日本では3月19日に公開される『ミナリ』が、第93回アカデミー賞で6部門にノミネートされた。主演男優賞ならびに助演女優賞では歴史に残る偉業が期待されている。

すでに多くの映画賞を席巻!偉業達成も期待される

『ムーンライト』や『レディ・バード』など作家性の強い作品で今やオスカーの常連となったA24と、『それでも夜が明ける』でエンターテイメントの定義を変えたブラッド・ピットのPLAN Bがタッグを組んだ『ミナリ』。

画像: 『ミナリ』よりスティーヴン・ユァン(左から2人目)出演場面

『ミナリ』よりスティーヴン・ユァン(左から2人目)出演場面

アメリカの映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では100%(2021.01.29現在)を記録したほか、評論家からも「監督のパーソナルな物語が大きな感動と共感を与えている」とすでに大絶賛されている。さらには、サンダンス映画祭でのグランプリ・観客賞受賞をはじめに、世界の映画祭で<観客賞>を多数受賞。賞レースを席巻しており、これまで243ノミネート、80受賞(※TOP10選出含む/2021年3月15日現在)を記録している。

その話題作の『ミナリ』だが、第93回アカデミー賞では作品賞をはじめに下記6部門にノミネートされた。

■作品賞 
■監督賞(リー・アイザック・チョン) 
■脚本賞(リー・アイザック・チョン) 
■主演男優賞(スティーヴン・ユァン) 
■助演女優賞(ユン・ヨジョン) 
■作曲賞(エミール・モッセリ)

画像: 『ミナリ』よりユン・ヨジョン出演場面

『ミナリ』よりユン・ヨジョン出演場面

スティーヴン・ユァンの主演男優賞へのノミネートは、アジア系初となる快挙。また、ユン・ヨジョンの助演女優賞へのノミネートも韓国人女優では初の快挙だ。ユン・ヨジョンがオスカー受賞となると、アジア人では64年ぶり2人目となり歴史に残る偉業達成となる(ちなみに1人目は1957年『サヨナラ』で受賞したナンシー梅木)。

昨年の『パラサイト 半地下の家族』に続き、今年もオスカーでアジア旋風が起きそうだ。注目の第93回アカデミー賞受賞式は現地時間の4月25日(日)に行われる。

各ノミニーのプロフィールをチェック!

監督賞・脚本賞ノミネート
リー・アイザック・チョン監督 経歴

1978年、アメリカ、コロラド州に生まれ、アーカンソー州リンカーンのオザークにある小さな農場で育つ。イェール大学の学士課程で生物学を学んだ後、ユタ大学で映画学の修士号を取得。2012年には、全米アーティスト・フォード・フェローシップを授与される。

脚本家と映画監督として、受賞実績を持つ。長編映画デビュー作『Munyurangabo(原題)』(07)は、2007年カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、絶賛を浴びる。その他の長編映画作品には、『Lucky Life(原題)』(10)と『Abigail Harm(原題)』(12)がある。

新作は『君の名は。』のハリウッドリメイク版『Your Name』。本作で世界中のメディアと映画ファンに熱狂を巻き起こし、現在も受賞リストを更新し続け、一躍、エンターテイメントの未来を担う存在となった。本作『ミナリ』は監督の半自伝的映画として描かれている。

主演男優賞ノミネート
スティーヴン・ユァン経歴

大ヒットTVシリーズ「ウォーキング・デッド」(10~16)のグレン・リー役で人気を獲得し、世界中にその名を知られる。また、イ・チャンドン監督の『バーニング 劇場版』(18)で、ロサンゼルス映画批評家協会賞、シカゴ映画批評家協会賞、全米映画批評家協会賞など数々の賞に輝き、演技派俳優としての地位も確立する。

主な出演作は、『アイ・オリジンズ』(14)、ティルダ・スウィントン、ジェイク・ギレンホール、ポール・ダノ共演、ポン・ジュノ監督の『Okja/オクジャ』(17)、『ZInc. ゼット・インク』(17)、『ホワイト・ボイス』(18)、ギレルモ・デル・トロ製作総指揮のTVアニメシリーズ「ウィザード: アルカディア物語」(20・声の出演)など。

助演女優賞ノミネート
ユン・ヨジョン経歴

55年目を迎える(1966年デビュー)キャリアの中で、数多くの賞に輝き、韓国で最も敬愛されている伝説の俳優。カンヌ国際映画祭に出品された『ハウスメイド』(10)や『蜜の味 〜テイスト オブ マネー〜』(12)で国外からも高い評価を受け、ウォシャウスキー姉妹監督のTVシリーズ「センス8」(15~17)のミンジュン役でアメリカでの英語ドラマデビューを果たす。

主な出演作は、『青い塩』(11)、ホン・サンス監督の『3人のアンヌ』(12)、『自由が丘で』(14)、『正しい日 間違えた日』(15)、『チャンス商会 ~初恋を探して~』(15)、『バッカス・レディ』(16)、イ・ビョンホン共演の『それだけが、僕の世界』(18)、『チャンシルさんには福が多いね』(19)、『藁にもすがる獣たち』(20)など。

ユン・ヨジョンは、デビュー当時から演技力の高さで脚光を浴び、1971年には韓国時代劇に欠かせない”朝鮮時代3大悪女”の1人である張禧嬪(チャン・ヒビン)を熱演し一躍スターダムにのし上がった。あまりに完成度が高い演技であったため、彼女の”悪女演技”に視聴者が憤り、街を歩いていた彼女に石を投げる人もいたというエピソードを持つほど。他にも厳格で保守的な姑役から、妖艶な色気のある役まで、正反対な役柄も行き来できる幅広い演技力で、観客を魅了し続けている。

最近では、食堂を切り盛りする社長に扮したリアリティショー番組「ユン食堂」にて、ドラマ『梨泰院クラス』のパク・ソジュンらと共演し、日本でも人気を呼んでいる。シリーズ続編となる「ユンステイ」では、映画『パラサイト 半地下の家族』のチェ・ウシクも加わりさらに豪華なメンバーにグレードアップ。こちらも日本で3月29日から放送開始することが決定している。

本作『ミナリ』では、海外の映画賞で演技賞27冠獲得!韓国映画界の記録を塗り替える、前人未到の快挙となった。米メディア「Variety」はアカデミー賞の助演女優賞受賞の予測1位としてユン・ヨジョンを選び、オスカー受賞への期待も高まっている。

作曲賞ノミネート
エミール・モッセリ(音楽)経歴

ロサンゼルスを拠点に活動する、受賞経歴を持つ作曲家、ピアニスト、歌手、プロデューサー。『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』(19)の音楽で絶賛され、サンフランシスコ映画批評家協会賞を受賞し、シアトル、ボストンの映画批評家協会賞他、多数にノミネートされる。また、Human Loveというグループのメンバーとして、レコーディングやツアーを行っている。

作品情報

ミナリ                              

3月19日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー

画像: 『ミナリ』第93回アカデミー賞で作品賞をはじめ6部門でノミネート!日本では3月19日より公開

<STORY>
1980年代、農業で成功することを夢みる韓国系移民のジェイコブは、アメリカ南部のアーカンソー州の高原に、家族と共に引っ越してきた。荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを見た妻のモニカは、いつまでも心は少年の夫の冒険に危険な匂いを感じるが、しっかり者の長女アンと心臓に病を持つが好奇心旺盛な弟のデビッドは、新しい土地に希望を見つけていく。まもなく毒舌で破天荒な祖母も加わり、デビッドと一風変わった絆を結ぶ。だが、水が干上がり、作物は売れず、追い詰められた一家に、思いもしない事態が立ち上がる──。

<STAFF &CAST>
脚本&監督:リー・アイザック・チョン

出演:スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、アラン・キム、ネイル・ケイト・チョー、ユン・ヨジョン、ウィル・パットンほか

© 2020 A24 DISTRIBUTION, LLC All Rights Reserved.
配給:ギャガ

公式サイト:gaga.ne.jp/minari

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