ブルーレイ&DVDに初収録される日本語吹替版で、ジョーカー役を務める声優・平田広明。アニメ、洋画問わず多くのキャラクターに声を当ててきた彼に、本作に対する思いや役作りなどについて聞いた。(文・タナカシノブ/デジタル編集・スクリーン編集部)

平田広明(ひらた ひろあき)
8月7日、東京都出身。洋画の 吹替やアニメ、ナレーションのほか 舞台等でも幅広く活躍中。主な出演作は「ONE PIECE」のサンジ、「TIGER & BUNNY」の鏑木・T・虎 徹、「パイレーツ・オブ・カリビアン」 シリーズのジャック・スパロウなど。

”作品の評判よりもホアキンの演技にプレッシャーを感じました“

吹替に期待してもらえるのは声優としてすごくありがたい

──世界的大ヒット作であり、ホアキン・フェニックスの演技が絶賛された注目作の声を担当した心境を教えてください。

「オーディションで合格をいただいたのは、日本での劇場公開が始まった頃で、ちょうど『ジョーカー』の人気がじわじわ来ているタイミングでした。アフレコ前に劇場で観たのですが〝、この役を僕が出来るのか〞とホアキンの演技の凄さを改めて感じましたね。もし今、アフレコをしていたらこの盛り上がりの中、プレッシャーに押しつぶされていたかもしれません」

──数々の大ヒット作や人気キャラクターを演じてきた平田さんでも、そう感じるものなのですか?

「僕も一応人間なので緊張もするし、プレッシャーだって感じるんですよ。でも、みなさんからの期待はありがたいし、凄く嬉しいので〝よし、待ってろよ!〞とエネルギーに変えて頑張ることができます。今回は、作品の評判よりもホアキンの演技の凄さにプレッシャーを感じました。〝少しは吹き替えるほうの身になってくれよ〞って。それほどのお芝居でしたね」

──〝平田さんが吹き替えするなら、劇場でも観たい!〞〝字幕派の人も満足できるはず!〞とSNSなどでも期待の声があがっています

「吹き替えに興味を持ってくださっている方が多いことを改めて感じています。全年齢向けの作品なら劇場で吹き替えが同時にかかるものだけど、R指定で縛りも多い作品であるにも関わらず大ヒット。近年類をみないケースの作品で吹き替えに期待してもらえるのは、声優としてはすごくありがたいです、〝需要があるんだな、俺たち〞って。収録が終わってプレッシャーからも解き放たれましたので、今はもっともっと盛り上がっちゃえという気分になっています」

画像: 吹替に期待してもらえるのは声優としてすごくありがたい

〝笑い方〞に関しては演技力よりタイミングを考えていた

──今回の役作りについて教えてください。

「今回、特に肉体的な準備は必要ないと判断しましたので、一切痩せていません(笑)。ただ、〝笑い〞に関しては体力勝負になるとわかっていたので、前日のリハで飛ばしすぎないよう意識しました。前々日の金曜日に自宅でえへらえへらと夜通し笑っていましたが、想像すると怖いでしょ?」

── 〝笑い方〞は本作で重要なポイントのひとつですよね。

「演技としてゼロからあの笑いを作り出すことはとても大変だと思います。でも、僕は完成されたお芝居に声をあてるだけなので創り上げる演技力よりも、単純に(タイミングが)合うか合わないかを第一に考えます。何回も何回も観ればタイミングが合うようになる。とても面倒な作業ですが、吹き替えはそういう職人の世界だと思うんです。

この作品の〝笑い〞は、実はみんなどこかで見たり、経験したことのある笑いであって、特殊なものではないと考えました。なので、吹き替えに関しては、笑い方の演技を掘り下げるよりもホアキンとの呼吸の合わせ方という技術の点を意識しました。〝終わるのかな、このリハーサル〞なんて思いながら。

笑いが絡む重要な、シーンは最後にまとめて収録しました。あまり続けてやると声が出なくなるので、休憩を挟みながら......。それでも時間もかからずにスムーズに進みましたね。すべては信頼する乗せ上手な音響監督さんのおかげです」

──平田さんが感じる本作の魅力を教えてください。

「ゴッサム、ジョーカーの名前や設定をバットマンから借りてはいるけれど、現実的な設定で非常にリアリティのあるドラマだと思います。例えば、殺しのシーン。普通は殺す瞬間が映像的にも感情面でもピークになるものだと思いますが、アーサーの場合、殺した後もピークが終わらない、無意識にステップを踏んでみたり......。

それこそホアキンの中にジョーカーが降りてきているからこその演技なのだろうけれど、とても怖いと思ったし、僕がハマったポイントでもあります。それと、共存していたはずのアーサーとジョーカーから、アーサーが消えて完全なジョーカーが誕生する瞬間、エレベーターに乗って振り返るあのシーンが大好きです」

──平田版『ジョーカー』を楽しみにしているファンにメッセージを!

「僕の中で、とても思い出深い作品に なりました。間違いなく、僕の代表作 の一つになるのだと思います。字幕で 楽しんだ方も、吹き替えを待っていた 方も、思う存分楽しんでください!」

画像: 世界的大ヒット作「ジョーカー」日本語吹替版 平田広明インタビュー!

「ジョーカー」ブルーレイ&DVDセット
2020年1月29日(水)発売
WBHE
【初回仕様】4527円+税(2枚組/ポストカード付)、【初回仕様】4K ULTRA HD&ブルーレイセット=6345円+税(2枚組/ポストカード付)
特典:ジョーカーが生まれるまで、新たなジョーカーとゴッサムを描く、撮影の舞台裏、狂気の記録

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