全米で5億ドル超、日本でも120億円超の大ヒットを記録し、今年のベストヒット・ムービーとなった『美女と野獣』がBlu-ray&DVDになって帰ってきます。なぜこんなに人々に愛されたのか?それはヒロインのベルが王子様に愛されるのを待つだけじゃない自立した女性だから。そんなベルと、彼女を演じたエマ・ワトソンの魅力に迫ります。(ライター:まつかわゆま/デジタル編集:スクリーン編集部)

1938年の『白雪姫』から“女の子の夢”を作ってきたディズニーが、“今の”女の子が望む夢、自己決定する自立した女性になること、に合わせてヒロイン像を変えたアニメ&舞台の新『美女と野獣』、満を持しての実写化。そのヒロイン・ベルを演じたのは女優としてだけでなく、女性として女の子たちのロールモデルとして憧れられているエマ・ワトソンだ。ベルがエマなのか、エマがベルなのか、その魅力に迫ってみた。

01:"Yes, I can."のヒロイン

ベルは「女の子の幸せは“チカラ”のある男性の妻になること。だから素直で可愛く、選ばれる女の子になるの」という“常識”を嫌い、自分の世界を広げることを夢見ている。本を読み、考え、自分から行動する。見た目に囚われず本質を見抜き、意見をズバッと口にする。けれど優しさも忘れない。自分の夢は自分でつかむYes,I Can.なヒロイン、それがベルなのだ。

画像1: ©2017 Disney

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そして文字通りベルが夢見ているように自分の夢を自分の力で実現しているのが、エマ・ワトソン。

女優への夢のため小さい時からレッスンを受け、3カ月のオーディションを経て「ハリー・ポッター」シリーズのハーマイオニー役をゲット。しかも、誰よりも賢く、行動力もあるハーマイオニーを通して、女の子たちに容姿よりも勉強が大事と気づかせ、自分自身もまずは勉強をと実践し成長を見せてくれたのが、エマ・ワトソンだ。

今までの「賢い子役の女の子」はホントはただ可愛いだけで、誰かと恋して消えていくものだったけど、エマは違う。恋よりも勉強、人気よりも社会活動を大切にして、公私ともに自分の人生をコントロールし、若くしてセレブになったことを理想のために役立てようとしている。

今27歳になったけれど、まだ学ぶことがあると知っているから傲慢にならず、進化し続ける。なんて、かっこいいエマ!そのエマが、ベルになったのである。

02:ベルとエマはよく似ている

90年生まれのエマは4歳のころから繰り返しアニメ『美女と野獣』を見てベルに憧れていた。ベルは、本が大好きで、自分の視点を持ち、外見に惑わされず、好奇心旺盛で、いつも期待以上のものをつかもうと突き進み、それを叶えていくことで見る人たちに希望を与えていくから。

画像2: ©2017 Disney

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えっ?それってエマのこと?!だって、スターとしての安定より自分が演じる意味、つまりその役が観客にどんなメッセージを与えるのかを重視するところとか、女優になってからのエマはベルにそっくり。本の虫で本がなくては生きられないという点もベルと一緒。「大きくなったらベルみたいになる」を実現したのがエマ、なのかもしれない。

03:常識を疑え

「朝の風景」で、村の女子はベルを本の虫、変わり者と歌い、ガストンは顔も力も自分は村一番の男だから、村一番の美女ベルを手に入れると宣言。容姿しか見ないこの求婚をもちろんベルは拒否。結婚こそ女子の幸せと信ずる村娘たちの反感をかう。でも、ベルはめげない。

画像3: ©2017 Disney

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ま、チョー簡単に言えばフェミニズムの歩みとは、「全て男と同じ権利を」から「自分の幸せは自分で決める」に進化している。エマは国連「He For She」という男女関係なく認め合い助け合っていこうという運動の大使を務めるなどフェミニスト宣言し実行。ベルの行動を理論的に正しいかをフェミニズム理論の大家に確認してもらったりと、新フェミニズム実践中なのだ。

04:変わり者でもいいんじゃない?

世の人たちは“常識”とは違う行動をとる人を変わり者として排除する。ベルも野獣も、そして有名子役のエマもそんな存在。排除される孤独を回避するため多くの人は“常識”に負ける。でも本当に強い人は自分を貫き、その自分を理解できる人と仲間になる。その仲間のためには互いに必死になる。

ベルの場合はそれが唯一の味方、父モーリスだった。そしてそれを知った野獣がベルをモーリスのもとに送り返した時、ベルと野獣はかけがえのない仲間になったのだ。

画像4: ©2017 Disney

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そしてエマは米国のリベラルで知られる名門ブラウン大学と国連の活動を経て仲間を得て、その自信と共に映画界に帰ってきた。『美女と野獣』は新生エマ・ワトソンの一本なのだ。

05:多様性を歌え

『美女と野獣』、原作や映画・アニメーション、舞台版でも18世紀フランスを舞台にした話だということで当然全員白人として描かれてきたが、ちょっと待て、そんなことどこに書いてある?というわけで今回お城側の主要女性キャスト3人中2人はアフリカ系。しかも狂言回しのル・フウはゲイキャラとして描かれている。

画像5: ©2017 Disney

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エマは舞台版ハーマイオニーがアフリカ系だと話題になった時も彼女に会いに行きエールを交わしていたし、いろいろな意味での多様性を支持し、それが当たり前のことだと仕事を通して広げる助けになりたいと思っていることが実現したわけね。

06:身に着ける物は自己表現のひとつ

ベルはドレスには興味なしの本の虫。服は動きやすさ一番。靴だって、当時のワークブーツ?!で、ぬかるみも乗馬もOK。だからガルドローブ用意の大げさなドレスは拒否しシンプルで軽い黄色のドレスに落ち着いたわけ。

画像6: ©2017 Disney

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一方、エマも実は服よりも本が好きで私服はファッショナブルとは言えないことも(笑)。でも、決める時には決める。そんな時にも、デザイナーたちに素材のエコさや縫製の社会的公正さなどを質問してリサイクル素材で作られたアイテムをチョイスするし毛皮は使わないという徹底ぶり。

一方、フェミニストとして自分の体を愛し、着たいものを着るというアピールで下胸露わな大胆ドレスを着るなど、ファッションは生き方直結自己表現の一つ、なのだ。

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