最新インタビューを通して編集部が特に注目する一人に光をあてる“今月の顔”。今回取り上げるのは「クリード」シリーズなどで知られるハリウッドの期待の星マイケル・B・ジョーダン。実在の弁護士を演じた感動作「黒い司法 0%からの奇跡」について話を聞きました。

マイケル・B・ジョーダン
「フルートベール駅で」で注目され、悪役を演じた「ブラックパンサー」などヒット作を連発、ハリウッドの次世代を担う存在の一人に。『NARUTO』など日本の漫画&アニメ好きとしても知られる。テニスの大坂なおみ選手が“憧れのセレブ”として彼の名前を挙げたことも話題に。1987年2月9日生まれの33歳。

"誰でも変化を起こせる力をもっていて、助けの手を差し伸べることができるんだ”

「クリード」シリーズや「ブラックパンサー」でスターダムの座へ駆け上がり“、ポスト”ウィル・スミスともいわれる期待の星マイケル・B・ジョーダン。テニスの大坂なおみ選手が憧れる俳優として日本でも脚光を浴びたが、今や彼はハリウッドで最も多くのオファーが届く俳優の一人。今後も盟友ライアン・クーグラー監督と再び組む新作や「クリード」第三弾など楽しみな新作が控え、新「スーパーマン」の主役を演じるという噂や、デンゼル・ワシントン監督作品に出演するという話も持ち上がっている。

そんな彼の主演最新作となるのが、黒人差別のはびこるアラバマで、正義を信じて冤罪と闘い続けた弁護士ブライアン・スティーブンソンの感動の実話を映画化した「黒い司法 0%からの奇跡」。ブライアンの活動に感銘を受けたジョーダンが、主演と製作を兼任した渾身のプロジェクトだ。

また本作は、ワーナー・ブラザースの方針“インクルージョン・ライダー※”のもとで製作された初めての作品でもある。その導入を率先して進めたのも、他ならぬジョーダンだ。『誰にも変化を起こせる力がある』と語る彼に、この作品にかけた思いを聞いた。

※インクルージョン・ライダー(包摂条項)
役者が出演契約を結ぶ際に、キャスト&スタッフの起用に女性や有色人種、性的少数者を含む人々の多様性を確保することを求める契約のこと。

画像: 「黒い司法 0%からの奇跡」 © 2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

「黒い司法 0%からの奇跡」
© 2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

––––「黒い司法0%からの奇跡」に主演兼製作として携わろうと決めたのはなぜですか?

『(原作者であり本作の主人公でもある)弁護士のブライアン・スティーブンソンを初めて知ったのは、彼が書いた原作「黒い司法黒人死刑大国アメリカの冤罪と闘う」の本を通してだった。そして彼のTEDトークを聞いたとき、彼のことや彼の仕事を知らなかった自分が遅れていると感じたんだ。

彼は数十年、公正な裁きを求めて戦い、人の命を救ってきた真の英雄だ。彼の仕事の重要性を理解したし、人々の考えや心を変えられるかもしれないというこの映画の可能性も感じた。ブライアンという人間を、そしてこの美しい脚本の本質を表現したいと思った。だから、この映画に出演したいと思ったんだ』

––––ブライアン本人とも直接話した ということですが、役作りはどのよう に行ないましたか?

『どんな役を演じるときも、僕はそのキャラクターに入り込み、その本質をつかもうとする。だから撮影中、ブライアン本人が近くにいたのは本当に貴重だった。彼のしぐさや話し方といった独特のちょっとしたことも参考にできたからね。役作りの上で大きな力になったよ。

それに僕は法廷とはあまり縁がなく生きてきた。ありがたいことにね。神様、これからもよろしく!(笑)だから法律用語を覚え、あの環境にしっくりなじむために、直接ブライアンに相談した。「裁判官席にはどうやって近づくの?」「最終弁論のときはどうやって喋るの?」とかね。

それは演技をする上で僕の大きな財産になった。本作に限らず、どの役も何か新しいものを要求してくるものだけれど、それが演技の楽しさだよね』

––––ジェイミー・フォックスとはあなたが小さい頃からの友人同士だそうですが、映画で共演するのは今回が初めてでしたね。

『ジェイミーはすばらしい俳優で、長い間尊敬してきた僕の良き先輩だ。だから共演できて本当に嬉しかった。お互いを知っていることで、相手の限界を押し上げて、良い演技にたどり着くことができる。

それは、ブライアンと(ジェイミーが演じる)ウォルターが初めて会った数回の会話のシーンで感じたことだった。出会いのシーンはとても強烈で、二人にとって人生の大切な瞬間だったと思う。それを見せるのはとても大切なことだと感じた。ジェイミーと僕のふだんの相性の良さは、役の上でしっかり役立っていると思うよ』

––––世界中の観客たちは、この物語にどう共感すると思いますか。

『社会の体制に抑圧されるコミュニティーに属している人であれば、人種や宗教、肌の色にかかわらず、この物語につながりを感じると思うよ。あらゆる人がこの物語に共感を覚えることができると思う。

これは人間についての物語で、善悪の問題を描いている。この映画で描かれる希望やポジティブさを受け取ってほしいし、そのメッセージを通して自分自身は大切な存在だと感じてほしい。

誰でも変化を起こせる力をもっていて、助けの手を差し伸べることができる。この映画はひとりの人間が大きな変化をもたらすことができるということを描いているんだよ』

––––本作は“インクルージョン・ライダー”のもとで製作された作品です。あなたがその導入を率先したそうですね。

画像: "誰でも変化を起こせる力をもっていて、助けの手を差し伸べることができるんだ”

『長く影響を及ぼしうる、何かポジティブなことをやるチャンスがある場合、それを最大限に使わないのはもったいないことだと僕は思うんだよね。僕は自分の仕事全体を通してそれをやろうとしている。僕は自分の選択でその見本になりたいんだ。単に仕事を引き受けるだけでなく、積極的に進めていきたい』

「黒い司法 0%からの奇跡」
2020年2月28日(金)公開

黒人差別が根強く残る1980年代アラバマ州を舞台に、冤罪の死刑 囚のために闘った弁護士の感動の実話を映画化。マイケル・B・ジ ョーダンが主演を務め、ジェイミー・フォックス&ブリー・ラーソ ンのWオスカー俳優が豪華共演。

監督/デスティン・ダニエル・クレットン
出演/マイケル・B・ジョーダン、ジェイミー・フォックス、ブリー・ラーソン、オシェア・ジャクソン・ジュニア

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