前作『search/サーチ』(2018)の成功によって一躍、新世代スリラーの旗手となったアニーシュ・チャガンティ監督が、同じ製作チームと組んで完成させた長編第2作目となる『RUN/ラン』が公開中。前作で、PC画面上に隠された伏線やトリビアに関する考察で盛り上がったのも記憶に新しいが、今作も例外ではない。劇中に登場する重要なキーワードや、チャガンティ監督が劇中に散りばめた遊び心溢れるトリビアを紹介!

<STORY>

ある郊外の一軒家で暮らすクロエは、生まれつき慢性の病気を患い、車椅子生活を余儀なくされている。しかし常に前向きで好奇心旺盛な彼女は、地元の大学への進学を望み、自立しようとしていた。そんなある日、クロエは自分の体調や食事を管理し、進学の夢も後押ししてくれている母親ダイアンに不信感をを抱き始める。ダイアンが新しい薬と称して差し出す緑色のカプセル。クロエの懸命な調査により、それは決して人間が服用してはならない薬だったのだ。なぜ最愛の娘に嘘をつき、危険な薬を飲ませるのか。そこには恐ろしい真実が隠されていた。ついにクロエは母親の隔離から逃げようとするが、その行く手には想像を絶する試練と新たな衝撃の真実が待ち受けていた……。

ネタバレ注意!隠されたトリビアと重要なヒントたち

ワシントン大学

画像1: 【ネタバレ注意】監督の遊び心あふれる『RUN』トリビア考察

クロエが進学を希望しているこの大学は、ワシントン州シアトルに実在する名門の州立大学。映画の序盤には、クロエが同大学の公式ホームページを閲覧するシーンで、そのページ内の“引っ越しに関するヒント”のコーナーに掲載されている写真の女の子は、『search/サーチ』で“fish_n_chips”というハンドルネームの女性を演じていた女優である。

メイン州デリー

画像2: 【ネタバレ注意】監督の遊び心あふれる『RUN』トリビア考察

クロエが飲まされている薬を調べるため電話番号案内「411」に電話をすると、「お調べする州名と都市名を言ってください。例えば“メイン州デリー”のように」と自動音声が流れる。“メイン州デリー”はベストセラー作家のスティーヴン・キングが創造した架空の田舎町。彼の小説「IT -イット-」「不眠症」などの舞台になった。さらにこの時、クロエがランダムに電話をかけて薬の詳細を調べてもらう男性は、トニー・レヴォロリが演じている。

劇中映画『Breakout』

クロエとダイアンが訪れた映画館で上映中の作品。その題名の意味である“脱出”が、クロエのその後の運命を予感させている。架空の映画『Breakout』のポスターには『search/サーチ』の主演俳優ジョン・チョーが協力している。

画像3: 【ネタバレ注意】監督の遊び心あふれる『RUN』トリビア考察

キャシー・ベイツ

画像4: 【ネタバレ注意】監督の遊び心あふれる『RUN』トリビア考察

映画館を抜け出したクロエが薬局に駆け込むシーンで、彼女に応対する薬剤師の名前は“ミセス・ベイツ”。のちにダイアンが電話をかけるシーンで、その女性のファーストネームは“キャシー”だと判明。キャシー・ベイツはスティーヴン・キング原作映画『ミザリー』の主演女優であり、同作品へのささやかなオマージュになっている。

ダイアンの背中の傷

ダイアンが自宅でシャワーを浴びるシーン。このとき彼女の背中に、いくつもの惨たらしい傷痕があることが判明する。劇中では削除されたが、ダイアンは幼少期に母親から虐待を受けていた過去を持つ。監督はダイアンの幼少時代や、母、祖母の人生まで遡ったバックストーリーを書き記しサラと共有していた。キャラクター作りに重要な役割を果たしていたという裏話も。

画像5: 【ネタバレ注意】監督の遊び心あふれる『RUN』トリビア考察

代理ミュンヒハウゼン症候群

画像6: 【ネタバレ注意】監督の遊び心あふれる『RUN』トリビア考察

子どもへの虐待の一種で、親が自らの欲求を満たすため、子どもにわざと病気や障害を作り、その面倒をみることによって周囲の注目や同情を集めようとする精神疾患。加害者には母親が多くみられる。2019年のTVシリーズ「見せかけの日々」は、2015年にアメリカのミズーリ州で実際に起こったディーディー・ブランチャード殺害事件を題材にしており、代理ミュンヒハウゼン症候群を扱った衝撃的な内容が大きな反響を呼んだ。

RUN/ラン
全国公開中

画像7: 【ネタバレ注意】監督の遊び心あふれる『RUN』トリビア考察

監督・脚本:アニーシュ・チャガンティ 製作・脚本:セヴ・オハニアン
出演:サラ・ポールソン、キーラ・アレン 配給:キノフィルムズ

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