最新インタビューを通して編集部が特に注目する一人に光をあてる“今月の顔”。今回取り上げるのは、新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」で実在の悲劇の女優に扮したマーゴット・ロビー。念願だったというクエンティン・タランティーノ監督との仕事について話を聞きました。

ゴージャスな美貌と確かな演技力で往年の新進女優を演じる

Profile
マーゴット・ロビー
「スーサイド・スクワッド」のハーレイ・クイン役やアカデミー賞に初ノミネートされた「アイ,トーニャ」で大ブレーク。ゴージャスな美貌と確かな演技力で、オーストラリアを代表する女優の一人に。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」では往年の女優シャロン・テートを演じている。1990年7月2日生まれの29歳。

桜色のドレスをまとい、カメラの前に立つマーゴット・ロビーは、息を呑むほどにゴージャスで、どこまでもエレガントな美しさをたたえている。まるで往年の名女優がそこにいるように、彼女のいる場所だけ空気や色が変わる気さえする。たぶん彼女のそうした資質が、今度の新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」に必要不可欠なものだったのだろう。

レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの夢の初共演が実現し、鬼才クエンティン・タランティーノ監督の“9作目”の長編映画としても注目されている「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」。本作は1969年のハリウッドを舞台としている。それはつまり女優シャロン・テート殺害事件が起きた年ということを意味している。そのシャロン役を演じているのがマーゴットである。

当時シャロン・テートは美しいブロンド髪の新進女優として、そして映画監督ロマン・ポランスキーの新妻として、世間から大きな注目を浴びる存在だった。だが妊娠中だったそのときに、狂信的なカルト信者らに襲われ、26歳という若さで命を落とすことになる。全世界を震撼させ、ハリウッドの黄金期に終止符を打った悪夢。その当事者である女優を、マーゴットは故人の面影を再現しながら演じている。タランティーノ監督との初めての仕事や役作りについて話を聞いた。

“自分の演技に自信を持つことができたらタランティーノ監督に直接手紙を書こうと思っていたの”

──どのような経緯で「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」に出演することになったのでしょうか?

『じつはクエンティン(タランティーノ監督)がこのプロジェクトに着手するということを知らずに、彼に手紙を書いたの。「大ファンです。仕事をしているあなたを見せてもらってもいいですか」って。昔からずっと「手紙を書きたい。彼に連絡したい」と思っていたの。子どもの頃から彼の作品にずっとあこがれてきたから。

でもずっと控えていたの。「彼に連絡できるほどの役者には自分はまだなっていない」と思って。彼に連絡できるくらいいい演技ができるようになった、と思えるまで待っていたの。「アイ,トーニャ史上最大のスキャンダル」の最初の正式なアセンブリーカット(初期の編集版)を見たときに、「よし。自分の演技に満足できた。彼に連絡しよう」って思って、手紙を書いた。それがきっかけになったの』

──タランティーノ監督から今回の脚本が送られてきたのですか?

『いいえ。脚本は一部しかない。彼の直筆の文字が書かれていて、コピーして他所に送ることは禁止されている。だから私がクエンティンの家に行って、キッチンの隅に座って読むわけ。私はもともと読むのが遅い上に、彼のオリジナル脚本を手にしているというだけで死にそうに高ぶっていたから、たぶん4時間半くらいはいたんじゃないかしら。

彼は途中で席を外したけれど、45分毎くらいに戻ってきては、「何か飲むかい?サラミとチーズとクラッカーはどう?」って聞いてくれたわ。それで軽くランチも食べたし、彼がVBも出してくれたの。VBはオーストラリアのビールのようなものよ。「クエンティンンがVBを飲んでいる。すごい。故郷にいるみんなに早く話したい」って思ったわ(笑)』

──女優シャロン・テートを演じるにあたってどのような準備を行ないましたか?

『シャロンについて、そして当時についてクエンティンと長い時間をかけて話した。彼は当時ロサンジェルスに住んでいたから、1969年のロサンジェルスについて背景や雰囲気など多くのことを教えてくれた。本やインターネットなどから得られる情報は限られているでしょう。

あとは当たり前のことをしたわ。彼女について読めるものはすべて読み、見られるものはすべて見た。そして当時のシャロンを知っていたダンスコーチにもついたし、シャロンの美容師や妹とも会った。シャロンはすごく素敵な人だから、役作りも楽しかった。本当に心から楽しめたわ』

──年代当時の映画は何かご覧になりましたか?

『クエンティンはクルー全員に映画を見せてくれるの。そういう“ムービー・タイム”が毎週あるのよ。たとえば「大脱走」は脚本に何度も出てくるから、みんなでマルガリータを飲みながら見たわ。私はそれまで見たことがなかったから、休憩中に「あの人は死なないわよね?」って聞いたら、クエンティンは「教えないよ。この映画を今まで見たことがなかったなんて!」って驚いていたわ。それ以外にもシャロンの出演作すべてを見たわ。あと、ほかにも当時の映画を見たり、ポッドキャストを聴いたり、本を読んだりしたの』

──先日開催されたカンヌ国際映画祭の記者会見では、あなたのセリフが少ないのではないかという質問が波紋を呼びましたが、ご自身ではどのように考えていますか?

『言葉を使って、このキャラクターがどんな人物なのかを伝える方が、私にとってははるかに楽よ。どんなメッセージも、感覚も、雰囲気も、言葉を使って伝える方が簡単。この映画では大半は私が一人で日々をすごしているから、台詞は限られているの。でもスクリーン上のシャロンを見ている時間はかなりあるのよ。運転したり、散歩したり、映画を見たりね。とにかく、私はスクリーン上にシャロンが映っている時間に、観客が何かを感じ取ってくれることを願っているわ』

──1969年のハリウッド黄金時代に比べて、今の時代に映画スターでいることは難しくなっているでしょうか?

『1969年当時がどんなものだったのか、私にはわからない。でもきっと今とは状況は大きく違っていたでしょうね。ソーシャルメディアがすべてを変えてしまった。でも当時のことは私にはわからないわ』

──本作のシャロンのように、ご自身の映画を劇場に見にいったことはありますか?

ええ。本作のカンヌでのプレミア上映はシュールだったわ。スクリーン上のシャロンとまったく同じように、席に座って映画を見て、周りの人たちの反応を聞いて「これが現実に起きていることなんて信じられない!」って思っていたから。映画を見る喜びの半分は、大勢の人たちが同じときに、それぞれ違った反応や同じ反応をしているのを見るという、共通体験にあると思う。

その共有感に匹敵するものはないと思う。隣の人が笑い声をあげたり、クスクス笑ったり、息をのんだり、音楽に合わせて頭をゆらしたりするのを見聞きすることで、自分の映画体験も高まる。楽しみが倍増する。家で一人で見ていたら、同じような体験にはならないんじゃないかなと思う。スクリーン上に投影されることで、真の映画体験になるのよ』

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

2019年8月30日(金)より公開中

画像3: 息を呑むほど美しい…!マーゴット・ロビーのワンハリでの役作りに迫る!

レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの豪華初共演が実現。鬼才クエンティン・タランティーノ監督が女優シャロン・テート殺害事件を背景に、ハリウッド黄金時代の最後の瞬間を描く。

監督/クエンティン・タランティーノ
出演/レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、エミール・ハーシュ

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