夏休みの季節。長い休みの間にはいつもと違ったことが起こります。恋もすれば冒険も。そんなひと夏の想い出を描いた映画には、忘れられない作品がいっぱいあります。喜びも悲しみも永遠の思い出としてスクリーンに刻まれてきた夏の日の出来事を思い返してみませんか? そんな大人にはまぶし過ぎる青春の日の輝きを、恋・冒険・家族の3方向からお送りします。今回は「夏の日の冒険」編です。(文・渡辺祥子/デジタル編集・スクリーン編集部)

夏の日の冒険。

画像: 「スタンド・バイ・ミー」

「スタンド・バイ・ミー」

どちらもスティーブン・キングの小説が原作の「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」と「スタンド・バイ・ミー」は友達の良さがしみじみ伝わる少年少女が必見の作。とりわけ1986年製作の「スタンド・バイ・ミー」は、ベン・E・キングの主題曲の大ヒットも手伝って夏休みの冒険映画の定番になっているが、多くの人の心に刻み込まれて消えないのは1993年にドラッグが原因で22歳の若さで急死してしまったリヴァー・フェニックスが見せた頼もしさのせいだろう。

50年代末の夏、オレゴン州キャッスルロックに住む少年たち4人組が死体探しの冒険に出かける。線路伝いに森に向かい、危ういところをリヴァー演じるクリスが救って……。作家になったゴーディの回想の物語だ。

画像: IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

「IT/イット」は、メイン州の静かな田舎町で児童の失踪があいついでいるとき自分の弟が消えて苦しむビルの前に“ソレ”が現れる、という怖い話。町の子供たちの中には不良の標的になっている子たちがいてその子たちも“ソレ”を見た。人間の弱さにつけこむピエロのペニー・ワイズに弱い子が一緒になって立ち向かおうとするという話でこれもまた夏の日の冒険と友情の物語。

画像: 「天国の口、終りの楽園。」

「天国の口、終りの楽園。」

メキシコ映画の「天国の口、終りの楽園。」は、高校卒業の夏、17歳の若者二人と、夫に浮気を告白された人妻の三人が人気のビーチ、天国の口へ向かって旅をするロードムービー。頭の中はセックスだらけのフリオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)とテノッチ(ディエゴ・ルナ)。美しい景色と陽気なメキシコ人気質で軽快な旅が続くが、旅の出口には複雑な思いと哀しみが待っている。

生まれる前から母親を通して仲良しグループだった4人の少女が別々の夏休みを過ごすことになるのが「旅するジーンズと16歳の夏」。その別れの日の前日に入った古着屋で、サイズは違ってもそれぞれにあったジーンズを見つけた4人は、これこそバラバラになっても友情は変わらない証拠と思う。

画像: 「50年後のボクたちは」

「50年後のボクたちは」

両親がドイツに住むトルコ移民のファティ・アキンが監督した「50年後のボクたちは」は、クラスで変人扱いされる14歳のマイクと風変りなロシア系の転校生チックが主人公の青春ロードムービー。旅先で起きることに一つ一つが忘れがたい思い出になる。

画像: 「グッバイ・サマー」

「グッバイ・サマー」

同じようにクラスのはみ出し者の2人組、少女のように小柄でミクロとバカにされるダニエルとガソリン臭くて嫌われる転校生のテオが、廃品で仕立てた小屋を載せた車で旅に出る。夏休みのステキな開放感の中、ダニエルは旅先で同じクラスの美少女に会えることを期待した。貧しい育ちのテオが頼もしさを見せれば、美容院で髪を半端に切られたダニエルは丸坊主になって登場。純白のシャツがまぶしいぞ! もう子供ではなく、大人にはまだ少し間のある14歳の夏。「グッバイ・サマー」はちょっと寂しいけれどこれも人生だ。

「マイ・フレンド・フォーエバー」

エリックの近所に引っ越して来た少年デクスターはHIV感染者、エイズだった。いまでは特効薬も見つかって治療の道が開けているが、1995年当時のエイズは不治の病気。ニューオールリンズで特効薬が見つかったという記事を目にしたエリックはデクスターと共にニューオールリンズへ向かおうとする、というのが「マイ・フレンド・フォーエバー」だった。

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