昨年、BL女子好きのみならず多くの人の心に突き刺さったドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(テレビ東京系)での黒澤優一役などで好評を博す劇団EXILEの町田啓太が遂にドラマ初主演を果たした。2月11日より放送の「西荻窪 三ツ星洋酒堂」(MBSほか)では、美しい青年バーテンダー役にふんしている。本取材では役者“町田啓太”の素顔に迫る。
撮影/久保田 司 スタイリスト/壽村太一 ヘアメイク/SHUTARO(vitamins) 文/内埜さくら

――町田さんは2012年2月、俳優業に専念するため、劇団EXILEに再加入しました。改めて俳優を目指したきっかけを教えていただけますか。

「思い返すと、子どもの頃からドラマや映画を観ることがとても好きだったんです。僕は群馬県の田舎町で自然以外なにもない地域で育ったので、メディアは主にテレビが友だちでした。テレビには、地元では経験できない世界が広がっていて“自分もこんな経験をしたい!”と、魅力を覚えた記憶があります。テレビで活躍されているみなさんはとてもイキイキとされていて、僕も同じ環境に身を投じてみたい。テレビに出演されている方々のように、勇気や希望を与えられる存在になりたいと、最初はほんのりと憧れる気持ちだけを持っていました。映画館は近くになかったため、電車で1時間ぐらいかかる駅まで足を運んでいたんです。男友だちと、1日乗り放題のフリー切符を買って。劇場では1日、3本ぐらい映画を観ていて、僕はもっと観たいけれど、“どうしようかな”と、渋る友だちを説得しつつ(笑)。そして、2010年(8月より行われた)に『第3回劇団EXILEオーディション』を受けました。俳優業にも挑戦させていただける可能性があると知ったので」

――子どもの頃は、どんな作品が好きだったのでしょうか。

「ドラマや映画を好きになる入り口は、『ドラえもん』でした。全世代に刺さる名作ですし、ドラえもんが出すひみつ道具に、子ども心をくすぐられまくっていたんです。“こんなに夢を見させてくれる作品はほかにない!”と。僕は両親が共働きで、おじいちゃんおばあちゃんとも一緒に住んでいました。3世代同居ですね。加えておばあちゃんと母と姉、妹と、女性に囲まれて育ったんです。母はしっかりとしている人で、姉は自由奔放系、妹はすごく頭がいい。中でも一番やさしく、僕のなかではマリア様的存在のおばあちゃんが、子どものときから今も大好きで。『ドラえもん』にも、のび太くんのおばあちゃんが出てきますよね。たしか映画本編ではなく、短編だったと思います。のび太くんとおばあちゃんの心温まるエピソードに感動して、ビデオテープを買って、1人ですり切れるほど観ていました。ほかには『るろうに剣心』に影響を受けて、小学生から剣道を習ったりもしました。アニメーションだけではなくヒューマンドラマを観始めたのは、中学生ぐらいでしょうか。当時木村拓哉さんが大好きで、主演されているドラマは必ずチェックさせていただいていました。『GOOD LUCK!!』(2003年、TBS系)や『プライド』(2004年、フジテレビ系)とか。木村さんには影響を受けまくりました。僕だけではなく、幅広い世代のみなさんも同じだと思いますが」

画像1: 〈町田啓太〉ドラマ特区「西荻窪 三ツ星洋酒堂」インタビュー

――たしかに。では町田さんにとって、本作が初となる連続ドラマ主演は念願だったのでは。

「ほかの俳優さんも同じ考え方かもしれませんが、僕も主演ドラマに対しては特別に熱い感情を持っていました。主人公は、物語に一番多く関わることができる役柄であり、作品を任せてもらえるという大役を担うからです。だから決まったときは、とてつもなく嬉しかったです」

――原作を読んだタイミングは?

「お話をいただいた時点で、拝読させていただきました。原作者の浅井西先生の作風は繊細なうえに、作品に流れている空気には、包み込まれるようなやわらかさが漂っていて、読んでいるだけで心が和みました。ドラマには原作同様毎回、痛みや傷、悩みを抱えるゲストキャストであるお客様が、西荻窪のバー『三ツ星洋酒堂』へ雨宿りをするかのように立ち寄るんです。バーで自身の内情を話すことで、心がフッと軽くなり、また前に進もうとする。僕は、“優しい世界で素敵だな”と感じると同時に“こんなに素晴らしい作品に、主役として挑戦させていただけるんだ”と思うと、喜びを覚えました」

――余談ですが雨宮は、お客様の悩みを解決する一助となる役柄です。町田さんご自身が悩んだときの解決法は。

「僕は、人には悩みを打ち明けない代わりに体を動かします。野球をする、ジムへ行くなど、運動をすると“自分の悩みはちっぽけだった”と感じられて、ストレス解消になるので。そういう場で偶然出会った初対面の方と話すと、新しい気づきを得られることもありますし。コロナ禍以前は、ジムで祖父と同年齢の男性とお話しをさせていただいたこともありました。今はなかなか行けませんが、外食をして気分を変えることもあります。“行動を起こして気分転換を図る”が僕のモットーです」

画像2: 〈町田啓太〉ドラマ特区「西荻窪 三ツ星洋酒堂」インタビュー

――なるほど。では、演じる雨宮涼一朗役のため「だけ」にした役作りは。

「雨宮はバーテンダーなので、カクテルをつくるときの所作は、自分なりに徹底的に学びました。本当は実際にバーへ行って勉強したかったのですが、今はコロナ禍で行けないのが残念でしたが、資料や昔の映像を観るなどして。昔はバーへ行っていたので、お店の雰囲気やバーテンダーさんの雰囲気を思い起こす作業もしましたね。あとは、バーテンダー研修をさせていただける機会を設けていただきました。有り難いことに、バーテンダーの世界大会で優勝経験を持つ方に、教えていただけたんです。習った内容は自宅で反復練習をしました。練習時に撮っていただいた映像を見直しながら。カクテル作りは、シェイカー内での氷とお酒の割合が難しく、少しでもバランスが崩れると、味や見た目に不具合が出るので苦戦はしていますが。実際に演じてみて、お客様のお口に入れていただき、“美味しい”と言ってもらえるカクテルをつくるのは至難の業だと体感しました。撮影なので本物のお酒は出すわけにはいかず、ゲストキャストのみなさまにはジュースとして楽しんでいただいているので、味にかんしてはアドバンテージをいただいていますが(笑)。撮影中は、バーテンダーさんに教えてもらったいただいた通りに実行することを、常に意識しています。バーテンダーさんがいつも、“大丈夫”と励ましてくださる言葉を糧にしています」

――「大丈夫」といえば。作中には雨宮と同級生のシェフ・中内とオーナーの小林も登場します。雨宮が最も危なげがなく、安心感を与えるキャラクターでいなければならないのでは。

「そうなんです。雨宮がなぜバーテンダーをしているのかという設定にもかかわってくる部分で、彼は“できない”とは言えない、言わない男なんです。雨宮のキャラクターに関しては楽しみにしていただきたいとしか言えないのですが、撮影まで時間がなかったので正直、自分でも仕上がりが不安です……(笑)。ですが、自分の全実力を投入して頑張ったので、ご覧いただけると嬉しいです」

画像3: 〈町田啓太〉ドラマ特区「西荻窪 三ツ星洋酒堂」インタビュー

――作品にちなんだお話も。町田さん、お酒は強いですか?

「もともとはイケるクチでお酒は好きではありますが、年齢を重ねるごとに酔うのが早くなってきています(苦笑)。劇団EXILEに加入した20歳のときは朝まで飲む日もありましたが、27歳頃から弱くなってきたと自覚しました。30歳になった今は1杯で酔ってしまい、すぐに眠くなります(笑)。20代前半の頃のように、何杯も飲みながら大騒ぎするスタイルが合わなくなったんでしょうね。今は適度にお酒を楽しんで、早く解散して家に帰って眠るほうが、体に合っている生活のような気がします。昔、飲んでいたほどは飲めないことがわかっていますし、率先して飲まなくもなりました」

――あまり飲まなくなった理由は。

「無茶な飲み方を経験したからでしょうか。お酒は量を楽しむよりも、少量でも味を堪能したほうが美味しいと知ったからです。お酒の味がわからなくなるほど暴飲するのはもったいないですし、自分の体にも悪影響を与えます。きっと僕、大人になったのでしょうね(笑)」

――普段はどんなお酒を?

「なんでも飲みますが、自宅では日本酒やワインがメインです。雨宮はバーテンダーなのに、カクテル名を言えずすみません。ですが、カクテルを家でつくるのはハードルが高いので、挑戦したいと思いながらもできずにいます。ドラマのリハーサルで、バーテンダーさんがつくってくださったカクテルを飲む機会はあるのですが、試飲しただけで酔っ払ってしまいそうになりましたが(笑)。でもやはり、カクテルはプロの方につくっていただくのが一番だとも思いました。微妙なさじ加減で味が決まり、自分好みの味にも仕上げていただけるので。日本酒やワインはグラスに注ぐとすぐ飲めますが、カクテルはバーテンダーさんのおもてなしや、パフォーマンス込みのお酒だと、本職のバーテンダーさんの技を目の前で見て学びました」

画像4: 〈町田啓太〉ドラマ特区「西荻窪 三ツ星洋酒堂」インタビュー

――ありがとうございます。町田さんが思う、本作の魅力を教えていただけますか。

「毎回登場するカクテルと缶詰料理が見どころとなっている、“グルメ×ヒューマンドラマ”です。1軒のバーにフラリと立ち寄った人が、バーテンダーや店員に心の内を話しかかわり合うことで、現状を脱出する術を見出す。僕は演じてみて、“こんなバーがあったら入ってみたいな”と思いました。観た後は少し視界が明るくなるような作風を目指して頑張っているので、年齢性別を問わず楽しんでいただけるのではないでしょうか。観ていると、おなかが空いて缶詰の封を切ってしまうかもしれません。放送時間が毎週深夜なので、飯テロ的になってしまうかもしれませんが(笑)、缶詰レシピにもご注目いただきたいです」

三問三答コメント動画

画像: 町田啓太さん:ドラマ特区「西荻窪 三ツ星洋酒堂」三問三答 youtu.be

町田啓太さん:ドラマ特区「西荻窪 三ツ星洋酒堂」三問三答

youtu.be

PROFILE

町田啓太 KEITA MACHIDA

1990年7月4日生まれ、群馬県出身。

〈近年の主な出演作〉
ドラマ「女子高生の無駄づかい」(2020年)
映画『前田建設ファンタジー営業部』(2020年)
映画『貴族降臨-PRINCE OF LEGEND-』(2020年)
ドラマ「ギルティ~この恋は罪ですか?~」(2020年)
ドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(2020年)
映画『きみの瞳が問いかけている』(2020年)
Netflix「今際の国のアリス」(2020年)

〈待機作〉
ドラマ「テレビ東京×めちゃコミ コンテスト「僕を主人公にした漫画を描いてください!それをさらにドラマ化もしちゃいます!!」」(2022年1月放送)

画像5: 〈町田啓太〉ドラマ特区「西荻窪 三ツ星洋酒堂」インタビュー

ドラマ特区「西荻窪 三ツ星洋酒堂」

<放送>
MBS 2/11より毎週木曜24:59~ 放送中
テレビ神奈川 2/11より毎週木曜23:00~ 放送中
チバテレ 2/12より毎週金曜24:00~ 放送中
テレ玉 2/17より毎週水曜24:00〜 放送中
とちテレ 2/18より毎週木曜22:30~ 放送中
群馬テレビ 2/18より毎週木曜23:30~ 放送中 ほか
<配信>
見逃し配信:TVer、MBS 動画イズム、GYAO!
見放題独占配信:TELASA、au スマートパスプレミアム、J:COM オンデマンド、milplus

出演:町田啓太 藤原季節 / 森崎ウィン
大友花恋 松岡広大 / 村川絵梨 / 近藤芳正
小久保寿人 梶裕貴 / 前原滉 堀田茜 / 中山美穂

原作:浅井西『西荻窪 三ツ星洋酒堂』(秋田書店「月刊ミステリーボニータ」連載)
オープニング主題歌:I Don’t Like Mondays.「ENTERTAINER」(rhythm zone)
エンディング主題歌:SARD UNDERGROUND「遠い星を数えて」(GIZA studio)
監督:村尾嘉昭 古林淳太郎 ほか
脚本:モラル 谷賢一 村野玲子 戸田彬弘
音楽:若林タカツグ
チーフプロデューサー:丸山博雄
プロデューサー:村島亘 松本桂子 塩村香里
制作プロダクション:TBS スパークル
製作:「西荻窪 三ツ星洋酒堂」製作委員会・MBS
【番組公式 SNS】
ドラマ公式 Twitter:@3boshi_youshudo
ドラマ公式 Instagram:3boshi_youshudo_mbs
【ドラマ公式サイト】https://www.mbs.jp/3boshi_youshudo/

©「西荻窪 三ツ星洋酒堂」製作委員会・MBS

ドラマ特区「西荻窪 三ツ星洋酒堂」はテレビ神奈川、MBS、チバテレ、テレ玉、とちテレ、群馬テレビ で放送中!
そして、TELASA・au スマートパスプレミアム・J:COM オンデマンド・milplus で見放題独占配信中!

関連記事

サイン入りポラロイドプレゼント:1名様

画像: サイン入りポラロイドプレゼント:1名様

《サイン入りポラロイド応募方法》

<Twitter>よりご応募ください。
①SCREEN+Plus公式アカウント @SCREEN__Plusをフォロー
②Twitterの「(下記の)該当ツイート」をRT
「町田啓太さんサインポラ」

 
応募にはTwitterへの登録が必要となります。
「該当ツイート」のリツイート(RT)のご投稿をしていただいた方にキャンペーンの当選権利がございます。
当選者の決定前にフォローを解除されると抽選、選考の対象外となります。
すでにフォローされている場合は、抽選、選考の対象となります。
記載メンション、#タグ、URLの変更・削除は抽選、選考の対象外となります。
プログラム等による自動投稿は抽選、選考の対象外とさせていただく場合があります。
当選した権利を第三者に対し譲渡・転売することはできません。オークションへの出品等転売行為は固く禁止させていただきます。
当選者には、DM(ダイレクトメッセージ)にてご連絡いたします。
賞品のお届け先は、日本国内に限らせていただきます。

[応募締切]
2021年325日(木)23:59まで

関連記事

This article is a sponsored article by
''.