少しだけ背伸びしてフランス映画を見てみよう!これがおススメ、これは見ておいた方が得!と思われるシネマを、今度は中級編で10作チョイス。どれもこれも一度は見ておきたい珠玉の名編。また見逃していたという方もこの機会にトライしてみては?(解説・まつかわゆま)

『大人は判ってくれない』(1959年)

映画の新時代到来を予感させフランスのみならず世界に衝撃を与えた一作

画像: 映画の新時代到来を予感させフランスのみならず世界に衝撃を与えた一作

トリュフォー監督の自伝的長編デビュー作。監督の分身として連作に登場するアントワーヌの少年時代を描く。親に顧みられず家出や盗みを繰り返し、家にも学校にも居場所のない少年のさすらう心・問いかけるまなざしを、モノクロに流麗なカメラで瑞々しく表現。ヌーベルバーグの誕生を印象づけた。

監督:フランソワ・トリュフォー
出演:ジャン・ピエール・レオー/パトリック・オーフォー

『ぼくの伯父さん』(1958年)

これぞフランス式辛口ユーモア!ブルジョワ社会を皮肉る目線も独特

画像: これぞフランス式辛口ユーモア!ブルジョワ社会を皮肉る目線も独特

監督自身が演ずるユロ伯父さんシリーズの代表作。金も名誉もないが自由気ままでちょっとへそ曲がりな伯父さんに憧れる少年と、新しさが大好きな金持ち両親。金儲けのブルジョア社会を皮肉るジャック・タチのスタイルが、フランスらしい辛口ユーモアとヒューマニズムとグッドデザインを教えてくれる。

監督:ジャック・タチ
出演:ジャック・タチ/アラン・ベクール(イタリア合作)

『勝手にしやがれ』(1959年)

従来の映画文法や常識を一蹴して映画界に新風を吹き込んだ

画像: 従来の映画文法や常識を一蹴して映画界に新風を吹き込んだ

世界の若い映画ファンに衝撃と勇気を与え、ヌーベルバーグを印象づけた一本。それまでのフランス映画界の常識、監督になる方法も映画の文法や芸術観も一蹴、パッションをスクリーンにたたきつけ刻み込むことだけを考えたような作品。主役ジャン・ポール・ベルモンドも一躍若者のアイコンに。

監督:ジャン・リュック・ゴダール
出演:ジャン・ポール・ベルモンド/ジーン・シーバーグ

『禁じられた遊び』(1952年)

無垢な子供たちの“遊び”を通じて戦争の非道さを訴える涙の名編

画像: 無垢な子供たちの“遊び”を通じて戦争の非道さを訴える涙の名編

ナルシソ・イエペスのギター曲が、戦争の恐怖と悲劇もまだ理解できない無垢な少年少女の“葬式ごっこ”という“禁じられた遊び”を哀しく包む。機銃掃射で両親も子犬も死んでしまったことも分からない幼女と彼女を見つけた少年ミッシェルの無邪気な遊びに戦争の非道さを感じさせる名反戦映画。

監督:ルネ・クレマン
出演:ブリジット・フォセー/ジョルジュ・ブージュリー

『恐怖の報酬』(1953年)

一触即発の絶妙なサスペンス演出にハラハラが止まらない重厚な娯楽作

画像: 一触即発の絶妙なサスペンス演出にハラハラが止まらない重厚な娯楽作

サスペンス・スリラーの名手クルーゾー監督の代表作。油田火災消火用のニトログリセリン運搬を請け負った男たちの人間ドラマと、必然的な危険を覚悟で困難を一つずつクリアしていく綱渡り的なサスペンスを絶妙なバランスでミックス。そこにフランス映画らしいアイロニーを加えて重厚な娯楽作に。

監督:アンリー・ジョルジュ・クルーゾー
出演:イヴ・モンタン/シャルル・ヴァネル(イタリア合作)

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