LA在住の映画ジャーナリストとして活躍中の筆者が、“SCREEN”のインタビューなどで毎月たくさんのスターに会っている時に、彼らの思わぬ素顔を垣間見ることがあります。誰もが知りたい人気者たちの意外な面を毎月一人ずつお教えする興味シンシンのコーナーです。今回は、プライベートの恋愛模様でも注目を浴びているベン・アフレック。現在Netflixにて配信中の「トリプル・フロンティア」「マクマホン・ファイル」について自身の過去を振り返りながら話を伺った。

成田陽子
ロサンジェルス在住。ハリウッドのスターたちをインタビューし続けて38年。これまで数知れないセレブと直に会ってきたベテラン映画ジャーナリスト。本誌特別通信員としてハリウッド外国人映画記者協会に在籍。

現在の恋人アナ・デ・アルマスとはロックダウンでも散歩デートを楽しむ毎日

1997年の「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」で初めて会ってからもう23年!親友のマット・デイモンと共に出世街道まっしぐら(これがマットだけ全く売れない俳優だったりしたらという架空の状況さえほとんど考えられない程に二人の成功はいとも自然に安定して進行してきたという事実も凄い!)

初期の頃のマットは色々とロマンスに花咲くニュースが出ていたが現在はハリウッドの健康優良カップルとなり、ベンがスキャンダル部門を全て担いでいる様子。現在もコロナ・ロックダウンだと言うのに毎日のように恋人にして、人気女優のアナ・デ・アルマスと散歩に出かけてはパパラッチに撮影されて、懲りないと言うより追っかけられる日々に存在意識を確認しているフシも伺える。

今年に入ってすぐニューヨークで新作「ザウェイ・バック」という主演作のインタビューがあったのだがコロナ危機ですぐに公開中断となったために、昨年のベンの作品、「トリプル・フロンティア」と「マクマホン・ファイル」についてのコメントを紹介しよう。

金に目が眩み、ドラッグカルテルの隠れ家に忍び込む5人組を描いた「トリプル・フロンティア」については、こんな話をしてくれた。

『貧乏な時を思い出すよ。長いこと健康保険に入る金もなくビクビクしながら暮らしていたものだった。俳優兼ウェイター、俳優兼皿洗い、俳優兼バーテンダーという日々を送っている時、ただ「俳優!」として一人前に生活できる日をどんなに願ったことか!金さえあればと無限の可能性を想像してはため息をついていた。

次に金に付き物の誘惑が出てくるだろう。若い頃は誰だって誘惑に弱い。トリッキーなトラブルもぞろぞろと湧いてくる。子供を持ってやっと僕は自分の欲望がほとんど失せてしまったのに気がついた。以前欲しかった車やらモノに全然興味がなくなり、子供の健康、幸福、安全が全てを優先する生活になって、物質欲はまずゼロになってしまったね』

欲望というのは僕にとってサバイバルの本能と思えるので健康な証拠なのでは?

『男性5人が集まってアドレナリンが活性化したのは事実。山でのアクション場面など、僕が一番年上なのでみんながからかうから、俺は27歳だぞ!なんて強がっていたんだ。

兄貴、ついてこれるか?助っ人が必要なんじゃないか?なんてけしかけてくるから、僕はいつもより張り切ってがんがん走ったりするともう息が切れてぜいぜいしてしまったり。チャーリー(ハナム)もペドロ(パスカル)もギャレット(ヘドランド)もスタミナ満々でよくふざけたものだった。特にオスカー(アイザック)とは非常に仲良くなってね、食事をしたりしては将来の企画について談義したり。全員正直で素直で仲間意識が強くて最高のチームだった。

人間なら誰しも欲望がある。2600年前にブッダが、欲を捨てよと説いていたがね。僕にとっては、欲望はサバイバルの本能でもあると思う。ある意味では健康な証拠だよね。誰も彼もブッダや仙人みたいになれないもの』

「マクマホン・ファイル」については、

画像: 「マクマホン・ファイル」(Netflixにて配信中)

「マクマホン・ファイル」(Netflixにて配信中)

『去年の夏(2018年)にプエルトリコでロケしてね。監督のディー・リースも共演のアン・ハサウェイも才能と温かい人間味にあふれていて素晴らしかった。僕は1980年代の政府の役人、と言うか、南アメリカで働く外交官を演じるのだけれど色々と画策して複雑な政治の網の中に踏み込んで行くというスリラー。僕の好きなジャンルだからヒットして欲しいと願っている』

そして現在の恋人のアナ・デ・アルマスと共演のパトリシア・ハイスミス原作のスリラー「ディープ・ウオーター」が公開待ち。期待しましょう。

Photo by GettyImages

前回の連載はこちら!

This article is a sponsored article by
''.