国内外のファンタスティック映画祭に頻繁に出席されている映画評論家の塩田時敏先生。特にホラーに関しては一家言をお持ちの塩田先生に、ホラー映画界におけるなんでもナンバーワンを(独断と偏見もこめて)決めていただきました。異論もありましょうが、これはこれで楽しんでいただければ!(文:塩田時敏/デジタル編集:スクリーン編集部)

鏡よ鏡、ホラー1番の美女は誰?

ホラー映画の美女は別名“スクリーム(絶叫)クイーン”と呼ばれ、「サイコ」の半裸シャワーシーンでお馴染みジャネット・リーが一番、とされるのが定説。また、その実娘で「ハロウィン」のジェイミー・リー・カーティスがトップの声もある。なるほど40年ぶりの新作「ハロウィン」でもなかなかの熟女、美魔女ぶりで、あなどれない。

個人的には「怪人スワンプシング」のヘザー・ロックリアもいいが、共演のモニーク・ガブリエル、「ザ・フライ」のジーナ・デイヴィス、「ZOMBIO/死霊のしたたり」のバーバラ・クランプトン、「エンティティー/霊体」のバーバラ・ハーシーも捨てがたい。

画像: 「エンティティ―/霊体」のバーバラ・ハーシー

「エンティティ―/霊体」のバーバラ・ハーシー

アメリカンニューシネマの埋もれた佳作「去年の夏」のサンディこと、熟したバーバラ・ハーシーが悪霊から鏡に押し付けられ、後背位で責められるのだから堪らない。あぁ~ん鏡よ鏡、これがホントの背後霊。おぉっと、主観に走りすぎたな(笑)。

客観的に言うなら「フェノミナ」のジェニファー・コネリーに止めを指す。当時14歳の、文字通り悪い虫がうじゃうじゃと寄ってたかった美少女だ。Jホラーのアメリカリメイク「ダーク・ウォーター」に主演も張ってくれたので、絶叫クイーン認定!

画像: 「フェノミナ」のジェニファー・コネリー

「フェノミナ」のジェニファー・コネリー

世界興行収入ホラー映画第1位

シリーズ全体では「死霊館」シリーズが1500億円を上回る興収を上げているが、単独ではスティーヴン・キング原作の「IT/イット“それ”が見えたら、終わり。」が、R指定ホラーとして744億円以上を稼ぎだしてトップ。今後、非R指定ホラー「シックス・センス」の766億円を越えられるかが勝負だ。

ちなみに、低予算で高収益をあげたコスパのいいホラーのナンバー1は、2018年、日本の映画業界の台風の目となり社会現象ともなった上田慎一郎監督「カメラを止めるな!」。制作費は300万円しか掛かってない自主制作映画の興行成績が、現時点でまさかの30億円越え。

1番認められたホラー

画像: 「スリラー」

「スリラー」

マイケル・ジャクソンの「スリラー」のMVは、「狼男アメリカン」の名コンビ、ジョン・ランディス監督とリック・ベイカーの特殊メイクによる傑作短編。その出来の素晴らしさと歴史的価値から、2009年に短編映画としては初めてアメリカ国立フィルム登録簿に登録され、アメリカ議会図書館でフィルムが永久保存されている。

ちなみにナレーションと印象的な笑い声を担当したのは、ホラーの名優ヴィンセント・プライス。なお、「悪魔のいけにえ」はその芸術的観点から、ニューヨーク近代美術館に収蔵されている。

画像: 「悪魔のいけにえ」

「悪魔のいけにえ」

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