2021年1月15日公開の『越年 Lovers』 の公開記念舞台挨拶が11月14日山形の劇場で行われた。

ロケ地となった山形に、本作の主演の峯田和伸(山形出身)と片原朋子プロデューサーが登場し、公開記念舞台挨拶が行われ、同郷で息ぴったりだった橋本マナミとの共演エピソード、そして地元愛、映画愛を語った。

日本・台湾・マレーシアの3つの街の年越しを舞台に、素直になれない恋人たちを描いた映画『越年 Lovers』。

画像: 地元山形の小中の同級生が立ち上げた山辺町発のブランド COOHEM(コーヘン)の上着を着て登壇した峯田(左)と片原朋子プロデューサー(右)

地元山形の小中の同級生が立ち上げた山辺町発のブランド COOHEM(コーヘン)の上着を着て登壇した峯田(左)と片原朋子プロデューサー(右)

主人公・寛一を演じ、同じく地元出身の橋本マナミが寛一の幼なじみの碧を演じている。撮影は山形市内と樹氷で有名な蔵王でも行われている。

グオ・チェンディ監督から山形愛あふれるメッセージ

「懐かしい山形の皆さん、お元気ですか?(中略)今 はまだなかなか旅行にも行けないかと思います。この映画の中で三つの異なる地を旅しながら、主人公たちの恋愛模様を一 緒に経験して、楽しんでいただければと願っています。(中略)早く私もまた山形に帰りたいです」

峯田「監督と会いたいですね、あの人優しくて。一回も怒りませんでした、俺の事。このシーンは こうやったらどうですか?と聞くと、面白いです、やってくださいって。全部僕の側に立って、全部尊重してくれて。おかげで自 由に演じられました」

■山形が舞台の作品への出演は初

出演の経緯
峯田「すぐに演りたいと思いました。他の県でと言われても無理なので。山形は僕の生まれた場所でもありますし、普段は東京に住んでいますが、 マネージャーも山形の同級生なので、普段しゃべっている会話は山形弁なんです。自分のバンドの時も、ライブはそのまま山 形弁でしゃべっているんです。映画とかドラマは、台本って標準語じゃないですか。それを一応言ってはいるんですが、頭の中 で流れている山形弁を一回標準語に翻訳という作業をしてからセリフを話しているので、二段階なんですね。(標準語は」難しいんですよ。山形弁のセリフはその翻訳作業が要らないので、すごい気持ちが入るというか。「嘘つかないでよ!」というのと、 (山形弁の)「嘘つくなず!」というのと、気持ちが全然違いますよね。今回の『越年 Lovers』ではそれができたので、撮影は ストレスなく、楽しくできました」

さらに作中で寛一が恩師を訪ねるシーンに地元で起用された出演者がセリフつきで演じていることについて
峯田「あんなに映画でセリフを与えられるってなかなかないことですよね。そういう意味でもすごい面白い映画ですよ。でもちゃんとセリフ言え てますからね。」

片原P「作品を観た方に地元劇団の方ですか?と聞かれたこともありました」
峯田「あの佇まいはすごいなと思いました。」

同郷で息ぴったりだった橋本マナミとの共演

本作で峯田演じる寛一の幼なじみで初恋相手を演じた橋本マナミの印象

峯田「本当に優しい人で、お綺麗な人で、本当に楽しかったです、この作品を撮影した去年の 2 月は。橋本さんは、そのまんま、山形で生まれ育ったまんま東京で自然体で。すごいなと思うんですよね。結婚発表したじゃないですか。その衝撃がすごくて...」

画像: 同郷で息ぴったりだった橋本マナミとの共演

片原P「今後は峯田さんと共演したい女優さんは増えると思いますよ」

片原P「監督は峯田さんと橋本さんの二人がくっついたと思って、橋本さんのご出産を報告したら、「峯田と!?」と言われた」(撮影現場で監督が思 わず勘違いをするほど二人の息が合っていた)

山形の美しい雪景色誕生の舞台裏

日本、台湾、マレーシアと 3 つの国を舞台にした本作。
日本の中でも山形を撮影の舞台に選んだ理由
片原P「制作にあたり、監督から古い写真館での撮影という希望がありました。日本全国色々なところに写真館がありますが、ネットで山形にも旧西村写真館というのがあるということを知ったことが、山形での撮影のきっかけです」

山形の雪景色と台湾人監督とのコラボレーションについて
峯田「作品の中で、画面の半分から下が全部雪で、上が空というシチュエーションで、最後の方で僕と橋本さんの二人がもつれ合って(山形弁で)「行くなず」、「もう行がねえ」とセリフを交わすシーンを、ずっと引きの画角で撮影していて小さく二人が画面にいると いうカットがあるのですが、普通だったらもっとセリフを言っている役者の顔にカメラが寄ると思うんです。この作品ではずっと 遠い二人を映しているままで、二人が風景と一緒になっていて、それがすごくいいなと思いました。台湾の監督の感覚だなと思いました。山形がおしゃれに見えるというか。子供の時の記憶なんですが、雪は降っていない夜に、雪の小さな結晶がきれいだなと感じて、山形ってきれいだなと思っていたんです。この作品はそういう空気感といったものが映っているなと思いました。雪を見たことがなかった台湾のスタッフが、雪を見て喜んでいたのですが、きれいだからちゃんと撮影しようと思ったんでしょうね」

画像: 山形の美しい雪景色誕生の舞台裏

撮影秘話

マイナス 20°Cにもなるという蔵王での撮影について
片原P「撮影前に山形樹氷を撮りたいとは言われましたが、台湾の人だと死んでしまうのではないか?という懸念を持っていた」

峯田「カメラマンのアシスタントが、薄いダウン 一枚だけを着ていて、この人死ぬんじゃないかと思いました」

片原P「こたつのお雑煮を食べるシーンが印象的で、さっと撮影は終了する予定だったのですが、ずっと撮影されていましたよね?美術スタッフがもう餅がない!と言っていて...。あれはショックでしたね。峯田さんと橋本さんにすごい量のお餅を食べ させていたから...」

峯田「あれは撮り直した分、全部食べてますね。でもおいしかったんですよ。何杯でもイケるなと思って」

寛一との共通点について

峯田「女性に自分の気持ちをうまく伝えられない、ということはありましたね、山形にいる高校生のときとかは。当時は何も恋愛とかしていないので。告白とかも。奥手というか、みんなそうじゃないですか? 4 割ぐらいはそうですよね?みんながみんな言わないですよ、告白とか。ドラマとか映画の人はみんな告白するじゃないです か。でも、普通の生活はそんなじゃないですよね。そんな簡単に告白しませんよね」

初恋のエピソード
峯田「僕のですか?本当ですか?マスコミも入っているし、言える話と言えない話、どっちがいいですか?何も気持ちを伝えられないまま、卒 業して大人になって、東京で何年暮らしていても、たまに夢を見たりするんですよ。20年以上経っているのに、あれ?みたい な。でももう会わないだろうし、結婚したというのも聞いてるし。3 年前、40歳の時に同窓会があって、ここを逃したらもうみんなに会わないだろうなと思って、同窓会に行ったんです。彼女も来てるかなと思ったらその人がいたんですけど、大人になったのに、挨拶もできなかった。25年経っているので、変わってますけど、目とかは一緒でした。でもちゃんと見てないから分からないな。何もなかったけど、そんなものですよ。これが話せる方です」

最後にメッセージ

片原P「本当に山形では撮影を温かく受け入れていただき、本当に感謝しています。本来なら監督と一緒にここに来て、皆さんにご挨拶をして、作品を観ていただくとしたかったんですが、叶いません でした。映画の方は 12 月 18 日に山形と仙台で先行公開していただき、年を越して 1 月 15 日から東京から全国公開ということになりました。コロナの時期を乗り越えて非常に心配な時期もあったのですが、こうやって公開にこぎつけられてうれしく思 っています。ぜひ皆さん応援してください。よろしくお願いします」

峯田「世の中がこういう状況で、そういう中にもかかわらず、いま NETFLIX とか Amazon プライムとかパソコンでも観 れる中で、劇場まで足を運んで音とスクリーンで映画を観る、足を運んで映画を感じたいというのが僕からするととてもうれしくて、映画館まで映画を観に来てくださってありがとうございます。僕も映画が好きなので、映画が好きな者として嬉しく思い ます。今日来ていただいて本当にありがとうございました」

STORY

越年―新しい年を迎える瞬間の高揚はどこから来るのだろう。きっとそれは、新しいことが始まることへの希望。 いきなり男にビンタをされたシャオラン、初恋の相手に会うために数十年ぶりに帰郷した寛一、亡き母の家を片付けるモーリー。日本、台湾、マレ ーシアの年越しの風景を舞台に、不器用な3組が織りなす物語。

台湾・アカデミー賞受賞(金馬奨)監督のグオ・チェンディ(郭珍弟)が愛に生き た作家・岡本かの子が紡いだ傑作小説をもとに、素直になれずにこじれた恋心たちを描く。 恋だけが人生じゃない。けれど、こんな恋があってもいいと思わせてくれる恋の物語。年を越えたら、新しい人生に出会えるかもしれない。

映画『越年 Lovers』

12月18日(金) 山形・仙台先行公開
1月15日(金)新宿バルト 9 他全国公開

峯田和伸 橋本マナミ
ヤオ・アイニン(ピピ) オスカー・チュウ(邱志宇) ユー・ペイチェン(余佩真) ウー・ホンシュウ(呉宏修)
菜 葉 菜 吉村和彬 岡野一平 結城貴史

原作:岡本かの子「越年 岡本かの子恋愛小説集」(角川文庫)/「老妓抄」(新潮文庫)
監督・脚本:グオ・チェンディ(郭珍弟)
プロデューサー:片原朋子 吉村和文 饒紫娟 陳世庸
撮影監督:周以文 美術:陳炫劭 遠藤雄一郎 VFX:嚴振欽
照明:譚凱富 衣裳指導:黃中觀 宮本まさ江 サウンドデザイン:羅頌策
編集:陳博文 音楽:トマ・フォゲンヌ 助監督:吳怡靜 大野伸介
製作:ジェイアンドケイ・エンタテインメント ダイバーシティメディア 花千樹電影有限公司 現代電影沖印股份有限公司 台北市電影委員會 (財)台北市文化基金會 臺北市文化局 臺北市政府
協力:彰化縣 山形県 山形フィルムコミッション 配給・宣伝:ギグリーボックス
後援:台北駐日経済文化代表処
2020 年/台湾・日本/116 分/中国語 日本語/シネマスコープ
etsunen.com
©2020 映画「越年」パートナーズ

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