名優研究! 名優の人生をキャリア中心に振り返ってみましょう。今回は、新作『エルヴィス』で、伝説的アーティスト、エルヴィス・プレスリーの悪徳マネージャー役を演じるトム・ハンクスに注目。どんな役でもなりきってしまう圧巻の演技の履歴を振り返ります。(文・相馬学/デジタル編集・スクリーン編集部)

コメディから人間味あふれる人物まで

俳優デビュー以来、40年にわたってハリウッドで活躍し、スターとして、また演技派俳優として揺るぎない地位を築いたトム・ハンクス。1956年にカリフォルニアで生まれた彼は、66歳になろうとしている現在も精力的に映画界で俳優活動を続けている。

カリフォルニア州立大学で演劇を学んだハンクスは、1980年に『血塗られた花嫁』でスクリーンデビューを果たすも、しばらくは下積みを強いられる。転機が訪れたのは1984年、『スプラッシュ』『独身SaYoNaRa! バチェラー・パーティ』の2つの主演作のスマッシュヒット。ここでコメディの才を認められ、長寿お笑い番組「サタデー・ナイト・ライブ」への出演で一躍、人気者となった。

画像: 若い頃はコメディ俳優として活躍

若い頃はコメディ俳優として活躍

勢いに乗ったハンクスは映画でも『ビッグ』(1988)『ターナー&フーチ/すてきな相棒』(1989)、『めぐり逢えたら』(1993)などのヒット作で主演を務め、ハリウッドで〝客を呼べるスター〞の地位を固めていく。ここまではコメディ寄りの作品が多かったが、シリアスなドラマに挑んだ『フィラデルフィア』(1993)の演技が絶賛され、アカデミー主演男優賞を受賞。さらに翌年、『フォレスト・ガンプ/一期一会』でも同賞を受賞する快挙を成し遂げ、名実ともに時代を代表する俳優となっていった。

『トイ・ストーリー』(1995)では声優業に挑み、以後のシリーズを含めて、カウボーイ人形、ウッディのキャラクターに命を吹き込んだことでもおなじみ。また、『すべてをあなたに』(1996)では監督業にも挑戦。2011年にジュリア・ロバーツと共演した『幸せの教室』は2本目の監督作となった。

多くの才能ある監督と組んできたハンクスだが、中でも有名なのはスティーヴン・スピルバーグとのタッグだろう。『プライベート・ライアン』(1998)以降、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002)、『ターミナル』(2004)、『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015)、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』などで、人間味あふれるキャラクターを演じてきた。一方で、TVシリーズ「バンド・オブ・ブラザーズ」ではスピルバーグと共同で製作総指揮を担当。その1エピソードで監督も務めている。

近年も『幸せへのまわり道』(2019)でアカデミー助演男優賞にノミネートされ、主演作『この茫漠たる荒野で』(2020)、『フィンチ』(2021)が配信公開されるなど、話題に事欠かないハンクス。先ごろカンヌ国際映画祭でお披露目された最新作『エルヴィス』では、伝説の歌手エルヴィス・プレスリーのマネージャーにふんして、存在感を発揮している。こちらも、お見逃しなく!

画像: 悪人として描かれるパーカー大佐を熱演

悪人として描かれるパーカー大佐を熱演

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