『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督最新作『イニシェリン島の精霊』(1月27日(金)日本公開)より、コリン・ファレルとブレンダン・グリーソンが登場する本編映像が公開された。

マクドナー監督「恋愛で振られたときの気持ちに似ている」

本作は第79回ヴェネチア国際映画祭においてヴォルピ杯 男優賞【コリン・ファレル】、脚本賞【マーティン・マクドナー】を受賞し、第80回ゴールデングローブ賞では作品賞(ミュージカル/コメディ部門)をはじめ主要を含む7部門で8ノミネート。ほかにもナショナル・ボード・オブ・レビュー賞では主演男優賞(コリン・ファレル)をはじめ3部門で受賞、第27回サテライト賞では作品賞(コメディ/ミュージカル部門)を含む8部門でノミネートを果たすなど、アカデミー賞の前哨戦として注目されるポイントを軒並み制覇しており、アカデミー賞最有力候補作品として期待が高まる一作。

画像: マクドナー監督「恋愛で振られたときの気持ちに似ている」

アイルランド西岸沖に浮かぶ架空の離島・イニシェリン島で暮らす心優しく気のいい男パードリック(コリン・ファレル)と音楽を愛する初老の男コルム(ブレンダン・グリーソン)、親友同士である2人が仲違いしていくさまを描く本作。パードリックとコルムは毎日午後2時に、島で唯一のパブで一緒に酒を飲み交わすのが日課だ。しかし、ある日突然コルムがパードリックに絶交宣言を言い渡したことで、物語は動き出す。

画像: 『イニシェリン島の精霊』本編映像<I JUST DONT LIKE YA NO MORE> youtu.be

『イニシェリン島の精霊』本編映像<I JUST DONT LIKE YA NO MORE>

youtu.be

解禁された映像は、パブで鉢合わせても会話を避けようとするコルムをパードリックが追いかけ回す様子からはじまる。「俺が何かしたなら言ってくれ」と早口になりながら懇願するパードリックに対し、冷静沈着なコルムは明確な理由を述べることなく「お前が嫌いになった」とバッサリ。しばらく放心状態となったパードリックは間を開けて「好きだろ?昨日まで好きだった」と問いかけるが、「そうか?」と軽くあしらわれ、「好かれてると…」と悲しげな表情。そのパードリックを置いて、コルムは何も言うことなくその場を後にする。

悲劇的にも見えて、パードリックとコルムの温度差や絶妙な会話のテンポなどから笑いを誘う要素も垣間見える本シーンだが、マクドナー監督は「パードリックはなぜコルムが縁を切りたいのか理解できないので、絶交宣言を受け入れようとしない。恋愛で振られたときの気持ちに似ている。“本当に僕のことが好きだったのか?付き合っていると思っていたのは僕の勘違いだったのか?”という感じだ」「観客がどの人物に共感するか興味がある。振る方のコルムの辛辣な台詞を受け止められるか、それとも心破れるお人好しのパードリックに共鳴するか。」とまさかの恋愛に例えながら解説。

パードリックの妹のシボーンを演じたケリー・コンドンも「恋人同士なら誰もが経験のある失恋、拒絶といった感情をうまく演出している。しかも、それを男同士の関係で演じているので、喜劇的な要素もあるわ」とマクドナーらしい巧みな人物造形を評しており、この絶妙な掛け合いの中で2人の関係性がどのようにもつれこんでいくのかますます目が離せない。

才気に満ちたセリフの応酬とともに喜劇と悲劇のはざまを揺れ続け、突然訪れるクライマックスに震撼する、まさに“マクドナー印”の最新作『イニシェリン島の精霊』。気になるゴールデングローブ賞の発表は、1月10日(現地時間)。賞レースの行方とともに引き続き注目だ。

『イニシェリン島の精霊』
1月27日(金)公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン 
©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

This article is a sponsored article by
''.