知っていると映画が100倍楽しめる!「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」には、1969年のハリウッド事情を知っていれば知っているほどさらに楽しめる業界ネタがいっぱい!そこで映画に登場する実在の人物、映画から、バックミュージックまで押さえておきたいキーパーソン、カルチャーをレクチャー!(解説・井上健一)

映画に登場する業界人

シャロン・テート
(マーゴット・ロビー演/新進女優)

1960年代に活躍した米国の女優。1943年、軍人の父の下に生まれ、各地を転々とする中、16歳の時にローマでスカウトされ、テレビ出演などを経て「卑怯者の勲章」(1964)で映画デビュー。「吸血鬼」(1967)への出演が縁で、1968年に監督のロマン・ポランスキーと結婚する。

ところが1969年8月9日、ポランスキーが留守の間、自宅を襲撃してきたチャールズ・マンソン率いるカルト集団によって惨殺された。当時、シャロンは妊娠8ヶ月だった。享年26歳。

ロマン・ポランスキー
(ラファル・ザヴィエルチャ演/映画監督、シャロンの夫)

実際のシャロンとロマン・ポランスキー監督

「戦場のピアニスト」(2002)などを手掛けた巨匠。1933年、パリ生まれ。長編初監督作「水の中のナイフ」(1962)、「ローズマリーの赤ちゃん」(1968)などで世界的知名度を得る。1968年にシャロン・テートと結婚。

スティーヴ・マックィーン
(ダミアン・ルイス演/パーティーシーンに登場)

画像: スティーヴ・マックィーン(ダミアン・ルイス)

スティーヴ・マックィーン(ダミアン・ルイス)

1960~70年代に絶大な人気を誇ったスター。映画の舞台となる60年代後半は、アカデミー賞主演男優賞候補となった「砲艦サンパブロ」(1966)や史上初のカーアクション映画「ブリット」(1968)などで活躍。脂の乗り切った時期だった。

ジェイ・セブリング
(エミール・ハーシュ演/ハリウッドのヘアスタイリスト)

実際のジェイ・セブリング

シャロン・テートの元婚約者。ヘアスタイリストとして活躍し、多数の作品でスティーヴ・マックィーンのヘアメイクを担当した。実は、ブルース・リーが『グリーン・ホーネット』(1966~1967)に出演するきっかけを作った人物でもある。

ウェイン・マウンダー
(ルーク・ペリー演/「対決ランサー牧場」でリックと共演)

TV西部劇『対決ランサー牧場』(1968~1970)で、ジェームズ・ステイシーと共に主演を務めた俳優。ブルース・リーが企画に関わり、デーヴィッド・キャラディーン主演のTV『燃えよカンフー』(1972)のパイロット版にも出演。

サム・ワナメーカー
(ニコラス・ハモンド演/「対決ランサー牧場」を撮影中の監督)

画像: サム・ワナメーカー(ニコラス・ハモンド)

サム・ワナメーカー(ニコラス・ハモンド)

ユル・ブリンナー主演作「黄金線上の男」(1969)、TV『刑事コロンボ/殺しの序曲』(1977)などの監督。本業は俳優で「隊長ブーリバ」(1962)、「アーノルド・シュワルツェネッガー/ゴリラ」(1986)など多数の出演作がある。

ジェームズ・ステイシー
(ティモシー・オリファント演/「対決ランサー牧場」でリックと共演)

TV西部劇『対決ランサー牧場』に主演した俳優。1950年代から活躍し、映画では「デンジャー」(1969)、「明日なき追撃」(1975/カーク・ダグラス監督・主演)などの出演作がある。コニー・スティーヴンスと夫婦だった時期も。

コニー・スティーヴンス
(ドリーマ・ウォーカー演/パーティーシーンに登場)

1959年~1963年に放送されたTV『ハワイアン・アイ』のヒロイン役でアイドル的人気を博した女優。映画では「月世界宙がえり」(1966)、「グリース2」(1982)などの出演作がある。歌手としての顔も持ち、息長く活躍中。

マーヴィン・シュワルツ
(アル・パチーノ演/プロデューサー)

1960~1970年代に活躍した映画プロデューサーがこの名前。ロック・ハドソン主演の「目かくし」(1965)、ジョン・ウェイン主演の「戦う幌馬車」(1967)、ジェームズ・コバーン主演の「殺人美学」(1969)などを手掛けている。

ミシェル・フィリップス
(レベッカ・リットンハウス演/パーティーシーンに登場)

実際のミシェル・フィリップス

1965年にデビュー曲「カリフォルニア・ドリーミング」が大ヒットしたフォークグループ「ママス&パパス」のメンバー。1960年代末のグループ解散後は、「デリンジャー」(1973)、「華麗なる相続人」(1979)などで女優として活躍。

ブルース・リー
(マイク・モー演/クンフー・アクションスター)

伝説的アクションスター。香港で育ち、渡米後、TV『グリーン・ホーネット』(1966~1967)のカトー役で人気に。初主演映画「ドラゴン危機一発」(1971)以前に、シャロン・テート出演の「サイレンサー第4弾/破壊部隊」(1968)で武術指導を担当。

映画には登場しないが名前が出てくる実在人物

ジョージ・チャキリス
(リックと共に「大脱走」の代役候補になった一人)

アカデミー賞&ゴールデングローブ賞助演男優賞をダブル受賞した「ウェスト・サイド物語」(1961)で映画史に名を残す俳優。その他の出演作に、「ショウほど素敵な商売はない」(1954)、「ロシュフォールの恋人たち」(1966)などがある。

セルジョ・コルブッチ
(リックと組むイタリアの映画監督)

マカロニ・ウエスタン全盛期を支えたイタリアの映画監督。フランコ・ネロの出世作「続・荒野の用心棒」(1966)を手掛け、名キャラクター“ジャンゴ”を生んだ。その他、「さすらいのガンマン」(1966)、「ガンマン大連合」(1970)など。

セルジョ・コルブッチ監督とリックが組んだイタリア映画のポスター

ジョージ・ペパード
(リックと共に「大脱走」の代役候補になった一人)

「ティファニーで朝食を」(1961)で、オードリー・ヘプバーンの相手役を務めた俳優。その後は「クロスボー作戦」(1965)、「ペンダラム」(1969)などのアクション映画で活躍。後にTV『特攻野郎Aチーム』(1983~1987)でも人気に。

ジョージ・マハリス
(リックと共に「大脱走」の代役候補になった一人)

1960~63年に放送されたTV『ルート66』の主演俳優。2人の若者がコルベットに乗って旅するロードムービー的内容が受けてヒットしたが、終盤は降板した。その後は「サタンバグ」(1964)、「真昼の衝動」(1966)などに出演。

※他にデニス・ホッパー、ジョゼフ・コットン、ジェームズ・ファレンティノ、ロン・エリー、アンドリュー・V・マクラグレンなどの人名も登場

This article is a sponsored article by
''.