年が明けると気になるのが賞レースの行方。例年2月に開催されていたアカデミー賞はコロナ禍によって2021年4月25日(現地時間)開催予定です。配信作品の多数ノミネートが予想されていますが、ここでは劇場公開作品の中から有力候補に挙げられている4本を紹介。アカデミー賞の開催時期にあわせて日本でも一気に公開されそうです。

ノマドランド 2021年3月26日(金)

現代の”遊牧民”を描く感動ロードムービー

ノミネート有力部門

作品賞、監督賞、主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)、助演男優賞(デーヴィッド・ストラザーン)、脚色賞

画像: 現代の”遊牧民”を描く感動ロードムービー

監督:クロエ・ジャオ
出演:フランシス・マクドーマンド、デヴィッド・ストラザーン
ウォルト・ディズニー・ジャパン配給
© 2020 20th Century Studios. All rights reserved.

全米で大きな反響を生んだノンフィクション『ノマド:漂流する高齢労働者たち』をもとに、“現代のノマド(遊牧民)”たる車上生活者として、過酷な季節労働の現場を渡り歩く60代女性の誇り高き旅を映し出す感動のロードムービー。ベネチア国際映画祭の金獅子賞とトロント国際映画祭観客賞のW受賞を果たし、今もっともアカデミー賞に近いとされる一本だ。

リーマンショック後、企業の倒産とともに住処を失った60代女性ファーン。彼女の選択は、キャンピングカーに全ての思い出を詰め込んで、車上生活者として過酷な季節労働の現場を渡り歩くことだった。行く先々で出会うノマドたちとの心の交流の中で、彼女が見つけた“希望”とは──。

画像: ファーン(フランシス・マクドーマンド) 不況の余波で住み慣れたネバダ州の企業城下町の住処を失い、キャンピングカーで路上に出た60代女性。“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩くことに。

ファーン(フランシス・マクドーマンド)
不況の余波で住み慣れたネバダ州の企業城下町の住処を失い、キャンピングカーで路上に出た60代女性。“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩くことに。

主演を務めるのは『ファーゴ』『スリー・ビルボード』で二度のオスカーに輝き、本作で三度目の受賞の期待も高まるフランシス・マクドーマンド。撮影ではマクドーマンド自らが実在のノマドたちの中に身を投じ、ドキュメンタリーとフィクションの境界を超えた新しい表現ジャンルを開拓している。

メガホンを取ったのは、マーベル・スタジオの超大作『エターナルズ(原題)』の監督にも抜擢されたクロエ・ジャオ。全米メディアから『ジャオが手掛ける作品には偉大さが詰まっている』など大絶賛を浴びている。

画像: 米西部の厳しくも壮大な自然や路上を捉えた崇高な映像美も見どころ

米西部の厳しくも壮大な自然や路上を捉えた崇高な映像美も見どころ

ココに注目!監督はマーベル新作にも抜擢された大器

本作の監督を務めたクロエ・ジャオは、アメリカ西部に生きるロデオライダーたちの姿を力強くも痛切に描いた『ザ・ライダー』(2017・日本劇場未公開)でインディペンデント・スピリット賞の作品賞・監督賞ほか4部門にノミネートされ、一躍脚光を浴びた俊英。

アベンジャーズに続く最強ヒーローチームを描いた超大作『エターナルズ(原題)』(2021年劇場公開)の監督にも抜擢された、今もっとも注目すべきクリエーターの一人だ。

ミナリ(原題) 2021年3月公開

快進撃を続けるA24が放つ韓国系移民一家の物語

ノミネート有力部門

作品賞、監督賞、主演男優賞(スティーヴン・ユアン)、助演女優賞(ユン・ヨジョン)、脚本賞

監督:リー・アイザック・チョン
出演:スティーヴン・ユアン、ハン・イェリ
ギャガ配給

ハリウッド実写版『君の名は。』を手掛けることも話題のリー・アイザック・チョンが監督を務め、快進撃を続ける新鋭スタジオA24とタッグを組んだ感動ストーリー。80年代、アーカンソー州。韓国から移住してきた小さな家族のアメリカンドリームの行方を描く。

アンモナイト(原題) 2021年春公開

2大実力派女優共演で贈る美しき愛の物語

ノミネート有力部門

主演女優賞(ケイト・ウィンスレット)、助演女優賞(シアーシャ・ローナン)

監督:フランシス・リー
出演:ケイト・ウィンスレット、シアーシャ・ローナン
ギャガ配給

ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンというアカデミー賞常連の二大演技派女優の豪華共演が実現したラブストーリー。『ゴッズ・オウン・カントリー』の監督が、イギリス南西部の海辺の町を舞台に、人間嫌いな考古学者と裕福で可憐な人妻の美しき愛を描く。

ザ・ファーザー(原題) 2021年公開

アンソニー・ホプキンズが認知症の父に

ノミネート有力部門

作品賞、監督賞、主演男優賞(アンソニー・ホプキンス)、助演女優賞(オリヴィア・コールマン)、脚色賞

画像: アンソニー・ホプキンズが認知症の父に

監督:フローリアン・ゼレール
出演:アンソニー・ホプキンス、オリヴィア・コールマン
ショウゲート配給
© NEW ZEALAND TRUST CORPORATION AS TRUSTEE FOR ELAROF CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION TRADEMARK FATHER LIMITED F COMME FILM CINÉ-@ ORANGE STUDIO 2020

記憶と現実との乖離に困惑する認知症の父と、父の変化に戸惑う娘。混迷していく父の視点で描く、喪失と親子の絆をテーマにした心揺さぶる物語。82歳の名優アンソニー・ホプキンズが認知症の父を熱演。フランスを代表する劇作家が自らの戯曲を基に監督デビュー。

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