数々の名作に主演し、監督としても一流の腕を持つハリウッドのレジェンド・スター、ロバート・レッドフォード。彼の俳優引退作といわれる『さらば愛しきアウトロー』が間もなく公開。超美形男優として1970年代から絶大な人気を誇り、一方でサンダンス映画祭を立ち上げた硬派な面も持つレッドフォードとは一体どんな男なのか?これを機に振り返ってみましょう。(文・渡辺祥子/デジタル編集・スクリーン編集部)
画像: 俳優引退作「さらば愛しきアウトロー」

俳優引退作「さらば愛しきアウトロー」

美貌で知られたミスター・ハリウッドにして監督デビュー作でオスカー受賞という才人

ハリウッドはそれぞれの年代を代表する大スターたちを生み出してきた。1950年代なら「波止場」「欲望という名の電車」が有名なマーロン・ブランド。60年代は「レッズ」でアカデミー監督賞を得たウォーレン・ベイティや「ハスラー2」でアカデミー主演男優賞を得たポール・ニューマンがいる。そして70年代から80年代はロバート・レッドフォードの時代だ。

「普通の人々」でアカデミー賞監督賞を受賞している

美貌で知られたミスター・ハリウッド。とはいえアカデミー賞は監督デビュー作「普通の人々」(1980年)で監督賞を受賞しただけ。演技賞に縁がないのは不運と言うしかない。アカデミー賞はときに意地悪だ。

だが、彼には沢山の大ヒット作もあればアメリカのインディーズ映画を育て、素晴らしい作品の数々と若手映画作家を世に送り出したサンダンス映画祭の生みの親としての幸せなキャリアもある。この映画祭からいまのアメリカ映画界を背負って立つ大物監督、スティーヴン・ソダーバーグやクエンティン・タランティーノが生まれた。

そのレッドフォードが犯行と脱獄を繰り返した実在の紳士強盗フォレスト・タッカーを演じた最新作「さらば愛しきアウトロー」を最後に引退する、という話が流れてたちまち世界を駆けめぐったが、本当なのだろうか?

彼は1936年8月18日、米・カリフォルニア州サンタ・モニカ生まれだからもうすぐ83歳になる。早くに母親を亡くし、牛乳配達から石油会社の重役にまで上り詰めた父親のもと、野球の腕で奨学金をもらって(1984年の「ナチュラル」の野球選手役でその腕が生きた!)入学したコロラド大学を1年で退学したのち、絵画を学ぶためにヨーロッパへ渡って13か月後に帰国。

天才的な野球選手に扮した「ナチュラル」

舞台美術を学ぶためにニューヨークの演劇学校に入学したが、演技に興味を持って1959年にブロードウェイの舞台に通行人の役で立った。その頃に結婚したローラ・ヴァン・ワンジメンとの間に2女2男がいたが1985年に離婚。2009年にドイツ人アーティスト、シビル・ザガーズと再婚している。

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