『博士と彼女のセオリー』などの音楽を手がけた天才作曲家ヨハン・ヨハンソンの初⻑編監督作品であり、遺作となった映画『Last and First Men』が『最後にして最初の⼈類』の邦題で2021年7⽉23⽇(⾦)より全国順次公開することが決定。予告編も解禁された。
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映画『最後にして最初の人類』7月23日(金)全国順次公開

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朗読を務めるのは⼥優のティルダ・スウィントン

アイスランド出⾝のヨハン・ヨハンソン(1969〜2018)は、クラシックと電⼦⾳を融合させた⾳楽スタイルで知られ、映画をはじめ舞台・コンテンポラリーダンスなど幅広いジャンルで活躍した作曲家。

中でも映画⾳楽での活躍はめざましく、アカデミー賞(主演男優賞)に輝いた『博⼠と彼⼥のセオリー』(2014/ジェームズ・マーシュ監督)でゴールデングローブ賞作曲賞を受賞すると、⼤ヒットした『メッセージ』(2016/ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督)でも同賞にノミネート。⼀夜にして世界的な注⽬を集めるようになった。

しかし、キャリア絶頂期にあった2018年2⽉9⽇にわずか48歳で急死。早すぎる逝去に、シガー・ロス、マックス・リヒターなど世界中のアーティストたちが数多くの追悼コメントを寄せた。

⽣前に親交のあった⾳楽家の坂本⿓⼀も「これから何度も共に⾳楽を作ることになるだろうと思っていました。そんな彼が何も⾔わずに突然去ってしまい、ぼくを含めて残された者はただ呆然としています」と追悼⽂を寄せた。

画像: 朗読を務めるのは⼥優のティルダ・スウィントン

今回、⽇本公開が決定した『最後にして最初の⼈類』は、もともとシネマ・コンサートの形式で⽣上演されていたものがベースとなっている。

ヨハンソンが監督した16mmフィルムの映像をスクリーンに投影し、⼥優のティルダ・スウィントンが朗読を加え、ヨハンソンによるスコアをオーケストラが⽣演奏するというスタイルだ。

これをヨハンソンが亡くなった後、16mmフィルムの撮影監督を務めたシュトゥルラ・ブラント・グロヴレンを中⼼とした参加スタッフが、1本の⻑編映画として構成。ヨハンソンが⽬指したアーティスティックなビジョンを損なうことのないよう、2017年7⽉に⾏われた英国・マンチェスターでの初演を再現するべく努めた。

そして、ついにヨハンソンの死後2年を経て、ヨハンソンの“最後にして最初の⻑編監督作品”は映画として蘇り、2020年2⽉のベルリン国際映画祭でワールドプレミア上映された。

原作は、英国の哲学者で作家オラフ・ステープルドンの「最後にして最初の⼈類」(1930/邦訳は絶版)。20世紀を代表するSF作家の⼀⼈であるアーサー・C・クラーク(「2001年宇宙の旅」)にも⼤きな影響を与えたといわれるSF⼩説の⾦字塔だ。

20億年先の未来に⽣きる⼈類第18世代のひとりが、20世紀に⽣きる第1世代の私たちにテレパシーで語りかけてくる内容は、期せずしてヨハンソンの出世作である『メッセージ』の世界観とも響き合うものとなっている。

公開決定の発表にあわせてティザーポスターと予告編も解禁。ビジュアルで真っ先に⽬を惹かれる巨⼤で奇怪なデザインの⽯碑は、旧ユーゴスラビアに点在する「スポメニック」と呼ばれる巨⼤な戦争記念碑だ。

第⼆次世界⼤戦の対ドイツ戦で犠牲となった⼈々を追悼し、社会主義の勝利をアピールすべく建設された数々のモニュメント。それらは現在、まるで放棄された未来の夢のような姿を晒し続けており、美しくも謎めいた想像⼒をかきたて、スウィントンのナレーションとともに、観客を時空を超えた時間旅⾏へと誘うだろう。

最後にして最初の人類
2021年7月23日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ他順次公開
配給:シンカ
©️2020 Zik Zak Filmworks / Johann Johannsson

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