米国アカデミー賞公認にしてアジア最大級の国際映画祭“ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2018”が、今年も表参道をメインに東京8会場で開催中!今回は20周年のアニバーサリー・イヤー。それに合わせて例年以上に企画も盛りだくさんで見どころ満載。どんな楽しさが待っているのか、代表の別所哲也さんとアンバサダーのLiLiCoさんが熱く語ってくれました。(文・横森 文/デジタル編集/スクリーン編集部)

ショートショート フィルムフェスティバル & アジアとは
米国アカデミー賞公認でアジア最大級の国際短編映画祭『ショートショートフィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)』。別所哲也がスタートさせ、今年20周年を迎える本映画祭では、世界130を超える国と地域から選ばれた約250本の短編を紹介。開催は2018年6月4日(月)~6月24日(日)、東京計8会場予定(アンダーズ東京AndazStudio、表参道ヒルズスペースオーほか)。一部を除き上映無料。

別所哲也&LiLiCoインタビュー

ーーついに20周年、おめでとうございます!今年は過去最高の1万本の作品が集まり、その中で厳選された約250本の作品が上映される映画祭になるそうですね。ここまで来られた理由はなんだと思いますか?

別所
「インターネットの普及もあって、ショートフィルムというスタイルが、今の時代を映し出す映画のベストフォーマットとして再生したからだと思います。それと米国アカデミー賞公認映画祭になったことで、世界中から注目されるようになったのも大きいでしょうね。さらにもうひとつは、参加してくれた監督たちの口コミも大きいんですよ」

LiLiCo
「みんな、あの映画祭よかったよって言ってくださるんです。本当にありがとう!と言って帰っていくのがすごく印象的。参加メンバーと開催地をきれいにしようと、毎年『スイーパーズ』という表参道の清掃活動をしていますが、それにも喜んで参加してくれる。映画には直接関係ないけど、そうやっていろんな人とコミュニケーションを取ることで、トークショーなどで互いに話しやすくなったりする。お固い映画祭じゃなく、本当にアットホームな映画祭なんです。それは哲也さんがそういった雰囲気を作ってくれたからなんですが」

LiLiCo「関係者も観客もみんな一緒のアットホームな感じがいいんです」

別所
「業界人じゃない人でもワイワイ語り合えるんです。僕がそういう雰囲気にしたかった原点は、ロバート・レッドフォードが主催するサンダンス映画祭に行ったのがきっかけ。初めて参加した時に、目の前をスパイク・リーが歩いていて、スーパーのレジ袋を持った普通のおばさんに『あんたの映画はわかりにくいの!』って文句言われていたんです(笑)。そういうのって素敵じゃないですか。芸能界にいるとどうしても同じ業界人とのつきあいがメインになるから、ついつい外の風を感じなくなったりするけど、お祭りになれば一般人も業界人も有名無名も関係ない。その空気感は保ち続けたいですよね」

ーー20年間続けてきて印象に残ったことは何ですか?

LiLiCo
「私はレッドカーペットで何をするかが楽しみ。哲也さんと踊ったこともあったし、ドローンと一緒に入場なんてこともあった」

別所
「2003年にハリウッドのエジプシャン・シアターでSSFFの特別プログラムが上映された時、コリン・ファレルが来たことが印象深いですね。革ジャン姿のままひとりでフラリと訪れてくれて。日本の短編を見ることなんてめったにないと思いますが、面白かったと言ってくれました。すごく貪欲にいろんな作品に興味を持っていましたよ」

LiLiCo
「ステキ♡行動する人、まさにアクターですよね。あと今年はすごい出来事があったんですよ」

別所
「グランプリの名称がジョージ・ルーカス・アワードになりました。世界の映画祭で初めて、彼の名前を使っていいことになったんです」

ーーえ〜、すごいじゃないですか‼

別所
「本当にありがたい話だと思っています。最高の20周年ですよ」

LiLiCo
「短編って、新人の登竜門的な意味合いが強かったと思うんです。でも今は、長編を撮っている人があえて短編に挑みたいという風に変わってきているし。一昨年だってレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピット共演でマーティン・スコセッシが監督している『オーディション』なんて作品があって、私なんか口開けて観ちゃった(笑)。ちなみに来日した俳優の皆さんはインタビューの時、短編を見ていると言うとすごく喜んだりするんですよ」

別所
「そうなんです。みんな自分の思い入れがあって、例えばこの監督にすごく惚れ込んでいるから協力という形で関わったとか、自分も俳優としてチャレンジしたかったから出たとか。ここに集まっている人は、商業ベースやしがらみではないところで本当にやりたいことを具現化しようとして来ている。だからすごく純度が高い作品が多いんです」

LiLiCo
「最近、私のところにもテレビのディレクターさんやプロデューサーさんから、SSFF&ASIAに参加したいけどどうしたらいい?なんて話が来ますからね」

別所
「斎藤工くんなんかも無名の頃から映画祭に関わってくれていて。自分で作りたいと言い出したらまわりが動き出した。そういう新しいスタイルも出来つつあります」

別所「参加してくれる人はみんな本気。その純度に触れてください」

LiLiCo
「あと、ここまで来られたのは、皆さんが本気で関わってくれているのも大きいと思う。それはアグレッシブさというよりも、自分が少年少女の頃に初めて映画を撮った時の楽しさが、映画祭に息づいているからなんじゃないかな」

ーー今年は新部門として、未来の映画界を担う学生を応援する『学生部門supportedbyフェローズ』を立ち上げ、学生を支援されていますね。

別所
「フィルムスクールの生徒さんの参加はもともと多い。だからかつては学生部門を設ける必要はなかったんです。ところがデジタルメーキングがスマホなどで簡単にできるようになり、高校生や中学生、どころか小学生までがいろんな映像を創り出している時代になった。もちろんそれを映画と呼べるかはわからないですが。だから学生部門という部門を創設することで、あえてもう一度映画とは何なのかと考え直す機会を与えられるんじゃないかと。次の担い手と一緒にできることを探し、少しでも力になりたいと思いました」

LiLiCo
「今は作文に代わって、思ったことを映像でつづるような時代が来ているのかもしれない。そういう人たちのためにも学生を支援する部門は大切じゃないかな。だから個人的にもすごく楽しみ(笑)」

ーーもうひとつ新部門としてはVR部門もありますよね。複数のVRデバイスを設置した特設会場で、世界中のVR映像が観られるとか。

別所
「実はこれ、やるかどうかすごく悩んだ部門なんです。ただ間違いなく映画の在り方は変わり、鑑賞ひとつとってもスマホで観るのが当たり前になっている。やはりテクノロジーは放っておけないですよね」

LiLiCo
「あとは観に来てくれたお客様がどうジャッジするか。ドキドキですね」

別所
「変化するのは当たり前だし、新しいことに寛容でありたいんです。映画とは何か考えてもらうきっかけにもなる。そういう場を作るのも映画祭の役割です。SCREEN読者のみなさんもぜひ仲間になってください」

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