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心温まる家族の感動物語にして、気鋭スタジオ「A24」の話題作『フェアウェル』が2020年4月10日(金)より全国公開。感動の実話が映画化に至った理由を監督自らが明かした。
画像: 監督が明かす感動実話映画『フェアウェル』が生まれた理由

私にとってこれは“愛情表現”についての物語

2019年7月、全米わずか4館で限定公開されると驚異的な大ヒットを記録し、館数が桁違いの大作群の中で全米10位にランクイン! 勢いは止まらず、第77回ゴールデングローブ賞では、主演オークワフィナがアジア系女優初の主演女優賞を受賞する快挙を成し遂げた『フェアウェル』。

本作は、中国系アメリカ人として世界で活躍する女性監督ルル・ワンの実際の<嘘>から生まれた物語。“2019 年に注目すべき監督10人”(バラエティ)に選ばれたルル・ワンが脚本も手掛け、家族の在り方とそれぞれの生き方をリアルに、そして細やかに描いている。

NYに暮らすビリーと家族は、ガンで余命3ヶ月と宣告された祖母ナイナイに最後に会うために中国へ帰郷する。家族は、病のことを本人に悟られないように、集まる口実として、いとこの結婚式をでっちあげる。ちゃんと真実を伝えるべきだと訴えるビリーと、悲しませたくないと反対する家族。葛藤の中で過ごす数日間、うまくいかない人生に悩んでいたビリーは、明るく愛情深いナイナイから生きる力を受け取っていく。ついに訪れた帰国の朝、彼女たちが辿り着いた答えとは?

本作のテーマについて、ワン監督はこう語る。「家族の嘘や秘密を描いた映画が扱うテーマのひとつは、真実を語ることから派生する大きな浄化作用だと思います。私は本作で、そういう概念と闘ってみたいと思いました。私にとってこれは、“愛情表現”についての物語です」。

当時アメリカに住むワン監督は中国の祖母の病気を知り、中国に向かうこととなる。アメリカに戻るとすぐに自分の家族の嘘の物語を書き、それがナショナル・パブリック・ラジオの人気シリーズ「This American Life」というコーナーの1エピソード「What You Don’t Know」として放送された。

しかしこの後もワン監督は、この<嘘>のもっとミステリアスな側面に深く切り込むことに魅力を感じ、脚本を書き続けた。ワン監督は中国語を流暢に話すことは出来るが書くことが出来ないそうで、脚本に書いたセリフの60%を中国語に変換するため自身の両親に助けを求めたという逸話もある。

「両親は大きな助けになりました。両親は中国語を知っているし、関わっている実在の人たち全員を知っている。その上、実生活の中で家族がどんな会話をしたのかもわかっていましたからね」と、ワン監督は語る。

ワン監督の脚本が肉付けされた頃、奇跡的に「This American Life」のワン監督のエピソードを聞いていた、ビッグ・ビーチ社のプロデューサー陣とデプス・オブ・フィールド社から声がかかる。ワン監督同様、両社とも「この話は映画になる」という直観に突き動かされた。こうしてすぐに製作チームが立ち上がり、映画化へと繋がっていった。

ワン監督からA24のチームに対して送られた手紙にも“映画を作る過程において、広く‘商業的’な作品になることに対しては断固としてNOを突きつけ、逆に、いつか自分なりのストーリーの伝え方を表現できる日が必ず来る、と信念を曲げずに突き進みました。配給に至っては、大金を提示してきた大手の映像配信サービスのオファーを断り、有意義な方法である劇場公開で観客に映画を届けることができるのはA24がベストだと信じ、この会社に託したのです”と綴られている。

ワン監督のゆるぎない決意と脚本の力・奇跡が重なり、実際の家族がついたひとつの<嘘>から生まれた物語は、まもなく日本にも上陸する。

フェアウェル
2020年4月10日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給:ショウゲート
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