の「ハムレット」「フランケンシュタイン」、トム・ヒドルストン主演の「コリオレイナス」、マーク・ストロング主演の「橋からの眺め」、レーフ・ファインズ主演の**「人と超人」などがある。
2017年は「ハリー・ポッター」シリーズのヘレン・マックロリーと「マスケティアーズ/三銃士」のトム・バーク共演の、夫を捨て元英国空軍パイロットと駆け落ちした女性を描く「深く青い海」。「X-MEN」の名優コンビ、イーアン・マッケランとパトリック・スチュアートが共に年老いた作家役を演じる「誰もいない国」。

第70回トニー賞で演劇演出賞(「橋からの眺め」)を受賞したイヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出で、「アフェア 情事の行方」のルース・ウィルスンが新婚生活を窮屈に感じる妻を演じる「ヘッダ・ガーブレル」を含む計6作品を上映。
今年のナショナル・シアター・ライヴは、スティーヴン・スピルバーグが映画化したことで有名な「戦火の馬」で締めくくられる。

画像: ブラナー・シアター・ライブ2016予告編 youtu.be

ブラナー・シアター・ライブ2016予告編

youtu.be

This article is a sponsored article by
''.