新型コロナウイルス感染拡大を受けて、公開を延期していた「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」(ソニー・ピクチャーズ配給)が、2020年6月12日(金)より日本公開が決定!19世紀に誕生した傑作『若草物語』がベースの本作。世界で最も愛される四姉妹が紡ぐそれぞれの人生とは?今回は作中に登場するマーチ家の女性たちと、4姉妹を取り巻く3人のオトコたちをご紹介します。(文・永千絵/デジタル編集・スクリーン編集部)

「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」について

これまで幾度となく命を吹き込まれてきたルイーザ・メイ・オルコットの世界的名作『若草物語』を、「レディ・バード」のグレタ・ガーウィグ監督とシアーシャ・ローナンのタッグで実写映画化。グレタが脚本と脚色も手掛け、クラシックな中にモダンな要素を加えた新たな物語を生み出した。

四姉妹には賞レースの若き常連や気鋭の若手が集結。物語の中心となる次女ジョーは本作でアカデミー主演女優賞候補になったシアーシャ、長女メグは「美女と野獣」のエマ・ワトソン、三女ベスはテレビドラマ「KIZUー傷ー」のエリザ・スカンレン、末っ子エイミーは『ブラック・ウィドウ』が控える注目株フローレンス・ピューが務めた。さらに「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメ、二大オスカー女優ローラ・ダーンとメリル・ストリープが姉妹を支える。第92回アカデミー賞で6部門にノミネートされ、衣装デザイン賞に輝いた。

登場人物紹介 01:強い絆で結ばれたマーチ家の女性たち

伝統を重んじるロマンチスト:長女 メグ(エマ・ワトソン)

画像: 伝統を重んじるロマンチスト:長女 メグ(エマ・ワトソン)

穏やかな気質のおっとりとした長女。裕福な友人たちが多く、そのせいで見栄っ張りな面もあるが、それはそれで可愛らしいもの。ローリーの家庭教師ジョン・ブルックの求婚を受け家庭を持つことになり、結婚生活には小さな波が立ちつつも、4姉妹のなかでもたぶん最も堅実な人生を送ることになる。19世紀末の典型的な女性かもしれない。

画像: エマのコメント

エマのコメント

この物語の結末はとても美しいの。観客も本作のテンポの良さにビックリするんじゃないかしら。とてもイキイキとしているから展開が遅いなんて感じないし、時代劇な感じもしないのよ。全体を通じて私の演じたメグはジョーの物語の引き立て役なの。

ジョーは自立したい女性でメグはロマンチックな女性。本物の恋を夢見ているし、結婚願望もあるし、子供も欲しい、家庭も持ちたいと思っているわ。それが彼女の選択なの。いろんな人生の歩み方を見ることができるし、様々な選択やそうした生き方の素晴らしさを感じることができるはずよ。

クリエイティビティーにあふれた行動派:次女 ジョー(シアーシャ・ローナン)

物語を想像することが得意で、文章を書いて身を立てたいという夢を持つマーチ家の次女。活発で行動的だが、あとさきを深く考えずに動いてしまったり、思い通りにならないことに癇癪を起したり、素直でない自分の性分にはかなり手を焼いている。隣家の幼馴染みローリーとは、言いたいことを言いあえる親友ともいえる仲となる。

画像: シアーシャのコメント

シアーシャのコメント

この物語は、いつの時代よりもまさに今に適切よ。なぜなら、若い女性が自分の道を進むための自信を見つけるストーリーだから。人生のどんなタイミングに立っているかによって、物語の見方も変わってくるわ。数年間エイミーになっていたら、今度は突然ジョーになって、次はメグで、マーミーになって、もしかしたらベスに戻るかも。どのキャラクターにも自分を見出せるわ。

私にとってジョーは、現代の同い年の女の子と同じような感じ。ジョーのすべての愛情の中で、姉妹と母親に対するものが最高のラブストーリーだと思う。若い女性たちが世界の中で自分の道を見つけるために関わり合いを持つということが、この物語の核で原動力だと思うわ。

穏やかな情熱を秘めた音楽家:三女 ベス(エリザ・スカンレン)

画像: 穏やかな情熱を秘めた音楽家:三女 ベス(エリザ・スカンレン)

ひっこみ思案で心優しい三女。家族で援助していた貧しい親子のもとに、ひとり通い続ける芯の強さもある。ジョーの作る物語が大好きで、姉妹のなかでもジョーと一番気が合う。ほとんど外出もしない人見知りだが、ローリーの祖父からピアノを弾きに訪ねてくるよう提案されたときには快諾して周りを驚かせたほどの音楽愛好家。

画像: エリザのコメント

エリザのコメント

ベスはとっても複雑なキャラクター。姉妹たちと比べると彼女はシャイだけど、静かなエネルギーとパワーを持っているの。私はこの映画によって、みんなが内向的な人たちにもっと感謝できるようになったらいいと思うの。静けさや親切さの中に強さを見出して欲しい。物思いに更けることはとてもワクワクすることよ。成長にはある種の悲しさはつきもので、マーチ姉妹がそれぞれの道へ進んで行くのを見るのは辛かったわ。でも、また姉妹が一つに戻るのはとても美しいこと。私には双子の姉妹がいるの。彼女への愛は無限だし、マーチ姉妹にも同じ気持ちよ。

激しさと繊細さが同居する芸術家肌:四女 エイミー(フローレンス・ピュー)

画像: 激しさと繊細さが同居する芸術家肌:四女 エイミー(フローレンス・ピュー)

感情の起伏が激しく、また感受性も豊かな末っ子。そのため、特にジョーとは感情的にぶつかることも多い。わがままなように見えて現実的で順応性もあるので、マーチ伯母に気に入られ、ジョーが行くはずだったヨーロッパ旅行にも同行することに。パリで絵の勉強をするなど、ほかの姉妹にくらべ、より広い世界を知ることになる。

画像: フローレンスのコメント

フローレンスのコメント

『若草物語』は祖母が読み聞かせてくれたのを覚えているわ。祖母も子供の頃に読んで感銘を受けて、母にも読み聞かせたの。あらゆる女性が読むべき重要な本よ。小説に描かれている女性の生きづらさは、現代の私たちもまだ直面している問題だわ。エイミーはいたずらっ子で恋愛やお金持ちを夢見る、甘やかされた子として知られているけれど、私が興味を持ったエイミーはいつも最高の自分でいるために情熱を燃やしている。

グレタの脚本に私がすぐに恋に落ちたのは、エイミーの自分の輝きのための探求や、失敗した時の彼女の人間らしさが描かれていたから。観客みんながジョーに憧れるのではなく、エイミーにも親近感をもてるの。

姉妹に自由と冒険を与えた懐深き母:マーチ夫人(ローラ・ダーン)

画像: 姉妹に自由と冒険を与えた懐深き母:マーチ夫人(ローラ・ダーン)

牧師として南北戦争・北軍に従軍する夫の留守を4人の娘たちと守っている。それぞれに個性的な4人姉妹の成長を温かく見守り、凛として社会貢献にも労を惜しまない、娘たちにとっては人生の手本のような母親。

画像: ローラのコメント

ローラのコメント

本を読んだのは確か13歳の時。マーミーがジョーに、自分の怒りを誇りに思うようにアドバイスしていたのをはっきり覚えているの。きれいじゃないものは排除するという物語はたくさん読んだけれど、オルコットは人生の苦い部分も愛情を持って抱きしめることを書いた。彼女は革命的な発想を持った母親役を作り上げたの。1980年代の私にとってもそれは革命的だったわ。だから『若草物語』はすべての世代の人たちが聞くべき大事なことが書いてあるの。

孤高のリアリスト:マーチ大伯母(メリル・ストリープ)

画像: 孤高のリアリスト:マーチ大伯母(メリル・ストリープ)

マーチ家の母娘を気にかけながら、あまり人好きではない性格が災い、姉妹には“頑固な伯母さん”と思われている。ひとりで生きる女性の誇りと苦悩を知っているからこその苦い忠告を娘たちに与える重要な存在。

画像: メリルのコメント

メリルのコメント

本作が今の時代に受け入れられたのはグレタ監督の手腕ね。彼女ならではの素晴らしい脚色よ。本作は彼女のユニークな視点を形にした世界への贈り物ね。キャストも若き才能にあふれている。とくにティモシーの才能は素晴らしいわ。彼の創造力には限界がない。次々とアイディアや感情が噴き出してくるの。シアーシャとの演技は最高よ。クリス・クーパーにボブ・オデンカークといった年配の役者も負けていないけどね。

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