マッツが主演する最新作『Another Round』(デンマーク題名:Druk)を、トロント国際映画祭でいち早く観ることができた映画ライターのよしひろまさみちさんが完全レポート! 気になるその内容をどこよりも早くお届けしちゃいます。(文・よしひろまさみち/デジタル編集・スクリーン編集部)

呑兵衛ムービー!? だけど、面白いだけじゃない!

みんな大好きマッツんこと、マッツ・ミケルセンが飲む、飲む、飲む! という、呑兵衛ムービー『Another Round』(デンマーク題名:Druk)が、9月に行われたトロント国際映画祭(tiff)でお披露目に。

今年のtiffは、トロントでのフィジカルな開催に加えて、世界中のプレスや業界関係者に向けてオンラインでの開催も同時に行うハイブリッドタイプだったので、幸運にも飲むこと……じゃなかった、観ることができました! ラッキー! 例年のtiffでは、中盤の週末にオスカー狙いの主要作がドドッとプレミアされ、後半の日程には珍作や映画賞のダークホース的な作品が並ぶもの。

『Another Round』は、最後の最後でプレス向けの試写サイトでお披露目になりました(現地でのプレミアは、全日程のど真ん中、9月12日)。ええ、珍作です。でもね、マッツん、すごいの。

監督はデンマークの俊英、ラース・フォン・トリアーとドグマ95を立ち上げたことでも知られるトマス・ヴィンターベア。マッツんの主演作で、第86回アカデミー賞外国語映画賞候補になった『偽りなき者』も彼の作品ね。呑兵衛ムービーらしく、中年の危機を描くコメディ……なんだけど、お笑いだけに終わらないのが、この監督らしさってかんじかしら。

プロモーションでヨーロッパ各地の映画祭に登場!

変わり様にズキュン…マッツの変貌に注目

画像: 変わり様にズキュン…マッツの変貌に注目

マッツんが演じたのは、めちゃくちゃ地味な毎日を送る高校の歴史の先生マーティン。妻は夜勤メインの仕事で、10代の息子が二人。学校の仕事を終えて、帰宅しても妻とはすれ違い、息子たちとも微妙にかみあわない、という昭和のサラリーマンパパのような退屈な日々を過ごしています。

ある日、マーティンと彼の同僚の先生たちの話題になったのは、ノルウェーの心理学者のある論文。「人類の血中アルコール濃度は、シラフの状態では不足している。常に0.5%はないとあかん」というトンデモ論文なんだけど、これをちょっと試してみようではないか!とマーティンは思いついてしまった。

で、翌日彼は飲酒のうえ、検知器で呼気のアルコール濃度を測りつつ、学校の授業をこなしてみるのよ。すると、アラ不思議。ほろ酔い気分だと、普段の彼よりもずっと生徒のウケもいいし、授業もなんだかとってもうまくいっちゃう。そんな彼に気付いた同僚教師たちは、彼の実験に「俺も、俺も!」と参加。体育の先生、音楽の先生、それに心理学の先生もみな、こっそり酒を忍ばせて出勤し、マーティンと同じように自分の自信を取り戻していっちゃう。

すると……どうなるか分かるわよね。ほろ酔いで終わるわけがない! ドンドン飲む、飲む、飲む!!……調子に乗ってたっぷり解説してしまったけど、ご安心。これでも物語の5分の1くらいのさわり程度ですので。

この物語でなにがいいかって、中年男性の危機を描いていることね。つい日常のルーチンにどっぷりで、新しく挑戦をしようという気がなくなるのが中年男性の常。そうすると、新しい情報のインプットはなくなるわ、魅力はなくなるわ、ただ鬱陶しいオッサンになってしまいますわよ、というテーマね。

それを打破するのは百薬の長・酒!ってのはぶっ飛びすぎなんだけど、女性の自分探し映画は数あれど、男性主人公の、しかもミドルエイジとなると、そうそう出てこない。ニッチを狙ったいい作品です。

しかも、マッツん。地味でイケてない教師から、何をしゃべってもおもしろくて楽しい先生に早変わりするところなんて、胸ズキュン。そりゃ生徒も喜ぶわ、って。

そして、マッツんをはじめとする酔いどれ教師たちが、「ホントに飲んでるんじゃないの?」っていうくらいの酔っぱらい演技には大爆笑必至。デロデロの酔っぱらい状態になるシーンなんざ、『ハングオーバー!』よりも強烈よ。日本でお披露目される日を、酒浸りで(?)お待ち下さい。

「Another Round」(原題)

監督:トマス・ヴィンターベア
出演:マッツ・ミケルセン、トマス・ボー・ラーセン、マグナス・ミラン

とある理論に基づき、仲間とともに勤務中にも酒を飲むことにした中年の高校教師マーティン(マッツ・ミケルセン)。酒のおかげか仕事も家庭も、全てがスムーズに。マーティンらは酒量をさらに増やしていくが……。

\ 楽しみ続々!/
これからのマッツは?

マッツんの公開待機作は、この『AnotherRound』と、デンマークの監督アナス・トーマス・イェンセンの『Riders of Justice(原題)』。いずれも主演。前者はデンマークでは公開済み、後者はデンマークで11月公開予定。そして、2021年の待機作はダグ・リーマン監督&チャーリー・カウフマン脚本、トム・ホランド主演の『Chaos Walking』! パトリック・ネスの『心のナイフ』が原作の近未来SFでーす。

Photos by Getty Images

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