この季節に見ておきたい！とっておきのクリスマス映画の名作たち

今年ももうすぐクリスマス。この一年は、『ホーム・アローン』のケビンのように、家にいて、家を守ろう、そんな気持ちになった人も多かったかも。せめて明るい新年を願って、おうちでクリスマス映画を楽しもう！

楽しいけれど問題もありで笑ってしまうコメディー編

クリスマスシーズンに家族が集まれば、楽しいのと同時にひと悶着起こるのは世界のどこでもお約束。心あたりもある家族同士のトラブル、それがスクリーンの中の他人ゴトなら、くすくす笑って見ていられる……!?

『クーパー家の晩餐会』の舞台となるのは、子どもに内緒で離婚を決めた夫婦の“最後のクリスマス”ディナー。息子も娘も孫たちも、身内はみなそれぞれに悩みを抱えて集まってくる。「あれ、これってうちと同じ……？」と思えるエピソードが積み重なって、波乱ぶくみのクーパー家の夜は更けていく。

『ブラザーサンタ』（2007）で問題になるのは比較される兄弟の確執、こんな悲劇もとかくありがち。クロース家の問題はフレッド（ヴィンス・ヴォーン）の弟がニコラス＝サンタクロース（ポール・ジアマティー）だったこと。

聖人を弟にもったフレッドは、人の善意を信じない、クリスマス大嫌いの、ちょっと厄介な大人になってしまった。笑いながらぽろぽろ泣けるクロース兄弟のクリスマス、豪華なキャスティングも見どころのひとつ。

サンタクロースの赤い服は、米国のある飲料会社の広告から始まったんだとか。フランス映画『クリスマス・カンパニー』（2017）のサンタ（アラン・シャバ）のコスチュームは美しい緑色の民族衣装ふう。

プレゼントのおもちゃを作るエルフたちが病に倒れ、薬を探しにやってきた先のパリでサンタクロースが起こす騒動は、赤服のサンタが登場するアメリカ映画とはまたひと味違う面白さ。

家族で楽しめるファミリー・タイプは

『風が吹くとき』（1986）で日本でも有名な絵本作家レイモンド・ブリッグズの、淡い色調の美しいアニメーション映画『スノーマン』（1982）。空を飛び、サンタクロースに出会い、少年とスノーマンの夢のような冒険に心が躍る。

クリスマス映画のパターンのひとつが、クリスマスを心待ちにする人々と、そのクリスマスをめちゃくちゃにしようという企みの攻防だ。どの映画も最後には信じる心が勝利するのだけれど、クリスマスを面白く思わない側の思いもわからなくはない。

『グリンチ』（2000）の主人公グリンチもそのひとり。クリスマスのなにが楽しいと愚痴り、クリスマスをなかったことにしようとする、その方法が途方もなくて楽しい。これもクリスマスがテーマの有名な児童文学の映画化で、ジム・キャリーの実写版と、ベネディクト・カンバーバッチがグリンチ（声）を演じたものがある。

『遊星からの物体X』（1982）や『エスケープ・フロム・L.A.』（1996）でばりばり硬派のイメージが強いカート・ラッセルがサンタクロースに！　『クリスマス・クロニクル』（2018）では、これまでにちょっといないタフなサンタが、崩壊しそうな家族とクリスマスを救う。父親を亡くした兄妹とサンタクロースの一夜の大冒険、カート・ラッセルの見せ場もいろいろあって、映画ファンには思いがけないサプライズもちりばめられた、家族で楽しめるクリスマス映画になっている。