東京・京橋の国立映画アーカイブでは、中国映画の特集「中国映画の展開――サイレント期から第五世代まで」を2021年1月5日(火)より約1か月にわたって開催する。

中国映画史を代表する古典的名作を厳選して上映

本企画は、中国電影資料館との共同により、サイレント期から「第五世代」までの代表作で中国映画の歴史を辿る。現存最古の『八百屋の恋』(1922)から、1930年代上海の名作群、新中国への希望を描いた1940年代後半~50年代、産業発展期の1950年代後半~1960年代前半、そして1980年代に登場し中国映画の国際的な評価を高めた第五世代の作品まで、上海アニメーションや舞台劇映画といった独特のジャンルも交えて、多彩な全29作品(24プログラム)を上映。また、サイレント映画のピアノ伴奏付き上映も行う。

本企画の見どころ

上海を中心に先進的な映画文化が花開いた1930年代の名作『女神』『大いなる路』『十字路』『深夜の歌声』、そして世界映画史上における傑作として名高い『田舎町の春』などを上映。
清朝末期から共産党政権樹立までを市井の人物を主人公に描いた『私の一生』、実話をもとに革命への戦いを描いた『上饒シャンラオ収容所』や『紅色娘子軍(こうしょくじょうしぐん)』、文革期の傷跡を描いた『標識のない河の流れ』『青春祭』では、社会的大変動を背景として人々のドラマが描かれる。

1930年代の伝説的スター阮玲玉ロアン・リンユイ『女神』、年齢に応じて様々な役柄を演じた白楊パイ・ヤン(『十字路』、『八千里の雲と月』、『祝福』)、鞏俐コン・リーが農民の妻を演じた『秋菊の物語』など、さまざまなヒロイン像で輝く女優たちにも注目。

喜劇やアクション、ホラーに見る中国映画の多彩な面白さ、香港でリメイクも

コメディ『三毛(サンマオ)の放浪記』『未完成喜劇』『雑居アパート大騒動』では、社会的矛盾がユーモラスに描かれ、中国映画のバイタリティを感じることができる。アクション映画『双旗鎮刀客』は痛快な中国製西部劇。ゴシックホラー作品『深夜の歌声』はアメリカ映画『オペラの怪人』(1925)を下敷きとして、独自の表現を展開しています。なお、『雑居アパート大騒動』や『深夜の歌声』は後に香港でリメイクされた。そして、武俠映画『木蘭従軍』は、ディズニーが製作した『ムーラン』(2020)と同じ唐代の伝説を描いている。
京劇と並ぶ中国二大演劇である越劇の映画版『追魚』では、越劇の有名女優らが出演し、舞台のケレン味を活かしたスペクタクルが楽しめる。また、上海アニメーション作品は伝統的な水墨画を採り入れるなど中国文化のエッセンスが活かされている。

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