給食マニアの教師VS給食マニアの生徒による、どちらが給食を「おいしく食べるか」という闘いを描く学園グルメコメディ「おいしい給食」シリーズの最新作『劇場版 おいしい給食 卒業』(5月13日公開)。劇場版第2弾となる本作で最後の給食バトルに挑む主人公・甘利田幸男を演じる市原隼人のインタビュー【前編】をお届けする。(文:タナカシノブ、写真:久保田司)

長く続いた給食バトルがついに終止符を打つ!

学校給食に人生のすべてをかける数学教師・甘利田幸男と、与えられた献立に異次元のアレンジを加える生徒・神野ゴウ。二人の長き戦いがゴウの義務教育最後の年、ついに完結する。中学3年生の担任である甘利田にとって、受験以上に気なる事件が浮上。なんと給食メニューの改革が決定されたのだ。不穏な空気を察知した甘利田は愛する給食を守るために立ち上がるーー。

強烈な個性をさらにパワーアップさせ、最後のうまそげ対決に挑む甘利田を演じた市原隼人に、甘利田の進化や「おいしい給食」の現場の魅力、甘利田にとっての給食のように愛してやまないものを語ってもらった。

画像: 市原隼人演じる給食マニアの教師・甘利田幸男

市原隼人演じる給食マニアの教師・甘利田幸男

ーーついに神野ゴウが卒業を迎えます。今の心境を教えてください。
市原「甘利田としては一貫して滑稽な姿をたくさん観ていただきたい、そんな気持ちで演じてきました。生徒相手の勝負に一生懸命挑み、負けたときには負けを素直に認めることができる。こんな素晴らしい人間はなかなかいません。甘利田のような大人になりたい、うらやましいとさえ思っています。今回は卒業ということで、やっぱり寂しさを感じる部分はあるのですが、神野ゴウも大きく成長しました。旅立ちに対しての愛惜、ちょっと惜しむような感覚を大切にして挑みました」

ーーシリーズを追ってきた身としても、とても感慨深いです。毎回想像を超えるパワーアップぶりで楽しませていただきました。
市原「愛情に満ちた現場で、今回の撮影では初日から監督が声をからすという状況で(笑)。気合が入っていました。生徒役の子どもたちにもしっかりと愛情を持って接する現場です。芝居のあれこれはもちろん、15、6歳の貴重な夏をいただいて撮影する作品でしたので、経験から得られる、目には見えない大切な想いを持ち帰ってもらいたいという気持ちで接していました。撮影後には生徒一人一人に卒業証書を渡すのですが、みんなが号泣する姿を見て、本当に一生懸命頑張ってくれたんだ、とよろこびを噛み締められたことにも大変感謝しています」

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ーー撮影現場も学校のようだったのですね。学びの場という印象です。
市原「そうですね。お互いに切磋琢磨して、励まし合ったりする姿もすごく眩しく見守っていました」

ーー教育についても考える機会になったのではないでしょうか。
市原「教育というのはやはり難しいと思いました。大人たちは伝えたつもりでも、子供には伝わっていないこともありますし、大人が作るルールで大人を優先させてしまうこともあるのでは、などと感じています。どんな状況においても、なるべく子供たちのためになるような形で進んでいくといいなと思いました」

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ーー映画の中で「ヘルシーな給食」を導入する経緯も、いわば大人の都合というか、大人の目線のアイデアでした。
市原「時代によって教育の現場も先生と生徒との関係性も変わっています。先生の人間性に託されている部分もたくさんあると感じました。だからこそ、先生にとってのご褒美というのでしょうか、本音で懸命に多くの子供たちと向き合っている先生が、その価値を誰かに評価される場所があるといいな、と思いました。幸い、甘利田には給食があるので、ある意味幸せな先生なのかもしれません」

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ーー甘利田にとっての給食のように、市原さんが愛してやまないものを教えてください。
市原「芝居です。良くも悪くも芝居の世界が愛してやまないものです。ちょうど神野ゴウくらいの年齢からこの世界に身を置いています。スカウトされたのが10歳くらいで、13、4歳くらいからちゃんと芝居を始めました。それからずっと、人生の3分の2は役者として人の人生を生きています。そのことをたまに寂しく感じることもあります。プライベートでも役の感情を考えてしまうため、自分のことを考えているのか、芝居のことを考えているのか分からなくなることがあります。感情が商売道具がゆえの悩みなのかもしれません。芝居が好きなのか嫌いなのか分からない領域に来ていますが、芝居に助けられている一面もあって、結局ずっと現場にしがみついています。芝居の魅力に取り憑かれてしまった人間なのかもしれません。天職かどうかはわかりません。何度も嫌いになって、何度も好きになるを繰り返しています(笑)」

画像4: 長く続いた給食バトルがついに終止符を打つ!

ーーそれでも結局戻ってきてしまうのですね。
市原「若い頃は現場に行きたくない、とマネージャーが車の外に出た瞬間に鍵を全部閉めて閉じこもったこともありました。友達はみんな遊んだりしているのに、朝4時に起きて現場に行き、夜遅くまで撮影をするということもよくありましたから。そんなこともありましたが、マネージャーを含め、周りの人に支えられてここまで来られたと感謝しています」

ーー車に閉じこもるなんて、子供らしくてかわいいですが、ちょっと意外です。
市原「詰めが甘くて…。トランクの鍵は開いていて、“あいてるよー”と開けられてしまいました(笑)」

ーー本作では甘利田の内面や知られざる部分がこれまでより多く出ていた気がします。私服姿も衝撃的でした。変装ではなく私服なんだ…って(笑)
市原「『おいしい給食』の現場は、各部署のスタッフが担当関係なくアイデアを出し合える現場です。本作でもそれは発揮されていて、あの私服の滑稽な姿にこだわり、なるべく甘利田がかっこよく見えないようなものを選びました。当時の流行もしっかり取り入れて、考え抜いた衣装になっています。こだわりの私服ですが、真似したいとは思っていただけなさそうな仕上がりになりました(笑)」

画像: 衣装協力/73r

衣装協力/73r

画像: 映画『劇場版 おいしい給食 卒業』予告【2022年5月13日全国公開】 www.youtube.com

映画『劇場版 おいしい給食 卒業』予告【2022年5月13日全国公開】

www.youtube.com
画像: “甘利田のような大人になりたい”『劇場版 おいしい給食 卒業』市原隼人インタビュー【前編】

『劇場版 おいしい給食 卒業』 5月13日全国公開

監督:綾部真弥 企画・脚本:永森裕二
出演:市原隼人 土村芳 佐藤大志 勇翔(BOYS AND MEN) 山﨑玲奈 田村侑久(BOYS AND MEN) 登坂淳一 いとうまい子 直江喜一 木野花 酒井敏也

制作プロダクション:メディアンド
配給:AMGエンタテインメント
製作:「おいしい給食」製作委員会

公式HP:https://oishi-kyushoku2-movie.com/
©2022「おいしい給食」製作委員会

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