「ブレードランナー」がSF映画の金字塔といわれるのはなぜなのでしょうか?発表から35年経った今なお愛される理由を探ってみましょう。(ライター:稲田隆紀/デジタル編集:スクリーン編集部)

ブレードランナー

混沌とした未来描写でSFのイメージを一変

フィリップ・K・ディックの傑作小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原作に、リドリー・スコットが惹きこむような審美的映像に仕上げた、時代を画したSF作品。なにより画期的なのは綿密に映像に構築された世界観にある。「工業製品は状況や環境とセットでデザインされるべきだ」と考える工業デザイナーの第一人者、シド・ミードをデザインに起用し、登場する車両から建築や都市景観に至るまで、未来世界すべてのデザインを任せた。スタイリッシュな未来世界のデザインに、『未知との遭遇』で知られるダグラス・トランブルのSFXがリアリティを与えている。まことSF映画に練りこんだ世界観と美の概念をもたらした初めての作品である。
 

画像1: 混沌とした未来描写でSFのイメージを一変

2019年、ロサンゼルス。宇宙開拓の前線に送り込まれた遺伝子工学の産物、レプリカント4体が逃亡し地球に帰還した。レプリカントを捕獲する“ブレードランナー”の一員、デッカードは捜査にあたるうち、人間よりも崇高なレプリカントの精神を知ることになる――。
 

画像2: 混沌とした未来描写でSFのイメージを一変

スコット、ミード、トランブルの三位一体世界を彩るべく、音楽のヴァンゲリスが切ないメロディを挿入する。生み出された酸性雨降る混沌とした未来の街(新宿の歌舞伎町がモデルという)は後のSF作品のスタンダードとなった。主演のハリソン・フォードもいいが、レプリカント役のルトガー・ハウアーと美女ショーン・ヤングが圧巻の存在感。映像面で以後の作品に決定的な影響を与えた傑作だ。

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