豪華絢爛にパワーアップ!スクリーンをきらびやかに彩る映画版「ダウントン・アビー」が2020年1月10日(金)公開。(文・前田かおり/デジタル編集・スクリーン編集部)

英国傑作ドラマ待望の映画化!

20世紀初頭、英国北東部ヨークシャーの大邸宅に暮らす貴族クローリー家と使用人たちの生活を描いたTVシリーズ『ダウントン・アビー』。2010年の放送開始以来、ゴールデングローブ賞やエミー賞などを受賞し、世界200以上の国と地域で大ヒットした傑作ドラマが満を持してスクリーンに登場する。

映画版はシーズン6で幕を閉じたTVシリーズから2年後の1927年が舞台。ダウントン・アビーに英国国王夫妻が来訪するという一大イベントをめぐり一族や使用人たちのロマンス、スキャンダル、陰謀などが次々と起きる。

ヒュー・ボネヴィル、マギー・スミス、ミシェル・ドッカリー、ジム・カーターらお馴染みのキャストのほか、映画版にはモード役で名女優イメルダ・ストーントンが初登場。脚本はシリーズの生みの親ジュリアン・フェローズ、監督はドラマ版でも数話監督したマイケル・エングラー。2019年9月20日公開の全米ランキングでNo1を記録した。

英国王室もセレブもヒーローも!
世界中をトリコにしたドラマ『ダウントン・アビー』とは?

画像: 英国傑作ドラマ待望の映画化『ダウントン・アビー』徹底解説!

2010年に放送が始まるや、英国王室にローリング・ストーンズのミック・ジャガー、さらには『アイアンマン3』で入院中のハッピーの病室のテレビに流れるなど、セレブはもちろん世界中の人々を虜にした『ダウントン・アビー』。

物語は1912年、英国のヨークシャーにある大邸宅“ダウントン・アビー”の当主グランサム伯爵ロバートに長女メアリーの婚約者が豪華客船タイタニック号の沈没事故に巻き込まれたという悲報が届いたところから始まる。当時、女性は財産を相続できない時代で、3人の娘しかいないロバートはダウントン・アビーの将来と、娘の幸せを守るために奔走。娘たちは貴族社会のしきたりに抗いながら自分の道を切り開こうとする。その一方で、一家に忠誠を誓う使用人たちも人生の悲喜こもごもを味わうことに。

1925年まで6シーズン、全52話の中にはロマンス、サスペンス、コメディの要素、さらにユーモアも織り込まれ、本国イギリスはもちろん、貴族社会への憧憬があるアメリカでも爆発的な人気を呼んだ。

画像: メアリーの亡き夫マシューを演じたダン・スティーヴンス、ロバートの親戚の娘役リリー・ジェームズなど本作を機に飛躍した俳優も

メアリーの亡き夫マシューを演じたダン・スティーヴンス、ロバートの親戚の娘役リリー・ジェームズなど本作を機に飛躍した俳優も

画像: 「ダウントン・アビー」コンプリート・ブルーレイBOXNBC ユニバーサルより発売中

「ダウントン・アビー」コンプリート・ブルーレイBOXNBC
ユニバーサルより発売中

© 2010- 2015 Carnival Film & Television Limited. All Rights Reserved. Season1 : Film © 2010 Carnival Film & Television Limited. All Rights Reserved.

映画版のストーリーは

1927年、ダウントン・アビーの当主グランサム伯爵ロバート(ボネヴィル)のもとに、ジョージ5世国王とメアリー王妃がダウントンを訪れるという知らせが届く。一家はもちろん使用人たちも大興奮。

壮大なパレードや豪勢な晩餐会の準備も必要になることから、現在ダウントンを切り盛りする長女メアリー(ミシェル)はこの一大イベントのため、引退していた元執事のカーソン(カーター)に助けを求める。だが、国王夫妻来訪の前に下見に来た従者たちは夫妻の世話も食事も給仕も全て一切、自分たちが行うと言い放ち、カーソンら使用人たちには憤慨、落胆する。

「ダウントン・アビー」ここに注目!

貴族社会を知る脚本家によるストーリー

画像: ミシェル・ドッカリーと談笑中のジュリアン・フェローズ(中央)

ミシェル・ドッカリーと談笑中のジュリアン・フェローズ(中央)

TVシリーズから企画、製作総指揮、脚本を務めるジュリアン・フェローズは上流階級育ち。貴族の屋敷が舞台の映画『ゴスフォード・パーク』(2001)でアカデミー賞脚本賞を受賞。本作でも貴族の生活ぶりを丁寧に描き込んでいる。

たとえば、屋敷の中は階上(=貴族)と階下(=使用人)で隔絶され出入口も違うが、ダウントン・アビーには立場を越えた人間同士の絆があり、そこが見どころでもある。シリーズを知り尽くした人物が描く集大成の本作は“ダウントン・アビー愛”にあふれた物語が繰り広げられる。

時代を映す華やかな衣装

画像: 舞踏会でのメアリーのドレスは、モスリンにビーズがついた印象的なデザイン

舞踏会でのメアリーのドレスは、モスリンにビーズがついた印象的なデザイン

豪華絢爛なファッションが魅力の『ダウントン・アビー』。映画版ではさらにそのこだわりがグーンとアップしている。注目すべきはレディーのたしなみであるゴージャスな帽子が次々と登場する点。

さらに、仕立てのいいスーツに身を包んだジェントルマンたちが颯爽と現れる。また1920年代当時を再現するためヴィンテージの生地を使用した衣装の数々は素晴らしい。クライマックスの舞踏会でメアリーが着ているドレスなどはとくに美しく、一段と華やぐものになっている。

壮麗な屋敷と格調高い楽曲

画像: 壮麗な屋敷と格調高い楽曲

『ダウントン・アビー』の顔とも言える屋敷は、英ハンプシャーにあるカントリー・ハウスのハイクレア城を使用。ビクトリア朝後期と大英帝国の威信を表す建物だ。映画版では冒頭の5分、格調高いお馴染みのテーマ曲を聴かせる。これだけでファンならずとも期待に胸が高まることだろう。

壮麗な屋敷には豪華絢爛なサロンに、美しく着飾ったクローリー家の人々がディナーを楽しむダイニングルームなどがあり、階下では使用人たちが忙しく立ち働いている。瞬時にして、華やかな貴族たちの世界に引き込まれること必至だ。

「ダウントン・アビー」
2020年1月10日(金)公開

原題:ダウントン・アビー/英=米/2019年/2時間2分/東宝東和配給
監督:マイケル・エングラー/出演:ヒュー・ボネヴィル、ジム・カーター、ミシェル・ドッカリー、エリザベス・マクガヴァン、マギー・スミス、イメルダ・ストーントン、ペネロープ、ウィルトン
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