ディズニーが様々なバックグラウンドを持つ新世代の映像作家を支援するプロジェクト“Disney Launchpad(ディズニー・ロンチパッド)”から生まれた短編映画6作品がディズニープラスで配信中。配信を記念し、メイキング含む特別映像と各監督のインタビューをお届けする。

“今”を映し出す監督たちの心に響くメイキング映像が公開

Disney Launchpadは、ディズニープラスはもとより、マーベルやピクサーなど映画製作の第一線で活躍するエグゼクティブなスタッフが、映像作家たちをサポートしながら作品を制作するプロジェクト。第1弾となる今回は「発見」をテーマに、6人の若き映像作家が多様性と創造性が豊かな約20分のオリジナルストーリーを描いた。

画像1: ©2021 Disney

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このたび公開された特別映像では、短編映画6作品の監督がコロナ禍でフェイスシールドとマスクを着用しながらキャストやディズニーのスタッフらと共に試行錯誤しながら撮影に挑む様子が映し出されている。そこからは誰もが予想だにしなかった困難な状況下でも夢を叶えようとする強い想いと信念が伝わってくる。

画像: Disney Launchpad 短編映画コレクション|特別映像|Disney+ (ディズニープラス) www.youtube.com

Disney Launchpad 短編映画コレクション|特別映像|Disney+ (ディズニープラス)

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6人の映像作家がそれぞれの作品に込めた想いとは?

さらに監督たちのインタビューも到着。人間とバンパイアの間に生まれた少女の悩みをコミカルに描いた『若きバンパイアの憂鬱』のアン・マリー・ペイス監督は「私はメキシコ系アメリカ人で、バイセクシュアルなんです」と明かす。この作品で描きたかったテーマについて「子どもの頃、2つのアイデンティティの間にいるように感じて、これらのアイデンティティのどこに属しているのかはっきりわからなくて、とても苦しみました。私はそういうことを主人公の少女を通して掘り下げたかったんです」と語った。

画像: 『若きバンパイアの憂鬱』©2021 Disney

『若きバンパイアの憂鬱』©2021 Disney

日本文化が大好きで来日の夢を持つ彼女。最後に「日本の皆さんからすると、全く違うバックグラウンドから来ているというところです。このストーリーから伝えたいことは、恥ずかしいと思っていたり、隠すようにと言われてきたどんな部分も、実はあなたを支えるスーパーパワーだということです。それらはとてもスペシャルで、皆さんの人生に彩りを与えてくれます。鑑賞後に人々はあるがままで完璧だということに気づき、そこに強さを見つけてくれればいいなと願っています」と締めくくった。

画像2: ©2021 Disney

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『若きバンパイアの憂鬱』
【ストーリー】メキシコ系アメリカ⼈で、半分⼈間・半分バンパイアのヴァル・ガルシアは⼈間の世界でもモンスターの世界でも正体を隠している。しかし⼈間の親友がモンスター学校に迷い込んだことから、ヴァルは⾃分⾃⾝と向き合うことを決意する。
【監督】アン・マリー・ペイス
テネシー出身、現在はLAを拠点に活動する脚本家/監督。メキシコ系アメリカ⼈で、決められた型に収まらない⼼の在り⽅や多⽂化の視点からストーリーを描く。

バレエや人形遊びが好きな中国人の少年と友達の友情を描いた『リトル・プリン(セ)ス』のモキシー・ペン監督は作品の背景について、「僕は主人公のガブリエルみたいな子で、とてもフェミニンなものやピンク、プリンセスに夢中でした。友達の父親から「モキシーは普通の子供じゃないから矯正する必要がある」と言われたとき、自分の父親は「あるがままの息子を愛している」と言ってくれたんです」と、父親が全肯定してくれた幼少期のエピソードを語る。

画像: 『リトル・プリン(セ)ス』©2021 Disney

『リトル・プリン(セ)ス』©2021 Disney

父親の言葉は監督の心に深く刻まれたようで、「今回Disney Launchpadのプロジェクトを知った時、それをストーリーに入れ込んで、クイアやトランスジェンダーの子供たちは独りじゃないということを表現したかったんです。僕たちはいつも彼らのことを気にかけています。僕たちはいつもお互いのことを助け合っているんです」とコメント。日本のファンへは「この映画を見て、広い心を持ち続けるようにして欲しいと思います。そして、トランスジェンダーやクイアの人たちに興味を持ち、信頼して欲しいです。彼らは実際にここに存在する人間なのですから」と語った。

画像3: ©2021 Disney

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『リトル・プリン(セ)ス』
【ストーリー】バレエが⼤好きな7歳の中国⼈の少年・ガブリエルと、同じ⼩学校に通う中国⼈の友人ロブ。しかしロブの⽗はガブリエルの“⼥の⼦らしい”⾔動に疑問を⽰し、二人の友情を引き裂こうとする。
【監督】モキシー・ペン
中国湖南省出⾝の脚本家・監督。労働者階級の⼈々、少数⺠族の移住者たち、そしてクィア(男性にも⼥性にも分類されない性別認識)・コミュニティの⼈々の⽇常を映像化。

母親を亡くした主人公が子どもとの交流を通じて悲しみを乗り越えていく『トラになろう』のステファニー・アベル・ホロヴィッツ監督は、本作について次のように語った。「私の祖父母が100歳、両親が70歳を迎えようとする一方で、甥は4歳でした。私はそれを見て、人生のバトンを渡すということを考えました。両親はセラピストだから私も話を聞くのは得意だけれど、自分の悲しみや弱いところを他の人と分かち合うことが上手くできないんです。だからこそこの映画は、そういった自分自身の弱い部分を分かち合い、自分の人生で出会う人々への贈り物だということを描いています。それはこの世界や痛みの中で、あなたは独りじゃないということを覚えておく方法なんです」

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『トラになろう』
【ストーリー】 ⺟親を亡くした悲しみを乗り越えられないアヴァロン。4歳の⼦供の⼦守をするうちに、意外にも悲しみが少しずつ癒やされていく。
【監督】ステファニー・アベル・ホロヴィッツ
10年間舞台の演出をした後、映画に転向。2作目の短編映画『SOMETIMES, I THINK ABOUT DYING』は2019年サンダンス映画祭で初上映され、アカデミー賞の選抜候補にも残った。

ジェシカ・メンデス・シケイロース監督が手がけたのは、文化が存在しなくなった世界で伝統を守ろうと奮闘するメキシコ系アメリカ人女性を描く『最後のチュパカブラ』。 主人公同様、二つの文化を持つアメリカ人である監督は自身のルーツに関心があったそう。「メキシコ系アメリカ人であることが私の人生をすごく濃厚にしていると思います。それが映像作家として自分が何者かということを問うきっかけになりました。メキシコ系アメリカ人ということが何を意味しているのかや、ラテンアメリカ系住民という総称が何を意味しているのか、ということを私が包括的に描くことは不可能です。私ができることは、私の経験や人生にある多重の文化を明確にして、これらのストーリーを人々と分かち合うことです。そんな機会に恵まれたことは、とても幸運だと思います」

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『最後のチュパカブラ』
【ストーリー】⽂化が存在しなくなった世界。伝統を守ろうと奮闘する孤独なメキシコ系アメリカ⼈の⼥性が、知らず知らずのうちに古代の⽣き物を呼び出してしまう。
【監督】ジェシカ・メンデス・シケイロース
ソノラの原住⺠とヨーロッパ⼈の混⾎家系出⾝のメキシコ系アメリカ⼈⼥性の脚本家/監督。彼⼥の短編映画の数々は、75の映画祭で上映されている。

俳優から監督へ転身したハオ・ズンが手がけたのは、初めてアメリカに来た時の経験に基づいた『ディナーをどうぞ!』。コロナ禍で撮影された最初の作品だったそうで、「当時コロナ禍での撮影がどういうことなのか、まだ誰もわかっていなかったんです。みんながそれに対応しようとして、撮影時間が凄く限られていました。常にフェイスシールドやマスクをつけていたので、役者たちとコミュニケーションを取る方法を考えながら撮影しました。でも、コロナ禍での撮影がどれほど大変なことかということをみんなが理解していて、辛抱強く協力してくれました」と当時を振り返った。

画像6: ©2021 Disney

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『ディナーをどうぞ!』
【ストーリー】全寮制のエリート学校に通う中国⼈留学⽣は、まだ留学⽣が誰も採⽤されたことがないリーダー役の試験に挑戦し、努⼒ではその役を勝ち取れないと気付く。
【監督】ハオ・ズン
中国映画やテレビ番組に出演する俳優から監督に転⾝。エマーソン⼤学(映画制作)、およびAFI(監督)で学び、学⽣アカデミー賞受賞。

アクサ・アルタフ監督の『イード』は、タイトルでもあるイード=イスラム教の断食明けの祭りがテーマ。「元々移民についてのストーリーを語りたかったんです。これまでに観た移民のストーリーは、移民が新しい居場所や文化を受け入れていくものでした。でも今は文化や集団が私たちのことを受け入れる時代に来ていると思います。だから私はこの映画で、移民がその文化を受け入れつつ、逆に移民の文化も受け入れられていくということを描きたかったんです。もう一つは、私がアメリカに引っ越した時、誰もイードについて知らなかったということ。家族と一緒ではなかったのでとても孤独を感じて、イードをもっとたくさんの人に知って貰おうとしたんです。だって、世界中の18億人ものイスラム教徒がイードを祝っているんですよ。それがメジャーのマスコミに取り上げられないこと自体が、私にとってはクレイジーなんです」

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『イーダ』
【ストーリー】イスラム教徒でパキスタン⼈移⺠のアミーナ。イードの⽇に学校を休めないと知ってショックを受け、イードを休⽇にするため署名活動を始める。
【監督】アクサ・アルタフ
クウェートでイスラム教徒のパキスタン⼈とスリランカ⼈の両親に育てられ、多様性と普遍的なストーリーを描く。USCの映画芸術学科を卒業。短編映画『ONE SMALL STEP』は多数の賞を受賞するほか、2019年カンヌ国際映画祭のアメリカン・パビリオンで上映された。

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