映画『ハッピーニューイヤー』は『猟奇的な彼女』が世界中で大ヒットした恋愛映画の名手クァク・ジェヨン監督が初めて挑んだ群像劇です。作品への思いやキャストの印象についてクァク・ジェヨン監督に語っていただきました。(取材・文/ほりきみき)

About Movie
『ハッピーニューイヤー』

クリスマスと新年を祝うホリデームードに満ち溢れている高級ホテル〈エムロス〉に集まったのは、15年間も男友達への告白をためらっているホテルのマネージャー、イケメンで優秀だがこだわりの強いCEO、公務員試験に落ち続け恋人にも振られた就活生、ミュージカル女優を目指しつつもホテルで働くハウスキーパー、下積みを経てついにスターの座へ登り詰めた人気アーティストとそのマネージャー、超スピード婚へと突き進むラジオプロデューサーとピアニスト、毎週土曜日にホテルのラウンジでお見合いをする整形外科医、初恋相手と40年ぶりに再会したドアマン、友人たちの告白チャレンジゲームに巻き込まれた高校生カップル。数時間後に新年が迫るなか、次から次へと問題が持ち上がる。果たして彼らは“ハッピー”な新年を迎えられるのか──?

自分と同世代の恋愛映画も作ってみたい

──製作のキム・ウォングクさんが2年かけて構想を練った企画とのことですが、話を聞いて、ご自身のどんな部分に期待してのオファーだと思いましたか。

私は海外で撮影やプロモーションをすることが多く、そういうときはホテルに泊まります。外国のホテルでクリスマスや新年を迎えたこともありました。オファーをいただいたときには、これまでの自分の経験が活かせると思いました。

人によってホテルに対する印象が違います。中にはマイナスのイメージを持っている方がいらっしゃるかもしれません。しかし全般的にホテルはきれいで清潔な空間です。そんなところも私の経験と併せて描けると思いました。

クァク・ジェヨン監督

──弘兼 憲史さんの「黄昏流星群」(小学館)を『ラブ・アクチュアリー』(2004)のように描きたいと思ってシナリオを書かれたと聞きました。

私はこれまで若い人の恋愛映画を手掛けてきましたが、年配の方々の恋愛が描かれている「黄昏流星群」を読んで、自分と同世代の恋愛映画も作ってみたいという気持ちになったのです。年配の方でしたら、多分、一度は恋愛を経験されているはず。そういう世代の方々がある程度、歳を重ねた後にもう一度、恋愛をするとどんな風に愛情を感じるのか。そういったことを深く掘り下げてみたかったのです。若いころに出会い、別れた2人が久しぶりに会ったとき、また恋愛できるのだろうか。そんな思いを込めてサンギュとキャサリンというキャラクターを描きました。

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