2018年末、演劇界とチャリティー活動への長年にわたる貢献が認められ、大英帝国勲章を受章したキーラ・ナイトレイ。英国が誇るトップ女優の一人となった彼女の主演最新作となるのが「コレット」だ。フランスのアイコン的作家、コレットを演じることを決めた動機を彼女はこう語る。

キーラ・ナイトレイ『コレットが題材ならいくらでも映画が作れると思うわ』

フランスの国民的作家コレットとは?

画像1: コレットを演じることを決めた動機とは?キーラ・ナイトレイが語る

『シェリ』や『夜明け』などの著作で知られるフランス文学界を代表する女流作家。自著『ジジ』が舞台化される際に、当時無名のオードリー・ヘプバーンを主役に抜擢し、“オードリーを見出した作家”としても知られる。ココ・シャネル、ジャン・コクトーなど当時の著名人とも親交が深かった。

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だってコレットはかっこいいでしょ。とても興味深い女性だと思ったの。それに夫ウィリーとの関係にも強く惹かれ、そこに真実があるように思えた。男性との力関係や一緒に働くことについて、女性として私も共感する部分があり、物語に入り込めたわ

コレットはオードリー・ヘプバーンが主演を務めた舞台『ジジ』や、『クローディーヌ』シリーズなどの原作者として知られ、フランス人女性作家として初めて国葬された人物でもある。

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コレットが描くストーリーも人物も魅力的だと思う。コレットの処女作「学校のクローディーヌ」は傑作で、ティーンエージャーの概念を作ったと言われているわ。

「クローディーヌ」シリーズは十代の女の子の性の目覚めを描いていて、ヴィクトリア時代には画期的な内容だったの。当時、女性に性欲はないと思われていた。でもそれが事実ではないとコレットは初めて公言したの。その点から見ても、彼女は真に革新的な作家だった

しかし当初コレットは夫のゴーストライターに過ぎず、自分が作者だと世間に認められないことに葛藤する。映画はこの夫婦の関係性に焦点を当てている。

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この仕事で楽しいのは演じる人物の気持ちを想像する作業よ。彼女はなぜ夫を捨てず作品をゆずったのか。二人の関係の何がこの状況を生み出したのか。それを考えるのが俳優業の醍醐味ね。コレットとウィリーは偉大なる変人カップル。二人は見事な合作を生み出したの。コレットが書いた初期の小説にはウィリーの手が入っている。彼は書く自信と助言をコレットに与えた。

でも彼女はいつしかウィリーを追い越し、彼の手に余るようになる。そして彼女の書く小説はベストセラーになったわ。妻の作品を自分の名で発表した彼は、成功すればするほど後に引けなくなり、「実は妻が書いたんだ」と言えなくなった。そのことが二人の間で大きくなっていったの。恐ろしい秘密を共有することで、夫婦の力関係は変わっていった。そして、ついに限界がくる。ドラマチックな状況よね

その夫ウィリー役にはキーラと同じ英国出身のベテラン俳優ドミニク・ウェストが扮している。

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ドミニクはウィリー役にぴったり。実際のウィリーはあまりハンサムじゃないから意外だったけれど(笑)。だからファットスーツや変な付けヒゲで強引に外見をウィリーに似せていた。それでセクシーさは影をひそめたけど、彼はとてもチャーミングで不思議な魅力を持っている。ウィリーもそうだったはず。だから楽しく共演できたわ。ドミニクは素晴らしい俳優だし、すごく茶目っ気がある人よ。それに超イケメン(笑)

本作の脚本は16年の歳月をかけて、第20稿まで手直しされた。細かいところで多少史実と変えている部分はあるものの、すべてが実際にあった出来事を基にしている。

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これは普通の伝記映画とは違っていた。コレットが題材ならいくらでも映画が作れそうね。彼女は当時にしてはすごく進歩的な女性だったの。というよりベル・エポックという特別な時代の一部だった。性的に解放されていて、性欲は男性のものだと思われていた中でぶっ飛んでいたわ。トランスジェンダーのミッシーという愛人がいたし、男性だけじゃなく女性とも寝ていた。

しかも夫婦はお互いの浮気を隠さなかった。ウィリーにも古くからの愛人がいたし、コレットにも恋人がいた。ストーリーの主軸に据えるにはピッタリよ。コレットが劇場で働き始めるのも見どころよ。お芝居やパントマイムをしてね。彼女は自ら上流社会に背を向け、街で貧乏暮らしをしてステージに立った。本当に強烈な人だったのよ

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