いよいよ公開となった「キングスマン」シリーズ待望の最新作「キングスマン:ファースト・エージェント」。今回、新たなる英国紳士コンビとして活躍する主演のレイフ・ファインズとハリス・ディキンソンへ作品についてお話を伺いました。

役柄に必要なエネルギーは演技そのものの中にある

名優レイフ・ファインズと新鋭ハリス・ディキンソンは、この共演を通して、2人が演じた父オックスフォード公と息子コンラッドのように、そして前2作のハリーとエグジーのように、互いの違いを認め合い、互いに学び合ったのに違いない。2人の語る言葉からそれが伝わってくる。

画像: 役柄に必要なエネルギーは演技そのものの中にある

レーフ・ファインズ
Profile
現代の英国を代表する演技派俳優。「シンドラーのリスト」(1993)など二度のオスカー候補に。「ハリー・ポッター」シリーズのヴォルデモート役で有名。1962年12月22日生まれの57歳。

レイフ・ファインズ(以下、レイフ
「この映画に出演したのは、父と息子の間の感情面のとても複雑な緊迫感に惹かれたからだ。この物語のカギとなるのは、僕自身とハリス・ディキンソンが演じる父と息子との関係だよ。息子は、自分が勇敢な若者だということを戦場で証明したがっているけど、父親は息子が戦争に行くのを絶対に見たくない。それが、ストーリーの大きな要素になっている」

ハリス・ディキンソン(以下、ハリス
「でも2人は対立するだけじゃないんだ。2人はとても親しいんだよ、一緒に困難なことを経験したから。それに、父親は息子に敬意を持って向き合う。息子のことを一人の人間として見ているんだ。大人同士として話し合うし、決して彼のことを上から目線で見たりしない。ただ、彼が戦争に行くということに関してだけ、完全に反対なんだよ」ハリスが語る、オックスフォード公の息子への態度は、レーフのハリス自身への態度と重なって聞こえてくる。そんな2人だから、演技については具体的な話し合いは不要だったという。

レイフ
「ハリス、君がどう思っていたかも話してほしいけど、僕は、2人の関係はリハーサルや演技を通して築いていけばいいと感じていた。もちろん、顔を見れば『やあ、元気かい?』といった会話はするけど、演技について話し合う必要はないと思った。俳優はみな、役柄に必要なエネルギーは演技そのものの中にある、と心得ているものだから」

ハリス
「僕もそう感じていたと思う。レーフが言うように、2人の関係は、最終的には現場で一緒に演じている瞬間に表現されるものだと思う。僕たちには一緒にシーンを追求する時間があったし、かなり自由に演じられたから、何かを理解するために話し合う必要なんて、まったく感じなかったよ。2人の信頼関係は、現場で相手の言うことに耳を傾けているだけで、自然に生まれたんだと思う」

レイフ
「共演していて、楽しかったのは確かだよ。私が思い出すのは、ハリスと毎朝会うのがとても嬉しかったことだ。彼が不機嫌だったことは一度もなかった。常に思慮深くて、思いやりがあって、親切で。ハリスこそ生まれつきの紳士だよ。僕らは仕事に集中して疲れていて、夜の8時か9時頃に撮影が終了しても翌朝は4時に起床だから、一緒に飲みに行くなんてこともできない。だから撮影中の喜びといえば、ただ、一緒にシーンを演じる相手がちゃんとそこにいてくれることだった。ハリスはいつも全力で応えてくれていると感じたよ」

ハリス
「僕も楽しかった。一緒に踊りに行く時間はなかったけど(笑)。レーフはいつもとことん集中しているのに、急にみんなをリラックスさせることもできるんだ。現場では大勢の人達が相当なプレッシャーの中で仕事をしているのに、彼が一言声をかけただけでクルー全員が和んだという瞬間を見たよ。レーフ、どうやったらあんなふうにできるのか、僕には分からないよ」

ただ1つのシーンのために何ヶ月もトレーニングしたんだ

2人は、このシリーズならではの激しいアクションを、できるだけ自分で演じたがるところも同じ。

ハリス・ディキンソン

「マレフィセント2」(2019)の王子役などで知られる、英国新世代俳優の代表格。グザヴィエ・ドランと組んだ「マティアス&マキシム」が2020年9月25日に日本公開。1996年6月24日生まれの24歳。

レイフ
「僕はどんなスタントも自分でやりたいんだ。彼らがスタントダブルを連れてくると、僕はいつも少しむっつりする(笑)。でも、時々彼らはそうせざるを得ないんだ。僕が部屋の端から端まで吹き飛ばされたりするシーンもあるからね」

ハリス
「文字通り、1つのシーンのために何ヶ月もトレーニングしたよ。一番タフだったのは、撮影の最後の方で、ある人を背中に背負って走ったシーンだな。大男でさ。しかも何度も撮影したんだ。思わず『もっと小柄な俳優を配役出来なかったの?』って言ったよ(笑)」そして2人は、この共演を通してお互いの俳優としての魅力を発見した。

レイフ
「ハリスは、ハンサムなルックスに恵まれている。でも、髪の毛が多すぎる(笑)。いや、冗談だ、彼は素晴らしいよ。コンラッドは、基本的にあの時代の古典的なタイプのヒーローだ。国のために戦う兵士として、自分の勇気を戦場で証明するんだと固く決意している善良な若者なんだ。ハリスのスピリットやルックス、振る舞いには、そういうキャラクターをリアルに体現するのにぴったりな、素晴らしい善良さがある。彼には汚れのない勇気ある若者の資質があると思う」

ハリス
「僕はレーフをすごく尊敬している。彼の仕事の大ファンなんだ。誰もがそう言うだろうけど、僕は本当に彼の素晴らしい演技をたくさん見てきて、彼の熱烈なファンなんだ。レーフと共演できるなんて本当に素晴らしい贈り物だし、これからもこの体験をずっと大切にしていくと思う。レーフの最も素晴らしいことは、彼の集中力だと思う。映画のセットで集中するのは難しいんだ。150人もの人々が走り回ってて、クレーンがあるし、ピーって音が鳴っているし、すごくたくさんのことが起きているから。でもそんな中で出番がやってくる。その瞬間、自分自身を違う世界に移動させなくちゃいけない。ある役者たちはそれが出来る。レーフがそうだ。僕は出来るように努力しているところ。でも、うまく出来るようになるには、もっと訓練と経験が必要だな」

Special Shoot by Lorenzo Agius

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