ウェス・アンダーソン作品の常連俳優、オーウェン・ウィルソンへインタビュー! ウェスとの出会いや仕事術についてお話を伺ました。

〝人生では、何人かは本当の繋がりを築く人と出会います。
そうです、私たちは本当の親友になりました〟

画像: 盟友同士の長~い交流の歴史

盟友同士の長~い交流の歴史

オーウェン・ウィルソン プロフィール

1968年11月18日生まれ、米・テキサス州ダラス出身。ウェス・アンダーソン監督の『アンソニーのハッピー・モーテル』(1996)で映画デビュー、『天才マックスの世界』(1998)で共同脚本でアカデミー賞にノミネートされるなど、ウェス組代表格。主な出演作に『ズーランダー』(2001)『シャンハイ・ヌーン』(2000)『ロキ』(2021)など。2022年4月22日公開の『マリー・ミー』を控えている。

── 監督との最初の出会いを教えてください。

「テキサス大学の同じシナリオ講座を学期の間ずっと一緒のクラスで受講していました。全員で15人のクラスでしたが、監督とは一度も話したことがありませんでした。でも、なぜ覚えていたかというと、こんな経緯がありました。教室にはみんなが集まるテーブルがありました。私はそこから椅子を窓辺にもっていき、窓に寄りかかって外を眺めているような学生でした。監督も同じことをしていました。そこから交流が始まったと思うでしょうが、実は逆でした。『こいつは自分を何様だと思ってるんだ? あそこのテーブルの仲間になぜ入らないんだ?』と。

次に会ったのは、新学期が始まってから。英語学部の廊下を歩いているのを見つけ、シナリオの授業にまた申し込むか聞きました。その次のきっかけは、僕のルームメートでした。彼は監督のヒューストン時代からの友達でした。ある日、監督がルームメートに電話をしてきて、そのときに、『あっ、シナリオの講義が一緒で、廊下でも会ったヤツだ』と気がついたのです。そうして友達になりました。

今、お互いに50代になりましたが、当時のことを聞かれても、はっきりと思い出すことができます。逆に、1週間前のことは、まったく思い出せないこともあります。このように、人間と時間との関係性というものは超現実的になることがあります。多分、後から振り返ると、何事もあいまいに思えるからかもしれませんが、人間はそうやって前に進んできました。しかし、人生では、何人かは本当の繋がりを築く人と出会います。そうです、私たちは本当の親友になりました」

── ロケ地では、同じところに寝泊りして、映画の世界観のなかで暮らしていましたね。

「その話をある出演者としていました。現場では俳優同士は打ち解けてリラックスしています。なかなか無いことで、その出演者もそう感じていました。その方は今回がアンダーソン作品に初出演で、他には無いその撮影方針に驚いていました。

もっと多くの監督がこのやり方をするといいと思います。なぜなら、全員が同じところに寝泊りしますから、食事も一緒だし、隣の部屋の編集の様子も覗けます。2階にいる監督にも会えます。少し歩くだけで撮影の経過を見ることができるのです。

誰もが近くにいるので、ヘアー、メイク、衣装にもあまり手間がかかりません。朝起きて、みんなのいる場所に顔を出せば、そこですべてが片づきます。撮影では専任のヘアーやメイクの担当者がつきますし不要な出費を抑えていけるのです。

画像: 編集長のお気に入り記者が自転車で街をレポート

編集長のお気に入り記者が自転車で街をレポート

たしか『ライフ・アクアティック』(2004)以降、監督は撮影方法をシンプルにしました。優しく支えてくれる演出だと思います。テイクを重ねる撮り方ではありません。特に芝居はそうです。カメラを長廻しして、ワンカットで一連の動きを一気に撮ることもあります。まるでスポーツのようです。全員で同時に揃った芝居をしなくてはなりません。失敗したらまた全員でやり直しです。こうすることで気合いが入ります。自分のせいでNGを出したくありませんからね」

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