椰月美智子による2016年に出版された同名小説を原作に、子を持つ親なら誰もが直面する問題を映画化し、絶賛公開中の映画『明日の食卓』。社会派エンタテインメントの旗手である瀬々敬久監督と、藤原季節が公開記念トークイベントに登壇した。

本作の主演を務めるのは、菅野美穂。フリーライターでやんちゃ盛りの息子2人を育てながら仕事復帰を目指す母親・留美子役を熱演する。
また、若くして母となり、シングルマザーとして働きづめの中息子を育てる加奈役を高畑充希、そして年下の夫と優等生の息子に囲まれ、一見なに不自由なく幸せを手に入れているように見えるあすみ役を、尾野真千子が演じている。
【石橋ユウ】という子供を持つ、住む場所も環境も全く違う母親3人が、子を持つ親なら誰もが直面する問題をリアルに表現し、観る者に共感と問題意識を喚起しながらラストには希望の光を与えてくれる作品だ。

映画『明日の食卓』のトークイベント7月9日(金)、東京・シネマート新宿にて開催

瀬々敬久監督と藤原季節が登壇した『明日の食卓』の公開記念トークイベント。
2人の出会いや瀬々監督の若き日のエピソード、藤原季節が俳優を目指すことになった経緯など語られた。

画像: 映画『明日の食卓』のトークイベント7月9日(金)、東京・シネマート新宿にて開催

瀬々監督が藤原季節の存在を”認識“したのは?

映画『止められるか、俺たちを』(藤原季節が、実在の脚本家・荒井晴彦さんを演じた作品)を観た瀬々監督が、自身も親交のある荒井さんを本人そっくりに演じていることに驚きを覚え認識したという。

藤原季節は、同作の主演の井浦新らに連れられて足を運んだ居酒屋で瀬々監督と遭遇し、衝撃の出会いをする。
藤原季節「完全にデキあがった瀬々さんがいて(笑)、(泥酔した状態で)『クソっ!』とか言いながら号泣してて、最後は失神して、倒れてテーブルの向こうに消えていきました…。新さんから『これが瀬々監督だよ』と教えられました(笑)」

“インディーズ”の香りがする藤原季節は、興味深い存在

瀬々監督「いつ映画に目覚めたの?」

藤原季節「6歳くらいで『マトリックス』を観て覚醒しました。内容は全く理解しないまま、1日に何度も観てました。そこから、ジャッキー・チェンとかカンフー映画を観るようになりました。19歳まで札幌にいて、演技の勉強は一切してなかったけど『俺は俳優になるんだろうな』って小学校の頃から思ってました(笑)。18歳で高校を卒業して、浪人して大学に入学したんですけど。演劇活動で数ヵ月で退学しました。学費を使い込んで演劇をやってたので…」

役作り

以前横浜みなとみらいでの舞台挨拶で、風呂に入らずに本作の撮影に臨んでいたと語っていたが…。
藤原季節「あまり大きな声では言えないのですが、実は家にも帰ってなかったんです…。(高畑充希演じる石橋加奈のクズな弟役をものにするために)目つきを悪くしたくて、どうやったらいいか?家に帰んなきゃ良いんじゃないかと思って街を放浪してました。身寄りのない感じが出ればいいなと。でも(完成した映画を観ると)“目つきを悪くしている青年”にしか見えなくて、あんまり意味がなかったです(苦笑)」

画像1: 役作り

瀬々監督「やっぱり藤原くんは面白い!お芝居に瞬発力があるし、映画が、現場が好きなんだなって感じが伝わってくる」

画像2: 役作り

感情を伝えてくれる大人の存在

藤原季節「自分の精神年齢が子どもってこともあるのか、(本作を)子どもの目線でみてしまい、(親たちの姿に)自分の母を重ねたりしました。(特にクライマックスで、主人公のひとりが息子に自らの思いを伝えるシーンがあり)僕の周りには、こうやって自分の感情を伝えてくれる大人が少なかったんですね。(自身が子どもの頃に)こうやって話していてくれたら、僕もわかったんだけどな…と思いました。そういう大人がいなかったので、自分にとって大人を遠い存在に感じていました。菅野さんが子どもを抱きしめて守ろうとするところとかは、もしかしたら自分も母親にこうやって守られたことがあるかもなって泣けてきました」

画像: 感情を伝えてくれる大人の存在

瀬々監督「俺も、自分は親じゃないし、子ども目線で見ているところがある。特に批判は多いけど、(尾野真千子さん演じるあすみの夫を演じた)大東駿介くんの役とか、『ああいう人も、こどもだった』というのを描こうと思ったし、男性陣はみんな特に情けないし、ひどいとも言われるんだけど、感情移入して見ちゃう」

藤原季節「男って、『それ言っちゃダメなのに…!』ということを言っちゃうんですよね(苦笑)。『その一言、いらん!』ってことを言っちゃう。客観的に見ると『ひどいなぁ』と思うんですけど、自分のことになると言ってしまう(苦笑)。よくないですねぇ…」

目指す先は

瀬々監督「今後はどういう俳優を目指すの?」

藤原季節「与えられた仕事は何でもやって…」

瀬々監督「優等生ぶるな(笑)!」

藤原季節「立派な大人になりたいけど、周りと一緒のヤツにはなりたくない。ずっと主役がいいです。齢を重ねても主役がいい。ずっと“佐々木、イン、マイマイン”です(笑)。そうやって、主役で映画館に人を呼べたらカッコいいなと思います」

瀬々監督「今回、藤原くんに出てもらって嬉しかったです。インディーズから出てきた俳優という意味で、メジャーとかの垣根を取っ払ったところで勝負して、いま、こういう位置にいる俳優さんであり、面白ければ何でもやるという精神の持ち主であり、それはすごく素敵だなと思います。映画というのはいろんなものを飛び越えて、いろんなところに行けるものであり、それはまさに藤原季節の生き方そのものだと思います。今後とも応援してやってください」

画像: 目指す先は

あらすじ

同じ「石橋ユウ」という名前の小学5年生の息子を育てる3人の母親たち。 神奈川在住・フリーライターの石橋留美子(菅野美穂)43歳。夫・豊はフリーカメラマン。息子・悠宇10歳。大阪在住・シングルマザーの石橋加奈(高畑充希)30歳。離婚してアルバイトを掛け持ちする毎日。息子・勇10歳。 静岡在住・専業主婦の石橋あすみ(尾野真千子)36歳。夫・太一は東京に通い勤務するサラリーマン。息子・優10歳。それぞれが息子の「ユウ」を育てながら忙しく幸せな日々を送っていた。しかし、些細なことがきっかけで徐々にその生活が崩れていく。苦労はあっても、息子への愛に偽りはなかったはずなのに、どこで歯車が狂ってしまったのか。「ユウ」の命を奪った犯人は誰なのか、そして三つの石橋家がたどり着く運命とは......?

映画『明日の食卓』

大ヒット公開中
WOWOW オンデマンド、au スマートパスプレミアム、 TELASA にて6月11日(金)より絶賛配信中

監督:瀬々敬久
原作:椰月美智子『明日の食卓』(角川文庫刊) 脚本:小川智子
主題歌:「Motherland」tokyo blue weeps
菅野美穂 高畑充希 尾野真千子
柴崎楓雅 外川燎 阿久津慶人 / 和田聰宏 大東駿介 山口紗弥加 山田真歩 水崎綾女 藤原季節
真行寺君枝 / 大島優子 / 渡辺真起子 菅田俊 烏丸せつこ

製作幹事:WOWOW
制作プロダクション:トラヴィス 配給:KADOKAWA/WOWOW
(C)2021「明日の食卓」製作委員会

公式 Twitter:@asushoku_movie

公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/ashitanoshokutaku/

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