人気アメキャラ系映画ライター・杉山すぴ豊さんが、アメコミ・ホラー・SFなど多様なジャンル映画の情報を"深い知識と深い愛"をもってお届けする本連載。今回はスーパーヒーロー映画ファンも必見のインド映画『RRR』に加えて、アメコミ映画の人気キャラ"ウルヴァリン"&"コンスタンティン"のカムバック情報についてお届けします。
カバー画像:Photo by Michael Loccisano/WireImage

杉山すぴ豊

アメキャラ系映画ライター。雑誌や劇場パンフレットなどにコラムを執筆。アメコミ映画のイベントなどではトークショーも。大手広告会社のシニア・エグゼクティブ・ディレクターとしてアメコミ映画のキャンペーンも手がける。

スーパーヒーロー映画の影響はボリウッドのアクション映画にも

アメコミ映画ではないですが『バーフバリ』の監督が仕掛けるインド発のアクション大作『RRR』(アールアールアールと読みます)はまさに血沸き肉躍るアクション大作です。

舞台はイギリス占領下のインド。残忍なイギリス提督にさらわれた娘をとりかえすために立ち上がった英雄とインド人でありながらイギリスの統治体制を守る警官になったタフガイ、本来なら敵対する立場の2人が互いの素性を知らずに親友に。しかし2人は戦う運命だったという物語です。

とにかくスーパーアクションの連続! マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のルッソ兄弟らが絶賛したらしいですが、それもうなずけます。ストーリーも一見シンプルですが、後半怒涛の展開となり熱い。

インド映画ならではのダンスや歌も豊富。主人公2人の活躍シーンに彼らを称える歌がかかるので特撮ヒーロー物っぽい。MCUの監督が褒めた理由もわかる。この2人、シュワちゃんとスタローンというよりもキャプテン・アメリカとブラックパンサーみたい。つまり人間離れした身体能力や技を見せるんです。こういうのを見るとスーパーヒーロー映画というのがアクション映画にも大きな影響を与えたことがわかりますね。

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ヒュー・ジャックマン参戦!『デッドプール3(原題)』

ライアン&ヒューの親友コンビが二人揃ってMCUに!

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MCUについて言えば、とにかくビックリだったの9月28日のライアン・レイノルズのツイッター!『デッドプール3』は2024年9月6日公開、しかもヒュー・ジャックマンのウルヴァリン登場と突然アナウンスされたのです。これは世界中のファンがビックリ! 本作について今年のサンディエゴ・コミコン、D23のマーベル・スタジオのパネル(プレゼンテーション)で何らかの発表があると言われていたのに結局無かった。それ故、ファンの間ではちょっとやきもきしていたのですが、こういう形で発表とは!

なお 『デッドプール3』の公開は2024年9月6日。その少し前の7月26日には『サンダーボルツ(原題)』が公開です。コミックではデッドプールもサンダーボルツのメンバーだったこともあるので、映画『サンダーボルツ』と『デッドプール3』のリンクは十分考えられます。

この『サンダーボルツ』ですが、コミックではハルクを追うロス将軍(長官)が編成したチームでもある。ロス役のウィリアム・ハート氏が亡くなったので、マーベル・スタジオは新たなロス役を探しているようですが、なんと! ハリソン・フォードがこの役を演じるという噂もあるのです!

キアヌ・リーヴス主演の『コンスタンティン』も続編が!?

さてもう一つアメコミ映画ファンを狂喜させたのがキアヌ・リーヴス出演で2005年にスマッシュ・ヒットとなった『コンスタンティン』の続編が作られることになったというニュース。この作品はDCコミックが原作。本名はジョン・コンスタンティン。基本的に魔界や悪魔が絡む事件に立ち向かいますが、マーベルのドクター・ストレンジのような魔術師というわけではなく、悪魔や魔法、超常現象の知識に精通した探偵。なのでオカルト探偵とかエクソシスト探偵ともいわれています。

ヒーローっぽいコスチュームを着ておらず、コミックでもハードボイルドな探偵風。映画版ではキアヌ演じるコンスタンティンが人間界に暗躍する天使と悪魔の使い(ハーフ・ブリード)たちの企みに挑むというものでした。日本でもそれなりにヒットし続編を望む声が多かったのですが、なかなか実現にいたりませんでした。

ここのところキアヌは前作から29年ぶりの続編となる『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』(2020)、前作から19年ぶりとなる『マトリックス レザレクションズ』(2021)と相次いで往年の出演作の続編に出演し始め、そうした動きの中「コンスタンティンの続編にもラブ・コールを送っている」と明言。こうした想いが実を結んだのかも。

コミックではコンスタンティンがオカルト・ヒーロー系のヒーローたちを集め怪奇な事件を解決するというホラー×ヒーロー路線の“ジャスティス・リーグ ダーク”というチームがいます。ぜひこれも映画にして欲しい。

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