第57回台湾アカデミー賞(金馬奨)で最優秀主演男優賞、最優秀助演女優賞、最優秀オリジナル音楽賞の3部門を受賞した『親愛的房客(英語:Dear Tenant)』が邦題『親愛なる君へ』として2021年7月23日(金・祝)より全国順次公開されることが決定した。

「間借り人は少年にとって“もうひとりのパパ”」

本作は、世界的評価を受けた『一年之初(一年の初め)』や『ヤンヤン』など、人と人のつながりや人生模様、アイデンティティを描くことに長けたチェン・ヨウジエ監督が5年ぶりにメガホンを取り、緻密で繊細なストーリーラインで愛の極限を描いた最新作。

ミステリアスで重厚なサスペンス調の展開を匂わせつつ、徐々に真実が解き明かされていくと、温かな情感溢れる結末まで一気に導かれていく。

本作は老婦・シウユーとその孫のヨウユー、そのふたりの面倒を見る青年・ジエンイーの3人が、血の繋がりを越えた家族の絆をつむぐ物語。ただの間借り人のはずのジエンイーがふたりに尽くすのは、今は亡き同性パートナーの家族だからだ。しかしある日、シウユーが急死してしまう。その死因を巡り、ジエンイーは不審の目で見られるようになる。警察の捜査によって不利な証拠が次々に見つかり、終いには罪を認めてしまう。だがそれはすべて、愛する“家族”を守りたい一心で選択したことだった…

主演は『一年之初(一年の初め)』でもヨウジエ監督とタッグを組んだモー・ズーイー。本作でも高い評価を受け、第57回台湾アカデミー賞(金馬奨)や、第22回台北映画奨、第2回台湾映画評論家協会奨で最優秀主演男優賞(台湾映画評論家協会奨は主演・助演の区別がない最優秀男優賞)を受賞。

また、老婦の名演が光った“国民のおばあちゃん”の別名を持つ台湾の国宝級女優であるチェン・シューファンは、第57回台湾アカデミー賞で最優秀助演女優賞を獲得した。

このたび完成したポスタービジュアルには「間借り人は少年にとって“もうひとりのパパ”」というキャッチとともに、ジエンイーと血の繋がりのないヨウユーが海辺で切ない表情で抱き合う写真が大きく配置されている。

さらに同性パートナーが生きていた在りし日の幸せな家族の食卓の写真もあり、その対比から、現在のふたりの関係が頑強さと脆弱さの両面を持ち合わせるような情調を想像できる仕上がりとなっている。

親愛なる君へ
2021年7月23日(金・祝) シネマート新宿・心斎橋ほか全国順次公開
配給:エスピーオー、フィルモット
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