コロナ禍で、劇場での有観客公演が依然として厳しい状況にある中、新しい演劇体験として、VR(バーチャルリアリティー)技術を用いてつくられたVR 演劇「僕はまだ死んでない」の配信延長が決定した。そして原案・演出担当のウォーリー木下よりコメントも到着した。

“舞台上の主人公の視点で”観て、演劇を楽しむ醍醐味である“舞台上の観たい部分に注目しながら”360度の自由な視点から生み出される臨場感という新感覚の演劇体験ができる本作。

もしも、自分の大事な友人が、親族が、最愛の人が、倒れて生死の境をさ迷う状態になったら...。
そのとき人は、何を想い、何を選択するのか。ことさら話題に上りにくい、終末医療の問題、誰もがいつかは終焉を迎える以上、避けては通れない大事な問題。100 人いれば 100 通りの状況と考えと感情があり、何より自分に関わることとして考えることが大事な、終末医療の問題。
エンターテイメントとして、ときにコメディタッチに描かれている本作。「人生の最期」について思いを巡らすことのできる作品となっている。

画像1: ウォーリー木下[原案・演出]VR演劇「僕はまだ死んでない」配信延長決定!コメントも到着
画像2: ウォーリー木下[原案・演出]VR演劇「僕はまだ死んでない」配信延長決定!コメントも到着

キャストは、白井直人役に内海啓貴、白井慎一郎役を斉藤直樹、児玉碧役に加藤良輔、青山樹里役を輝有子、白井朱音役に渋谷飛鳥、白井直人(幼少期)役を瀧本弦音、児玉碧(幼少期)役には木原悠翔が務める。

原案・演出:ウォーリー木下 コメント

――この物語の出発点、着想は?
ウォーリー木下「この企画はまず、VRで演劇を作ろう、というところから始まりました。私自身も初めてのVRだったので色んな形のVRを体験しましたが、その中でも360度カメラのVR映像にとても惹かれました。その360度カメラを使って、円形舞台の反対、お客さんが真ん中にいて周りを役者が囲む「ドーナツ型」の舞台を作ろうと思いました。つまり、舞台上の真ん中にカメラを置くことで、真ん中にお客さんの視点がある、という形です。そのお客さんの存在を役者も感じながら話が進んでいく、また、一方的でアクションは起こせないという制約などを考え、当時ちょうど「終末医療」について勉強していたことも重なり、この物語を作りました」

――映像作品でもありますが、本作を“演劇”たらしめる要素とは?
ウォーリー木下「昨年は、無観客配信やアーカイブの配信など、私自身も色んな演劇の配信を観ましたが、あくまでも舞台演劇を記録した映像であって、これまでいつも実際に客席で体験していた「生」の作品とはやはり違うなとも思いました。どうやったら映像配信でもより演劇に近い臨場感を与えられるか……と考える中で、「お客さんが好きなところを観ることができる」「色々な人たちが一堂に集まって、個人個人の心の中でドラマを楽しむ」というのが演劇の魅力だと思いましたが、それに近いことを、360度カメラを体験した時に感じました。それがこの【VR演劇】の、もっとも演劇らしい部分のひとつかなと思います」
――完成した作品を観ていかがでしたか?
ウォーリー木下「「終末医療」という重たいテーマであり、ズシリとも来るのですが、広田(淳一)くんの脚本によって軽やかな人間ドラマに昇華されていて、良い意味で他人事のようにも感じられ、その距離感がVRにとても合っていたと思います。終末医療というテーマについては、広田くんと何度もやり取りしながら作り上げました。日本では終末期の患者さんなどが、自分で死、すなわち生き方を選べない状況もある……という難しい現状があり、それに対して問題提起というか、自分が将来そうなった時にどうするんだろう、とも考えていますが。それを「当事者の話にしたい」という思いが広田くんと私の中にありました」
――今後【VR演劇】でやってみたいことは?
ウォーリー木下「たくさんあります。お客さんが能動的に動くことでアクションやドラマが変わっていったり、例えばVRグローブを使ったりなど、もっとインタラクティブ(双方向)なものが作れたら、より演劇として面白くなるなと思っています。 「VR演劇元年」が2020年に始まったと感じています。演劇の豊かな発展につながっていくと思いますし、いちアーティストとしてとても面白い表現だと感じています。これをどんどんブラッシュアップさせ、ここから新しいものが生まれていくのだと思います。ぜひ、怖がらずに試していただけたら嬉しいです」

VR 演劇「僕はまだ死んでない」配信概要

配信チケット販売: ~3 月 31 日(水)23:59 まで ※期間中何回でも購入可。
閲覧可能期間: ~4 月 7 日(日)23:59 まで
閲覧期限: 7 日間
配信チケット価格: 3,500 円(税込)

イントロダクション

新型コロナウィルス感染症は、人生の重大な局面―この世にいられる時間が残りわずかという、極めて貴重な瞬間―であっても容赦はしない。最期の別れであっても、大事な人、親族でさえ、対面で会うことが叶わずに、身を裂かれる思いをしている人が大勢いる。
もしも、自分の大事な友人が、親族が、最愛の人が、倒れて生死の境をさ迷う状態になったら...。
そのとき人は、何を想い、何を選択するのか。奇しくもこのコロナ禍は、「言霊信仰」のある日本では目を背けがちで、殊更話題に上りにくい、終末医療の問題にも人々の意識を向かせることになりました。誰もがいつかは終焉を迎える以上、避けては通れない大事な問題。100 人いれば 100 通りの状況と考えと感情があり、何より自分に関わることとして考えることが大事な、終末医療の問題。
エンターテイメントとして、ときにコメディタッチに描かれている本作は、物語に引き込まれるうちに、構えることなくすぅっと「人生の最期」について思いを巡らすことのできる作品。

VR演劇「僕はまだ死んでない」 あらすじ

僕は病室にいた。 父と、僕の友人が何やら話をしている。が、体がぴくりとも動かない。一体僕に何が起こった? 医師らしき声も聞こえる。「現状、一命を取り留めていることがすでに大きな幸運なんです」 ......なるほど。そういうことなのか。
デザイナーとしての会社務めを半年前に辞め、油絵に打ち込んで夢だった画家への道を 歩み始めた矢先だった。脳卒中で倒れ、自分の意志で動かせるのは眼球と瞼だけ。 「やってられるか、バカ野郎!」とたった一言伝えるのに 5 分以上かかる。
そして病室には、飄々と振る舞い軽口も叩く父、慎一郎。 兄貴分の幼馴染で、親身になって回復を願っている碧。 離婚の話し合いが進み、新たな生活に踏み出し始めていた妻、朱音。 そして、担当医である青山。
「良く死ぬことも含めての良く生きること」 直人と、直人を取り巻く人々それぞれに、胸に去来する想いがあり...。

VR 演劇「僕はまだ死んでない」

原案・演出:ウォーリー木下
脚本:広田淳一
音楽:吉田能

出演: 内海啓貴 斉藤直樹 加藤良輔 輝有子 渋谷飛鳥 瀧本弦音 木原悠翔

企画・製作: シーエイティプロデュース
公式サイト:https://stagegate-vr.jp /

★配信概要
配信チケット販売:好評発売中~3月31日(水) ※期間中何回でも購入可
閲覧可能期間: ~4 月 7 日(日)23:59 まで
閲覧期限: 7 日間
配信チケット価格: 3,500 円(税込)
◆Blinky:販売期間:~3月31日(水) 23:59 購入先:https://blinky.jp /contents /20210112_122256.html 視聴期間:購入から 7 日間

◆ぴあ
販売期間:~3月31日(水) 22:00 購入先:https:/w.pia.jp/t/madashindenai/
視聴期間:シリアルコード登録から 7 日間 シリアルコード登録:https://serial.blinky.jp /cat /top.html

◆楽天チケット
販売期間:~3月31日(水) 22:00 購入先:http:r-t.jp /bmsn 視聴期間:シリアルコード登録から 7 日間 シリアルコード登録:https:serial.blinky.jp /cat /top.html

◆チケットペイ
販売期間:~3月31 日(水) 22:00 購入先:https:www.ticketpay.jp /booking /?event_id=31632 視聴期間:シリアルコード登録から 7 日間 シリアルコード登録:https:serial.blinky.jp /cat /top.html

◆イープラス
販売期間:~3 月 31 日(水) 22:00 購入先:https:eplus.jp /stagegatevrtheater/ 視聴期間:シリアルコード登録から 7 日間 シリアルコード登録:https:serial.blinky.jp /cat /top.html

クリエイタープロフィール

【原案・演出】ウォーリー木下
93 年、神戸大学在学中に演劇活動を始め、劇団☆世界一団を結成し、現在は「sunday(劇団☆世界一団を改称)」の代表として全ての作品の作・演出を担当。外部公演も数多く手がけ、役者の身体性に音楽と映像とを融合させた演出を特徴としている。また、ノンバーバルパフォーマンス集団「THE ORIGINAL TEMPO」のプロデュースにおいてはエジンバラ演劇祭にて五つ星を獲得するなど、海外で高い評価を得る。10 ヶ国以上の国際フェスティバルに招聘され、演出家として韓国およびスロヴェニアでの国際共同製作も行う。2018年 4 月より「神戸アートビレッジセンター(KAVC)」舞台芸術プログラム・ディレクターに就任。2017 年18 年手塚治虫生誕 90 周年記念 MANGA Performance「W3(ワンダースリー)」ではノンバール作品として、構成・演出を、2019 年 20 年デイヴィッド・アーモンド作「スケリグ」の演出を手掛ける。

【脚本】広田淳一
2001 年、東京大学在学中に「ひょっとこ乱舞」を旗揚げ、主宰する。以降、全作品で脚本・演出を担当し、しばしば出演。さりげない日常会話ときらびやかな詩的言語を縦横に駆使し、身体性を絡めた表現を展開。随所にクラッピングや群舞など音楽・ダンス的な要素も節操なく取り入れ、リズムとスピード、熱量と脱力が交錯する「喋りの芸」としての舞台を志向している。簡素な舞台装置と身体的躍動感を必須としながらも、あくまでも相互作用のあるダイアローグにこだわりを見せる。
2009 年、2010 年と連続して「アジア舞台芸術祭(Asian Performing Arts Festival)」に演出家として招聘される。2011 年、韓国演出家協会主催の「アジア演出家展」に参加。ソウルに一ヶ月滞在して現地俳優と共にモリエール「ドン・ジュアン」を発表。好評を博す。

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