今度のアカデミー賞は2021年4月に開催予定。コロナ禍で劇場公開作品が少ない異例の年でもあり、前回以上にNetflix作品が一大旋風を巻き起こしそうです。現在もっともオスカー像に近いのはどの作品、どの俳優か、最速予想!

コレがアカデミー賞本命の9本!

※日本公開済・日本公開or配信決定済みの作品

オスカー前哨戦を制覇「ノマドランド」

2021年1月公開

画像: オスカー前哨戦を制覇「ノマドランド」

アメリカ西部の“路上”に暮らす、現代の“ノマド(遊牧民)”たる車上生活者の生き様を描くロードムービー。

監督:クロエ・ジャオ
出演:フランシス・マクドーマンド、デヴィッド・ストラザーン
©2020 20th Century Studios. All rights reserved.

「市民ケーン」誕生秘話「Mank /マンク」

2020年12月4日(金)よりNetflixにて独占配信

画像: 「市民ケーン」誕生秘話「Mank /マンク」

映画史に輝く名作映画『市民ケーン』の生まれるまでの壮絶な舞台裏を脚本家“マンク”の視点から描く。

監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ゲイリー・オールドマン、アマンダ・サイフリッド
Netflix映画『Mank/マンク』2020年12月4日(金)より独占配信開始

チャドウィック・ボーズマンの遺作「マ・レイニーのブラックボトム」

2020年12月18日(金)よりNetflixにて独占配信

画像: チャドウィック・ボーズマンの遺作「マ・レイニーのブラックボトム」

1920年代シカゴで“ブルースの母”といわれた伝説的歌手マ・レイニーの物語。チャドウィック・ボーズマンの遺作に。

監督:ジョージ・C・ウルフ
出演:ヴィオラ・デイヴィス、チャドウィック・ボーズマン
Netflix映画『マ・レイニーのブラックボトム』2020年12月18日(金)より独占配信開始

助演男優賞有力候補がズラリ「シカゴ7裁判」

Netflixにて独占配信中

画像: 助演男優賞有力候補がズラリ「シカゴ7裁判」

ベトナム反戦のために⽴ち上がった7⼈の男たち“シカゴ・セブン”の衝撃の裁判を描く実話に基づく物語。

監督:アーロン・ソーキン
出演:サシャ・バロン・コーエン、エディ・レッドメイン
Netflix映画『シカゴ7裁判』独占配信中

無冠女優の初受賞なるか「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」

2020年11月24日(火)よりNetflixにて独占配信

画像: 無冠女優の初受賞なるか「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」

ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー回顧録を基に、3世代にわたる家族の愛と再生を描くヒューマンドラマ。

監督:ロン・ハワード
出演:エイミー・アダムス、グレン・クロース
Netflix映画『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』2020年11月24日(火)より独占配信開始

常連大女優共演のミュージカル「ザ・プロム」

2020年12月11日(金)よりNetflixにて独占配信

画像: 常連大女優共演のミュージカル「ザ・プロム」

「glee /グリー」の監督が贈る感動ミュージカル。起死回生を図る舞台俳優と若き女性カップルの愛と勇気を描く。

監督:ライアン・マーフィー
出演:メリル・ストリープ、ニコール・キッドマン
Netflix映画『ザ・プロム』2020年12月11日(金)より独占配信開始

主演男優賞ノミネート濃厚「ザ・ファイブ・ブラッズ」

Netflixにて独占配信中

画像: 主演男優賞ノミネート濃厚「ザ・ファイブ・ブラッズ」

ベトナム戦争からほぼ半世紀。4人の黒人退役軍人が隊長の亡骸と埋められた金塊を探し出すために戦場へと舞い戻る。

監督:スパイク・リー
出演:デルロイ・リンド、ジョナサン・メジャーズ
Netflix映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』独占配信中

クルーニーが監督・主演「ミッドナイト・スカイ」

2020年12月23日(水)よりNetflixにて独占配信

画像: クルーニーが監督・主演「ミッドナイト・スカイ」

人類滅亡の危機に瀕している地球と、宇宙探査ミッションを経て地球に帰還しようとする宇宙船を舞台に描くSF大作。

監督:ジョージ・クルーニー
出演:ジョージ・クルーニー、フェリシティ・ジョーンズ
Netflix映画『ミッドナイト・スカイ』2020年12月23日(水)より独占配信開始

技術部門で大量候補か「TENET/テネット」

公開中

画像: 技術部門で大量候補か「TENET/テネット」

“名もなき男”とその相棒が時間を逆行し、第三次世界大戦を阻止する任務に挑むタイムサスペンス大作。

監督:クリストファー・ノーラン
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン
© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

コロナ禍で選考基準が例年より大幅に緩和

2021年のアカデミー賞が例年と違って、2か月ほど遅れ、2021年4月25日に開催されることはコアな映画ファンならもうご存じのはず。コロナ禍によって上映された作品も圧倒的に少なく、いつもならロサンジェルス郡の劇場で7日以上公開された作品が対象という基準も大幅に緩和?

ネット配信作品でも、ロサンジェルス以外の大都市(七か所)のいずれか、またドライブインシアターで七日連続上映されていればOKということだ。そんな異例の状態で行なわれるアカデミー賞だが、劇場公開作が激減する中、配信のNetflix作品が大健闘を見せるのが今回の特徴になりそう。11月初旬時点で噂されているものを挙げてみた。

現在の大本命作品は『ノマドランド』

先日開催されたベネチア国際映画祭で金獅子賞、トロント国際映画祭で観客賞を受賞し、最もオスカーに近いと噂されているのがクロエ・ジャオ監督の『ノマドランド』。クロエ監督はインディペンデント映画『ザ・ライダー』で注目された中国出身の女性。ネバダ州の砂漠に車で暮らしている、リーマンショックですべてを失った中年女性(フランシス・マクドーマンドが三度目の主演女優賞を狙う)を主人公にした物語。ノマドとは遊牧民のこと。

これを追うのがNetflix作品集団。対抗作品はデヴィッド・フィンチャー監督の「M a nk /マンク」。映画史に残るオーソン・ウェルズ監督の名作「市民ケーン」誕生裏話といえる本作で、ゲイリー・オールドマン扮する脚本家ハーマン・マンキーウィッツが奔走する。

オールドマンは再度オスカー主演賞候補になる可能性が高いと言われ、他にも新聞王ハーストを演じるチャールズ・ダンスや往年の女優マリオン・デーヴィスを演じるアマンダ・サイフリッドのノミネートの可能性も。

さらにNetflix作品では実話を基にしたアーロン・ソーキン監督の「シカゴ7裁判」も有力。ベトナム戦争の反戦運動家たちを一網打尽にしようとする司法長官の仕掛けた罠にはまった男たちが、裁判で無実を証明しようと闘うが……

オールスター・キャストの本作では作品、監督賞の他、助演男優賞候補がいっぱいで、マーク・ライランス、サシャ・バロン・コーエン、ヤーヤ・アブドゥル・マティーン二世、エディ・レッドメインらがひしめき合っている。

Netflixは他にも1920年代の女性シンガーの実話を描く『マ・レイニーのブラックボトム』で、ヴィオラ・デーヴィスが主演女優賞を、チャドウィック・ボーズマン(これが遺作)が主演男優賞を狙い、スパイク・リー監督の『ザ・ファイブ・ブラッズ』でデルロイ・リンドが初の主演男優賞ノミネート確実と言われている。

さらにロン・ハワード監督がベストセラー小説を映画化する「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」では、主人公の薬物依存症の母を演じるエイミー・アダムス、快活な祖母を演じるグレン・クロースの2大無冠女優がついにオスカー像をつかむか?ともっぱらの話題。

さらにNetflixにはジョージ・クルーニー監督・主演の「ミッドナイト・スカイ」や、メリル・ストリープ、ニコール・キッドマンらが出演するミュージカル「ザ・プロム」など有望な作品が目白押し状態だ。

同じ配信系のアマゾン作品ではオスカー女優レジーナ・キングが初監督に挑んだ『ワン・ナイト・イン・マイアミ』が評判が高い。モハメド・アリ、マルコムXら実在の人物がマイアミに集う架空の物語を描く戯曲の映画化で、歌手のサム・クックを演じたレスリー・オドム・ジュニアの演技が特に注目され、助演男優賞最有力という噂も。

「TENET/テネット」は視覚効果賞などで大量候補なるか

配信系以外の作品ではポール・グリーングラス監督の新作で19世紀、人々にニュースを語って聞かせながら、ある少女を救う男をトム・ハンクスが演じる『ニュース・オブ・ザ・ワールド』が監督賞、主演男優賞を狙い、認知症の兆候が見えだした80歳の父とその娘の葛藤を描くドラマ『ザ・ファーザー』では親子を演じるアンソニー・ホプキンズとオリヴィア・コールマンがオスカー再受賞の呼び声も高い。

他にベネチア国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した『ピーシズ・オブ・ウーマン』のヴァネッサ・カービー、古生物学者と裕福な女性の秘かな恋を描く『アンモナイト』で共演するケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンらが主演・助演女優賞に名を連ねそうだ。

このようにして見ると、今回は監督賞候補も女性(中国系のクロエ・ジャオと有色人種のレジーナ・キング)が有力で、演技賞部門にも有色人俳優が多数ノミネートされそうな気配。一つ気になるのはクリストファー・ノーラン監督の超大作「TENET/テネット」。

こちらは視覚効果など技術部門での大量候補が噂されている。作品賞や監督賞、演技部門での巻き返しを期待。また昨年の覇者「パラサイト 半地下の家族」に続く外国映画の勢力は? アメリカ映画なのだが韓国出身のリー・アイザック・チョン監督によるインディーズ系作品『ミナリ』がサンダンス映画祭ほかで注目されており、スティーヴン・ユアン、ユン・ヨジョンらが演技部門で名乗りを上げるかも?

ともかくまだ賞レースは序盤戦。例年と全く違う動きを見せるかもしれない第93回アカデミー賞はこれからの動向が見逃せない。

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