SCREEN誌でもおなじみアメコミライター、杉山すぴ豊さん。長年アメコミ・ムービーを愛するすぴさんの、最もお気に入りなアメコミ映画化作品は何?という疑問にお答えして、特に思い入れのある10作を選んでいただきました。あなた自身のお気に入りと比べてみては?(文・杉山すぴ豊/デジタル編集・スクリーン編集部)

アメコミ・ヒーロー映画の一つのお手本となった「スーパーマン」

スーパーマンはアメコミ・スーパーヒーローの元祖であると同時に、アメコミ・ヒーロー映画の父でもあるのです。1978年(日本公開1979年)のクリストファー・リーヴ出演の「スーパーマン」は、後のアメコミ・ヒーロー映画作りのお手本となりました。

「スーパーマン」は、一つ間違えればすごくちゃちになってしまう素材を、以下のような3つの法則を守っているのです。

  1. 一流のスターに演じさせる(マーロン・ブランドがスーパーマンの父役だった)
  2. そのヒーローならではの見せ場を忠実に映像化する(スーパーマンの場合、空飛ぶシーンのリアリティに徹底的にこだわった)
  3. なぜヒーローという生き方を選んだのか、ドラマ部分に重きを置く(スーパーマンになるまでの話が丁寧に描かれている)ことで一級のエンタテインメントに仕上げました。

そして僕もこの作品があまりに素晴らしかったから、アメコミ・ヒーロー映画のファンになりました。人生を変えた映画の1本です。

さてアメコミ・ヒーロー映画は全部好きですが(笑)、あえて10本選ぶとこうなります。お気づきかと思いますが“続編”が多い。アメコミ・ヒーロー映画の場合、どうしても1作目は、ヒーローの誕生秘話を描くのでそこに時間を割いてしまう。2作目以降の方が、よりそのヒーローが活躍するストーリーになるし、また役者もスタッフもそのヒーローについてより理解と愛が深まっているのでノリと面白味が増しています。自分なりに10選をふりかえってみて、アクションの素晴らしさもさることながら、なんかジーンと来るシーンやセリフがあった作品が残っています。やっぱりヒーローというのは、僕らを導いてくれる存在であり、希望だったりするから、ヒーローの活躍や行動に自分の感情がどれだけゆさぶられたか、なのかもしれません。

それでは厳選10作、イッキに大発表!

01:「スーパーマン」(1978)

画像: 01:「スーパーマン」(1978)

スーパーマン初出動のヘリコプター救出シーンは、これぞ!スーパーヒーロー映画!!の醍醐味!映画史上最も長い(笑)と言われるオープニングからワクワクしっぱなし。

02:「スパイダーマン2」(2004)

画像: 02:「スパイダーマン2」(2004)

スパイダーマンは青春ドラマであるということを改めて気づかせました。列車での救出シーンはヒーロー映画史に残る名シーンです。

03:「アベンジャーズ」(2012)

画像: 03:「アベンジャーズ」(2012)

製作が決まった時から大興奮で、実際の映画もその期待を裏切らない出来栄え!これを観るためにアメコミ好きになった、と言ってもいいぐらいのお祭り映画です!

04:「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」(2014)

画像: 04:「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」(2014)

マーベル・シネマティック・ユニバースの中で、最も映画としての完成度が高いのは本作だと思います。ヒーロー映画を超えてアクション映画としても最高峰!

05:「X-MEN:ファイナル ディシジョン」(2006)

画像: 05:「X-MEN:ファイナル ディシジョン」(2006)

決して評価の高い作品ではないんですが、ウルヴァリンがローグに言うセリフ「俺はお前の親父じゃない、友達だ」が最高すぎて僕はとても好きなんです。

07:「ダークナイト」(2008)

壮絶かつとても怖いお話なのですが、ある少年だけが真実を知っている、というラストに救いを感じました。鉛筆のマジックはトラウマ(笑)。

08:「ジャスティス・リーグ」(2017)

画像: 08:「ジャスティス・リーグ」(2017)

ロッテンの評価がなぜ低かったのか本当に疑問です。すごく楽しくて、ヒーロー・アクションの一大ショウケースみたいな豪華な作品。バットマンのぼやきが最高にキュート(笑)。

09:「バットマン リターンズ」(1992)

画像: 09:「バットマン リターンズ」(1992)

ペンギンというユーモラスなキャラをここまで怖い怪人に描いたティム・バートンのセンスに脱帽。アートとアクションがうまく融合したMYベスト・バットマン映画!

10:「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018)

画像: 10:「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018)

ヒーローたちのアクションに心ときめき、サノスに心ゆさぶられる…ヒーロー映画初のヴィランが勝つ衝撃的な作品ですが、なぜか感動してしまった。

アメコミ映画が公開されるたびに親友が日本を訪ねてくるような気持ちに

また子どものころは、ヒーロー=憧れでしたが、大人になってからヒーロー物を見ると、これって自分の日常のメタファーだなと思ってしまう(笑)。例えばスパイダーマンみたいになにをやっても裏目に出てしまう。アベンジャーズやジャスティス・リーグのように集まったはいいけれど全然まとまらなくてイライラする。ダークナイトみたいにとにかく自分が泥をかぶらないと状況がおさまらない。ヒーローたちの苦悩や戦いって結構共感できるのです。それでもデッドプールのように前向きに生きてみる。大人になってもヒーローたちから勇気をもらっているんですね。

アメコミのヒーローたちは僕にとって心の友でもあります。なのでヒーロー映画が公開されるたび、親友が日本を訪ねてくるような気持ちになる。だから精一杯歓迎してあげよう。僕がアメコミ・ヒーロー映画の宣伝のお手伝いをするのはまさにこういう気持ちからです。

ちなみに:もしあえてワーストを選ぶなら……?

「エレクトラ」(2004)

画像: 「エレクトラ」(2004)

どのアメコミ・ヒーロー映画も愛しているので、ワーストというのはないのですが、ちょっとガッカリだったのがこの作品。ベン・アフレックの「デアデビル」がとても好きだったので、そのスピンオフということで期待したのですが、「デアデビル」とのギャップという意味で物足りなかった。印象に残るシーンがなかったんですね。もっとエレクトラに大暴れしてほしかったです。

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