LA在住の映画ジャーナリストとして活躍中の筆者が、“SCREEN”のインタビューなどで毎月たくさんのスターに会っている時に、彼らの思わぬ素顔を垣間見ることがあります。誰もが知りたい人気者たちの意外な面を毎月一人ずつお教えする興味シンシンのコーナーです。
本日は新作「へレディタリー/継承」が話題のトニ・コレットをクローズアップ。

成田陽子
ロサンジェルス在住。ハリウッドのスターたちをインタビューし続けて37年。これまで数知れないセレブと直に会ってきたベテラン映画ジャーナリスト。本誌特別通信員としてハリウッド外国人映画記者協会に在籍。

初めて会った時から24年も経つけれど、常にあけっぴろげなオージー女優

トニ・コレットに初めて会ったのは何と今から24年前の1994年、オーストラリアのシドニー。初めての主演作「ミュリエルの結婚」(1995)が出来たてのほやほやでまだ未公開のときの現地でのインタビューだった。

『監督に君は痩せ過ぎだから駄目、と言われて、もう死に物狂いで体重を増やしてポンドも太って役を得たのよ。この役は絶対に私のものって執念でやり抜いた。実は小さい時から歌が大好きでミュージカルの舞台などに出ていたの。ミュリエルが「ABBA」の虜になっていて、私もその気持ちが凄くわかったから役作りは楽しかったわね』

海外で公開されたのが翌年、すぐに大ヒットとなって、再び細くなったトニはまたたく間にハリウッドの売れっ子女優になったのである。

私生活の方も「ベルベット・ゴールドマイン」(1998)で共演したジョナサン・リース・マイヤーズとロマンスが展開して、約1年余りの交際はタブロイドなどに報道されたものだった。

以来何度もインタビューしてきたが、常に大きな口でガハガハと笑う陽気で開けっ広げなオージーの典型なのである。

さて新作「へレディタリー/継承」(2018)の会見にはびっくりする程にカラフルな赤や緑色のチェックのドレスを着て、そうでなくても表情が大きくて豊か、存在自体が場所をとるタイプなので凄い迫力。よく動き、手や腕を大きく振る仕種と相まって何とも賑やか。

『私は実はホラー映画が大嫌いなの。それにちょっとオーバーワークの後だったのでヘビーな役はしたくなかった。小さいときから今までもホラー系はほとんど見てないし、見たくもないのだけれど、この映画の脚本を読んで主人公の女性にいたく共鳴してしまい、このアニーの役は私のためにあると訴えて来たから引き受けたのよ。

もちろん私は母と素晴らしい関係にあるから、アニーみたいに母親のコントロールを強く受けて精神状態がアンバランスになったりしなかったけれど、演技をする時は変わった女性とか、どこかで不思議な行動を取る人とかに挑戦を感じるのよね。それに芯になっているのは精神的なスリラーでしょう。血がドクドク出て来たり、首が飛んだりする手あいのホラーじゃないし』

画像: 「へレディタリー/継承」

「へレディタリー/継承」

▶︎▶︎トニ、ちょっと変わった日常生活⁈▶︎▶︎

This article is a sponsored article by
''.