2019年12月20日(金)ついに公開される「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」。新たに抜擢されたキャストも、旧作からのキャストにとってもこれが最後の「スター・ウォーズ」となります。彼らは今どんな思いを抱いているのでしょう?レイ役のデージー・リドリーをはじめとする豪華キャストたちへの特別インタビューです。

レイ役/デイジー・リドリー

デイジー・リドリー
2015年の「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」でヒロイン・レイ役に抜擢され、それまでほとんど無名の存在ながら一躍スターダムへ。続編の「最後のジェダイ」、そして完結編「スカイウォーカーの夜明け」でもレイ役を務める。大叔父はイギリス人コメディー俳優のアーノルド・リドリー。「オリエント急行殺人事件」や「ピーターラビット」(声の出演)など話題作にも続々出演し、若手世代の英国女優を代表する存在に。1992年4月10日生まれの27歳。

「これは凄いシーンになった」とスタッフに言ってもらったの

新シリーズの主人公は誰?世界中が気をもんでいたその座を勝ち取ったのは無名の英国女優、当時23歳のデイジー・リドリーだった。その若さも手伝って『スター・ウォーズ』への思い入れや知識は決して深くはなかったが(ほぼ)新人だとは思えないヒロインっぷり。アクションも出来てドラマも出来て、この超大作をしっかり背負っている。

「よく聞かれるのは、『スター・ウォーズ』に参加して人生はどう変わりましたか?ということなの。キャリアの面では大作にもインディペンデント系の作品にも声をかけてもらえるようになった。これは私にとっては最高のスタンスだと思っている。

ただ、そのほかの面ではほとんど変わってないと思うわ。『フォースの覚醒』が公開された直後は「うわー、私の人生、すっごく変わっちゃった!」って感じだったけど、その1ヵ月後は「あら、やっぱり変わってないわ」だったから(笑)」

が、デイジーが演じるレイの人生はとてつもなく変化している。屑鉄を拾って孤独な人生を送っていた女性が、いまでは多くの仲間が生まれ、銀河宇宙の命運を握る存在にまで大きくなったのだ。今回、とりわけファンが驚愕したのは、最初の予告編のラストに登場した彼女の姿。なんと赤いライトセーバー、それも『エピソード1/ファントム・メナス』の暗黒卿のひとりダース・モールが持っていたダブルブレイド・ライトセーバーを構えていたからだ。

「私は本作を入れると、これまで3本の『スター・ウォーズ』に出演してきた。その経験のなかで、もっとも驚いた出来事をあげてといわれたら、間違いなく予告編のあのライトセーバーのシーンを選ぶわ。あのシーンという意味じゃなく、それが最初の予告編に入れられていた事実に、思わず息を呑んでしまったのよ。まさかJ・J(監督)があのシーンを予告編に入れるなんて信じられない!という感じだったから。本当に「オー・マイ・ゴッド!」だったんだから!」

あのシーン、エイブラムスお得意のハッタリだと思っていた人が多かったはずだが、本当にとんでもなく重要なのだろうか?これまでの展開から考えると、カイロ・レンがダークサイドに転び、第二のダース・ベイダーになりそうになる、というのが王道的な考え方だが、それを見事に裏切ってレイが暗黒面に呑み込まれる⁈いや、いくらなんでもそれはやりすぎなのでは……。

「そのシーンにどんな意味があるのか?それについては何も言えないわ(笑)。でも、あのバトルシーン、今回で一番ヘビーな撮影でもあったのよ。11月の寒いイギリスで、巨大な放水砲から大量の水を浴びながらだったから。

水と水しぶきのせいで視界が遮られ、アダム(・ドライヴァー)にライトセーバーを本当に当ててしまったし、アダムも私の指に当てたわ。一瞬、骨折したんじゃないかと思って撮影を止めたくらいだった。私はゼエゼエと肩で息をしていて、何も考えられないくらいだった。でもね、その撮影が終わったとき、周りのスタッフが「これは凄いシーンになった」って興奮しながら言ってくれたの。普通、その場でそんな反応は返らない場合が多いのによ。一生懸命やった甲斐があったわ」

ヨルダンのロケの最終日は本当に感動的な瞬間だった

そのカイロ・レンを演じているアダム・ドライヴァーも本シリーズでブレイクし、インディペンデント系映画で大活躍。『ブラック・クランズマン』でアカデミー助演男優賞にノミネートされるほどだ。

「アダムとの仕事はいつも最高なの。彼はどっぷりと役に入り込んで演じるタイプ。だから、たとえ自分の姿が映らないときでも、手を抜くなんてことは絶対にない。いつも全力で演技をするのよ。それは共演者として最高なのは言うまでもないわよね。最初に彼の凄さを感じたのは『フォースの覚醒』の拷問シーンだった。あの撮影にはとても時間がかかったのだけれど、彼はテイクの度に全力で挑んでくる。もちろん、それがたとえ自分が映ってないシーンでもよ!私は「なぜこんなことが出来るのかしら?」って凄く驚いた。だから、彼との共演シーンはいつだって刺激的でがんばれるのよ」

では、そういうヘビーな経験とは対照的に、感動的なことは?何と言っても本作は、シリーズの終わりなのだから。

「J・Jがシリーズに帰ってきたことで、最初のクルーとまた一緒に仕事が出来て、これはとても嬉しかったことのひとつよね。彼らとは同じエモーションで繋がっていて、同じようにエモーショナルになるときがある。でも、みんな涙だけは流さなかったわ。でも、今回の撮影は違っていた。ヨルダンのロケの最終日よ。その日、最後の夕陽を捉えるために素早く動いていたとき、みんな動きを止めて押し黙ってしまったの。

それは、ある小さなシーン。本当に素晴らしい瞬間だった。おそらくそこにいた全員の頭のなかにはジョン・ウィリアムズの音楽が流れていたんだと思う。そして、「ああ、私たち、本当に『SW』が大好きなんだ」って再認識してしまったのよ。あのとき、みんなのエモーションがひとつになり、目に涙をためているクルーもいた。このシーンが本編でどうなっているのか、ファンの人たちがどんな反応を示すのか。すごーく楽しみよ。みんな絶対、泣いちゃうと思っているんだけど(笑)」

ところで、私たちがもっとも気になるのは〝レイの物語は本当に本作で終わりなのか〞である。レイはもうシリーズには登場しないのだろうか?

「それについては先日、キャスリーン(・ケネディー/ルーカスフィルムのトップ)が「将来的に、レイを始めとしたキャラクターはシリーズに戻ってくる」と発言したと聞いているけど、私自身は耳にしてないし、言われてもいない。それに、それは私が決めることじゃないわよね。

『スカイウォーカーの夜明け』のラストはもちろん知っているけど、これからの『スター・ウォーズ』がどうなるかは知らないのよ。だから、そんな先のことより、まずはこの作品を楽しんで欲しいわ(笑)」

おっしゃる通り!だけど、ファンはやっぱりその先も気になってしまうのだ。

Photo by Charley Gallay/Getty Images for Disney

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