プロデューサーは人気監督、舞台は未来、主人公は戦う少女、原作は人気コミック/小説。そんな共通要素がいっぱいの2大超大作が同時期公開に。〝映像革命〞を巻き起こしてきた二人の巨匠が今度はどんな世界を見せてくれるのか?両作品の魅力を徹底!今回ご紹介するのは「移動都市/モータル・エンジン」です。

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“指輪”に命を吹き込んだ名匠ピーター・ジャクソンが今度は“移動する都市”の物語を壮大なスケールで映画化!

〝都市が、都市を食らう〞――。最終戦争後の荒野を、都市が移動しながら襲撃しあう世界を壮大なスケールで描くSFアドベンチャー。ヒロインは、その過酷な世界で生き、顔にも心にも大きな傷を負った少女ヘスター。彼女は、母を殺した男への復讐を果たすため巨大移動都市ロンドンに侵入。最初は怒りに燃えて行動するが、次第に思いやりと愛に目覚めていき、やがて、人類の未来を左右する大きな戦いに加わっていく。

製作は「ロード・オブ・ザ・リング」の監督ピーター・ジャクソン。脚本も「ロード・オブ・ザ・リング」と同じジャクソンを含む3人組。もともとファンタジー小説「移動都市」の映画化は、05年頃からジャクソンが検討していたが「ホビット」三部作を監督することになり、監督を打診したのがWETAのクリスチャン・リヴァース。1992年の監督第3作「ブレインデッド」から25年間に及びジャクソン監督作のストーリーボードを担当、「キング・コング」でアカデミー賞視覚効果賞を受賞、「ホビット」第1〜2作の第2班監督でもあり、その腕前はジャクソン監督のお墨付き。

斬新な世界観を描くために新人俳優を起用する方針は、ジャクソンと監督双方のもの。ヒロイン役にはアイスランド出身のヘラ・ヒルマー、相棒役にはアイルランド出身のロバート・シーハンを抜擢。ベテラン俳優が脇を固め、主人公の宿敵ヴァレンタイン役には「ロード・オブ・ザ・リング」のエルフ王エルロンド役ヒューゴ・ウィーヴィング。人造人間シュライク役は「アバター」「ドント・ブリーズ」のスティーヴン・ラングが演じている。

プロデューサーはこの人!
“冒険ファンタジーの巨匠”ピーター・ジャクソン

画像: “指輪”の次は「移動都市」!3/1公開 人気SF小説原作の注目超大作に迫る

「ロード・オブ・ザ・リング」三部作でアカデミー賞17部門を受賞、「ホビット」三部作でも知られる人気監督。製作作のほとんどは彼の監督作。自作とドキュメンタリー以外で製作を務めたのは、彼が脚本を書いた「JackBrownGenius」(1996)。そして「第9地区」(2009)、「タンタンの冒険」(2011)と本作のみ。シュライク役のスティーヴン・ラングによれば、撮影現場によくカメラを持ってやってきて、泥だらけになって撮影していたそう。

監督からのコメントが到着!
『原作のヒロインがとにかく気に入ったんだ』

クリスチャン(リヴァーズ監督)と仕事をしてきて、長い間、彼のために映画を製作したいと思っていたから、完璧なタイミングだった。それにクリスチャンが監督してくれれば、僕は観客として本作を楽しむことができるからね(笑)。原作を読んでとにかくヘスターが気に入ったんだ。傷を負っていて、野性的で凶暴で情熱的。善か悪かで決めつけられない。この映画は彼女の物語で、その背景に3000年後の未来世界があるんだ」

この〝究極の映像〞が映画の歴史を変える!

ストーリー

60分で文明を崩壊させた最終戦争の後、残された人類は2つの世界に分かれた。一つは、“移動する都市”を操り、大きな都市が小さな都市を食う(=すべての資源を奪い、住民たちを奴隷として取り込んで巨大化する)“都市淘汰主義”を推進する世界。その最大の都市がロンドンだ。もう一つは、その主義に反対し、定住して互いに協力して生きようとする“反移動都市同盟”の世界。その最大都市は、山と巨大な防壁に囲まれたシャングオ。住民は飛行船で大空を駆け巡って交易し、移動都市側に“空賊”として追われていた。

そんな世界のロンドンに、顔に大きな傷跡のある少女へスターが侵入する。彼女は8歳の時、今はロンドンの権力者になっているヴァレンタインが考古学者である母を殺すのを目撃し、復讐を誓って生きてきたのだ。

だがヘスターは襲撃に失敗してロンドンから落下し、やはり落下した史学士見習いのトムと共に荒地をさまよう。2人は奴隷として売られそうになり、反移動都市同盟の女空賊アナ・ファンに救われる。

一方、ヴァレンタインはロンドンでシャングオの襲撃を計画。その計画にはヘスターの母が発掘した物が関係していた…。

物語の舞台は…
“都市が狩り合う”弱肉強食の世界

画像: 物語の舞台は… “都市が狩り合う”弱肉強食の世界

最終戦争後、生き残った人類は移動型の都市を作り出し、小さな都市を“捕食”しながら生きている。世界は巨大都市ロンドンが支配しているが、それに抵抗する反逆者の存在も。

この革命的映像に注目!
宮﨑アニメも参考にした“移動都市”の描写に感動

この世界の広大さ、巨大な空間を描く映像が圧巻。大空の下、どこまでも広がる荒野の果てしなさ。移動都市ロンドンの高さ860m/幅1500m/奥行き2500mの巨大さ、重量感、威厳が感動的。また、各移動都市の動きにも細かな演出あり。アニメーション監修のデニス・ヨーによれば、追われる小都市は不安な小動物のように、ロンドンが停止する時には死期を迎えた生物のように見えるよう意図したとのこと。

そして、細部まで凝ったデザインも見もの。ロンドンは7層構造で層ごとに色が異なり、セント・ポール大聖堂やトラファルガー広場のライオン像など実在の建造物も使われている。逃走しながら変形する都市、昆虫型都市、手作りの飛行船、人造人間“復活者”など、デザインはみなリアルでありつつユニークだ。

“都市が狩り合う世界”で少女の壮大な冒険が始まる

主要キャラクター

画像1: 主要キャラクター
  1. 母を殺され復讐に生きる孤高の少女
    へスター・ショウ(ヘラ・ヒルマー)
画像2: 主要キャラクター

8歳の時、ヴァレンタインに目の前で母を殺され、その復讐のために生きてきた少女。そのときに顔を切られて大きな傷跡が残っている。復讐のためロンドンに侵入するが、さまざまな人々と出会い、母の死の背後の事実を知って、少しずつ意識が変わっていく。

2. サディアス・ヴァレンタイン
 (ヒューゴ・ウィーヴィング)

画像3: 主要キャラクター

移動都市ロンドンの優れた考古学者で、市長から特権を与えられている。実はある計画を秘かに進めている。

3. トム・ナッツワーシー
 (ロバート・シーアン)

画像4: 主要キャラクター

ヴァレンタインが長を務める史学ギルドの見習い。夢は飛行士になること。ロンドン育ちで世間知らず。

4. シュライク
(スティーヴン・ラング)

画像5: 主要キャラクター

何百年も前に、戦闘のため人体と機械で製造された人造人間、別名“復活者”。ある理由のためへスターを探す。

この原作に注目!
四部作として人気のSFファンタジー小説「移動都市」

フィリップ・リーヴ著/安野玲・訳『移動都市』(創元SF文庫)

原作者フィリップ・リーヴはイラストレーターでもあり、「指輪物語」が大好きで自分で挿絵も描いた小説が2001~2006年刊行の「移動都市」4部作。本作の原作はこの第1作。コンセプト・アーティスト、「アバター」のニック・ケラーは原作の挿絵を意識した。リーヴは映画を見て「自分が想像した世界に驚くほどそっくり。違う部分は僕の想像よりも素晴らしい。特に“都市が都市を食う”ときの映像は原作より上手い」と絶賛。

「移動都市/モータル・エンジン」
2019年3月1日(金)公開

原題「モータル・エンジ」/アメリカ/2018年/2時間9分/東宝東和配給
監督:クリスチャン・リヴァーズ/出演:ヘラ・ヒルマー、ロバート・シーアン、ヒューゴ・ウィーヴィング、ジヘ、スティーヴン・ラング
©Universal Pictures

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