マーベル映画がすごいのは、個性も活躍する舞台も違う多くのヒーローを、一つの世界に住まわせたこと。すなわちそれがMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)。一つの映画は他の映画とつながり、さらなる発展をとげる。現在まで20タイトルに及ぶその壮大なMCUのヒストリーを追ってみた。まずはフェイズ1の作品から!(文/紀平紀平照幸・デジタル編集/スクリーン編集部)

マーベル映画はいくつかのフェーズに分かれている?

まず各キャラクターの誕生を含む紹介と、アベンジャーズの結成が描かれているのが【フェーズ1】とすると、はじめの区切れ目はそれまでに登場したキャラが顔を揃える「アベンジャーズ」。そこで勃発するNY決戦を機にはじまるのが【フェーズ2】で、異星人との遭遇により揺れる世界と同様に、ヒーロー達も変転の時を迎える。そして2019年現在は、ブラックパンサーやスパイダーマンも参入した「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」から幕を開ける【フェーズ3】の真っ只中!これからやってくるフェーズ4のキーキャラクターとなる(!?)ドクター・ストレンジの誕生についても明らかとなった。2019年4月26日公開予定の「アベンジャーズ/エンドゲーム」で区切りがつくフェーズ3、ここからの展開に要注目だ。

それではまず、【フェーズ1】を紐解いていこう!

フェイズ1
ヒーローたちの誕生がしっかりわかる!

各キャラクターの紹介(誕生編)とアベンジャーズ結成までを描いている。とはいえ最初からMCU構想は明らかにされていたわけでなく、ほぼ同時に製作された最初の2本は、エピローグのサプライズ以外は独立したお話になっている。

01:「アイアンマン」(2008年)
すべてはここから始まった!

これまで映画化されていなかった人気ヒーロー

監督:ジョン・ファヴロー
出演:ロバート・ダウニー・ジュニア、ジェフ・ブリッジス

マーベルが自社で映像製作も行なうことになり、最初に選ばれたのがアイアンマン。“まだ映像化されていない人気ヒーロー”というのが理由だが、将来のMCU構想のもとではトニーがアベンジャーズの中心人物でスポンサーでもあるというのも重要だったのだろう。原作ではベトナム戦争(リブート版では湾岸戦争)に巻き込まれアイアンマン・アーマーを開発するトニー・スタークだが、映画では時勢に合わせてアフガニスタンのテロ集団に変更。

エピローグのニック・フューリーの登場はまったくアナウンスされていなかったため、全米公開時にはネットが騒然となった。ロバート・ダウニー・ジュニアのキャリアはこの役で再浮上。それもあって、彼は10年以上、計10作品でトニー役をつとめることに。人工知能ジャーヴィスの声は後にヴィジョンも演じるポール・ベタニーだが、彼は映画の内容も知らずに声の出演を引き受け、収録をたった2時間で済ませてしまったという。

ダウニー・ジュニアの起用がMCUに大成功をもたらす

画像1: 【MCU時系列】マーベル映画20タイトルまとめ:フェーズ1

「アイアンマン」
ブルーレイ(2381円+税)、DVD(1410円+税)発売中
デジタル配信中
発売/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

02:「インクレディブル・ハルク」(2008年)
ハルクの単独続編の計画もあったが…

E・ノートンはこれ一本でシリーズから降板

監督:ルイ・レテリエ
出演:エドワード・ノートン、リヴ・タイラー

日本では公開順が逆になり、こちらを「アイアンマン」より先に見た人も多いので、エピローグのトニーの登場が意味不明になってしまった。たぶん過去に映像化されたことのあるハルクの方が初登場のアイアンマンよりキャラとしてなじみがあると考えられたのか?アン・リー版「ハルク」(2003)の直接の続編ではないが人間関係は継承されていて、ハルクの誕生場面はあえて描いていない。よく見るとタイトルバックに“スターク”“超人兵士”といった言葉を散りばめることでMCUの存在を暗示。

ハルク単独の続編も計画されていて、実際に伏線らしいものもある終わり方なのだが、主演のエドワード・ノートンが本作限りで降板となったことにより実現せず、バナー博士の恋人も本作のベティではなく、後に登場するナターシャに変更に。役者が変わっても同一の世界であることは、本作のロス将軍(ウィリアム・ハート)が「シビル・ウォー」に再登場したことで明らか。

画像2: 【MCU時系列】マーベル映画20タイトルまとめ:フェーズ1

「インクレディブル・ハルク」
ブルーレイ(2381円+税)、DVD(1410円+税)発売中
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