世界中の赤ん坊の産声が“ラ”の音であるという考えをもとに、“始まり”や“生まれ変わること”をテーマにした音楽青春映画『ラ』。
恋人の家で生活を送る“ヒモ男”の岡浜慎平が1年前に解散したバンド・LACTIC ACID再結成に向けて奔走するさまを描いた今作で、主人公・慎平を演じた桜田通のインタビューをお届けする。

【ストーリー】
慎平(桜田通)がボーカルを務めていたバンド「LACTIC ACID」は1年前にある出来事がきっかけで解散してしまった。バンドの再結成を夢見る慎平は、恋人のゆかり(福田麻由子)から“あるもの”と引き換えにお金をバックアップしてもらう。バンドメンバーでかつての親友だった黒やん(笠松将)にも声をかけ、バンド再結成の夢が動き出していく。黒やんとの失われた友情も取り戻したかのように思われたが、黒やんは以前とはすっかり変わってしまっていた。黒やんに振り回される慎平は、黒やんから怪しい仕事を持ちかけられ……。

“慎平目線だとこんなにすんなりと歌詞が出てくるのか!”と驚きました

2006年にミュージカル「テニスの王子様」の主役を務めて注目を集め、近作では映画『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』やドラマ「パーフェクトクライム」(ABCテレビ/テレビ朝日)4月16日からは、火曜ドラマ「わたし、定時で帰ります。」(TBS)に出演するなど今注目を集めている俳優・桜田通。
ミュージシャンとしても活動している桜田は、劇中に登場するライブシーンの撮影で実際に演奏しており、劇中歌の作詞も手掛けている。
“こういう役を演じてみたかった”と語る桜田に、役への思いや劇中歌について、またオススメの映画などを聞いた。

ーーオリジナル脚本である今作の台本を初めて読んだときの感想からお聞かせ頂けますか。
「まず、自分に慎平のようなキャラクターの役のオファーがきたことに驚きました。こういう役を演じてみたいという願望はあったんですけど、今までそういう機会がなくて。台本を読んだときは内容うんぬんというよりはとにかく嬉しい気持ちでいっぱいでしたし、慎平をどう演じようかワクワクしました」

ーー慎平を演じるにあたりどんなことを意識されましたか?
「いつも作品に入る時は“桜田通”を無くすというか、全くの別人になることを意識しているんですけど、慎平に関しては特にそれを徹底しました。それから、彼の言動で理解できるところは深く掘り下げて、少しでも理解できない部分があれば監督としっかりと話をして不安要素を無くすようにしていったんです。僕の中で演じる上での軸となったのが、“一番大事なもののためなら多少の犠牲を払ってでもやる”という慎平の芯の部分でした」

ーー慎平くんにとっての一番大事なものは音楽でしたが、劇中にはライブシーンが登場します。LACTIC ACIDのメンバーとしての役作りはどのようにされていったのでしょうか?
「劇中で弾いている曲のギター練習をしました。ただ、僕は音楽活動をしているので、練習にそこまで時間を割かずに済んだというか。撮影に関してはクランクインして少し経ってからバンドでのシーンを撮ったので、すんなりと慎平として演奏できたような気がしますし、ストレスなくできたのはありがたかったです」

画像1: “慎平目線だとこんなにすんなりと歌詞が出てくるのか!”と驚きました

ーー主題歌『鼓動』の作詞もされていますが、慎平の気持ちで歌詞を書かかれたのでしょうか?
「自分の曲の歌詞を書くときは時間がかかるんですけど、『鼓動』に関しては撮影期間中に慎平の頭で歌詞を考えることができたので、割とすぐ書けました。“慎平目線だとこんなにすんなりと歌詞が出てくるのか!”と驚きましたし(笑)。ちょうど同時期に『EVEN~君に贈る歌~』という作品も撮っていて、こっちもEVENというバンドのボーカル役でバンドの楽曲の歌詞を書いていたので時間がなくて大変でした(笑)。『ラ』の挿入歌に関しては、最初は監督が歌詞を書く予定だったんですけど、「責任をもって“慎平=僕”が歌詞を書きたいです」と監督に話して僕が書くことになったんです。メロディーを聴いた瞬間に歌詞が思い浮かんで、15分ぐらいで完成しました。こんなに迷いなく歌詞を書いたのは初めてです」

ーー役として歌うシーンを撮るときは“アーティスト・桜田通”とどのように切り替えてらっしゃるのでしょうか?
「意識的に変えているつもりはないんですけど、やはり演じる役によって歌う姿や表情は違うんだということを実感しました。もちろん“アーティスト・桜田通”とも全く違います。例えば『ラ』の冒頭の慎平は笑顔で楽しそうに歌っていて、『EVEN~君に贈る歌~』のときは憂いに満ちた表情をしている。そして桜田通として歌うときは反骨精神みたいなものを持った顔になっているんです(笑)。それは自分のライブ映像や完成した作品を観て気付いたことなんですけど、客観的に色々発見できたのは良かったです。ただ、『ラ』に関してはライブシーンがクランクイン一発目の撮影だったらキツかったかもしれません。慎平を演じてしばらく経ってからライブシーンの撮影だったのはありがたかったです」

画像2: “慎平目線だとこんなにすんなりと歌詞が出てくるのか!”と驚きました

ーーここからはSCREEN ONLINE読者のために桜田さんオススメの洋画や好きな俳優さんを伺っていきたいのですが、最近ご覧になった中で面白かった映画や昔の映画でオススメがあれば教えて頂けますか。
「最近だとNetflixの「バードボックス」が最高に面白かったです。未確認生物が出てくる映画が好きで、ちょっと『ミスト』っぽいところもいいなと思いました。昔から好きな映画だとホラーで言えば『Rec』が一番オススメで、めちゃくちゃ怖いです(笑)。あと『メイズ・ランナー』が好きでシリーズ全部観ているんですけど、主人公の男の子が勇敢で凄くカッコいいんです! 例えば『メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮』で“囚われている若者達の中から選ばれた人だけが扉の先に行ける”みたいな展開があるんですけど、扉の向こうに何が待ってるのか知らないのにみんな選ばれることを望むんです。だけど主人公の男の子だけは選ばれるのを待つんじゃなくて、扉の先に何があるのか自分の目で確かめに行くので、大衆の意見に流されずに自分の意思を持って行動する強さってカッコイイなと思って。それがシリーズ3作とも一環して貫かれていて素晴らしいなと思いました」

ーー『メイズ・ランナー』は本当に騙されたと思って観て欲しいですよね!
「1作目を観る前は迷路から脱出するだけのエンタメ作品だと思っていたんですけど、良い意味で予想を裏切られました。そして『ラ』も良い意味で裏切られるような面白い作品になっていますので期待して頂きたいです」

ーー『ラ』には『ミザリー』的な予想外の展開もあったので凄く面白かったです! では続いて好きな俳優さんも教えて頂けますか。
「『メイズ・ランナー』でニュートを演じたトーマス・ブロディ=サングスターも好きなんですけど、昔ハマったのは『ハングオーバー!』シリーズに出演しているポッチャリした体型のザック・ガリフィアナキス(笑)。彼が出演したコメディ映画は全部観てます。実はロンドンに留学していたときに、ピカデリーサーカスにある映画館でちょうどシリーズ3作目『ハングオーバー!!! 最後の反省会』のワールドプレミアをやっていたんです。レッドカーペットでキャスト全員を間近で見た時は人生で一番震えましたし、“ザックやブラッドリー・クーパーが目の前にいる!!”ともの凄く興奮したのを覚えています(笑)。貴重な体験でした」

ーーでは最後の質問になりますが、桜田さんにとって人生に大きな影響を与えた映画を教えて頂けますか。
「『英国王のスピーチ』からは大きな影響を受けていると思います。コリン・ファース演じる吃音に悩むイギリス王ジョージ6世が、自分の弱点を克服していく姿に胸を打たれました。克服するだけじゃなく、弱点を武器に変えてしまうところもグッとくるんです。この映画を観ると勇気が貰えるので、まだご覧になっていない方には是非観て頂きたいです」

画像3: “慎平目線だとこんなにすんなりと歌詞が出てくるのか!”と驚きました

(インタビュアー・文/奥村百恵)

『ラ』
4月5日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督・脚本・編集:高橋朋広
出演:桜田通、福田麻由子、笠松将
   佐津川愛美、ダンカン/西田尚美 ほか
配給:アークエンタテインメント 
©2018映画『ラ』製作委員会

画像: 映画『ラ 』本予告 youtu.be

映画『ラ 』本予告

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