最新インタビューを通して編集部が特に注目するキーパーソンに光をあてる“今月の顔”。今回は、『リトル・マーメイド』でヒロインのアリエル役に抜擢された、歌手としても活躍するハリー・ベイリー。現代に合わせアップデートされたオリジナル版アリエルとの違いや、今作への思いを語ってもらいました。
カバー画像:Photo by Emily Shur. © 2023 Emily Shur. All Rights Reserved.

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画像: ハリー・ベイリー Photo by Emily Shur. © 2023 Emily Shur. All Rights Reserved.

ハリー・ベイリー

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ハリー・ベイリー

2000年3月27日、ジョージア州・アトランタ生まれ。2016年に、ハリーが10歳の頃にYouTubeに投稿したビヨンセの「Pretty Hurts」を歌った動画をビヨンセ本人が見て、姉妹デュオ「Chloe x Halle」(クロイ&ハリー)として、彼女のレーベルでデビュー。

2017年に「ブラッキッシュ」のスピンオフドラマ「グロウニッシュ」のテーマ曲「Grown」をリリース、シーズン2からは俳優として出演。2020年に「Ungodly Hour」をリリースし、グラミー賞3部門にノミネート。待機作には、2度目の映像化となるアリス・ウォーカー原作の「The Color Purple(原題)」がある。

“もちろん恋をするのも美しいですが、アリエルはもっと自分自身、自分の将来を見つめるのです”

──ロブ・マーシャル監督によれば、あなたはアリエル役のために会った最初の女優だったとのこと。オーディションに来て欲しいという連絡をもらった時、どう思いましたか?

その電話をもらった時、私はすごく嬉しかったですし、驚きました。彼らが私に会いたいと思っているなんて、信じられなかったのです。すごくエキサイティングでしたが、その後、怖くなりました。どうやってみせればいいのだろうかと。

それで私は毎日練習しました。自分のベストをみせたかったので。そうして私はニューヨークまで行って、彼らに会ったのです。そこからはとてもすばらしい体験でした。

──あなたに会った後、ロブ・マーシャル監督は数百人の女優に会ったそうです。ということは返事をもらうまでかなり待ったのですよね?

ええ、1ヶ月か2ヶ月待ったと思います。その間、実はそのことをすっかり忘れていました。それに(返事がなかったので)私じゃない人を選んだのかなと思っていました。それならそれでいいと、普通に日常生活を送っていたんです。そうしたら、2019年7月のある日、オファーの電話を受けたのです。その電話に私はとても驚き、心から喜びました。

──大作映画で初の主演とあり、プレッシャーはありましたか?

もちろんありました。この映画は私たちみんなにとってすごく意味のある映画ですから。それを台無しにすることは絶対にしたくありません。だからプレッシャーは感じました。ですが、新しいアリエルを皆さんに見ていただくことにとても喜びを感じます。

──本作でのアリエルはオリジナルとどう違っていると思いますか?

(オリジナルと)似ている部分は沢山あります。どちらのアリエルも情熱的。勇気があり、自分の求めるものを追いかけます。そこはオリジナルのアリエルにもあり、私はそこを土台に自分のアリエルを作っていきました。

本作のアリエルは、王子様に恋をしたからというよりも、もっと自分の将来、自分自身のために行動する。もちろん恋をするのも美しいですが、アリエルはもっと自分自身、自分の将来を見つめるのです。将来の自分はマーメイドなのか、人間なのか、両方なのか?私のそんなアプローチをぜひ皆さんに見ていただきたいと思います。

──「Part of Your World」の歌声がとても素敵ですが、この曲にはどう挑みましたか?

『Part of Your World』を歌うのは不思議な体験でした。赤ちゃんの時から聞いてきた曲ですからね。そんな歌を自分のものとしてやってみるのは、とても楽しい冒険でした。オリジナル版を歌ったジョディ・ベンソンはすごく才能豊か。彼女がやったことに見合うことを私はやってみせなければいけません。

『Part of Your World』のシーンの撮影は、3日かけてやりました。私はハーネスで空中に吊り下げられながら歌い、表情の演技をしたのです。すごく大変でしたが、素敵な経験になりました。私たちはこの曲を3つの部分に分けて撮影をしています。見事な編集により、別々に撮影されたとはとても分からないようになっています。

この曲を初めて歌った時、私は100人のオーケストラと一緒だったのです。アラン・メンケン、ロブ・マーシャル監督、100人のオーケストラを前に歌ったのですよ。あまりにも美しくて、私は感動で泣いてしまいました。私の人生で最も思い出に残ることのひとつです。

この歌を歌うと空に上るような気持ちになるのは、皆さんも同じですよね。そんな曲を自分の歌声でやることが出来たなんて、本当に信じられないです。

──この映画には新曲が3つあるのですよね? あなたが歌う曲もありますか?

ええ、私も歌います。ひとつは『For the First Time』という歌。それにもちろん『Part of Your World』ですが、この映画ではこの歌にも3つのパターンのリプリーズ(反復、再現)があるのです。ジョナ(・ハウアー=キング)にも歌があります。それと、私も『Under the Sea』を歌います。オリジナルでアリエルは『Part of Your World』しか歌わなかったと思うので、もっと歌えるのは嬉しいです。

──水中のシーンの撮影について教えてください。

水槽の中での演技が大好きでした。本当に海の中にいるような感覚になるので、アリエルとつながって、自分が本物の人魚になったような気分になれました。アリエルとしてその環境に身を置くことは、私にとってとても重要なことでした。水に囲まれ、波が目の前に押し寄せてくるというのは、まさにパワフルな体験で、とても感謝しています。スタントトレーニングはとても大変でしたが、楽しかったです。

──ディズニーの100周年に公開されますが、そのことをどう感じますか?

すごく嬉しいです。ディズニーが100周年を迎えるというのは素敵なこと。ディズニーランドに行くのであれ、ディズニーの映画を見るのであれ、ディズニーの魔法は私たちをいつも子供時代に引き戻してくれます。そんな記念すべき年に私たちの映画が公開されることに、私は感謝してやみません。この映画が皆さんの期待を上回るようなものになっていることを願います。

──この映画を通じてどんなメッセージを届けたいですか?

この物語にはたくさんのメッセージがあると思います。ですが、私が一番共感するのは、自分が望むことを追いかけるのを恐れないで、ということ。それと、自分の声を見つけ、恐れずにそれを使いなさいということ。私はアリエルを通じてそれらを学びました。

私はこんな映画を作る経験をしたことがありませんでした。突然この世界に入っていって、沢山の凄いことに直面して、私は自分自身を驚かせるようなことをやってみせたのです。それは、アリエルが私にいろんな形で語りかけてくれたからだと思っています。

その過程で、私は自分の声を見つけ、その気になれば自分には何だってできるんだと思えるようになったのです。この映画を見た人も、そう感じてくれることを願います。

それと、自分の将来は自分で決めるのだということも。あなたにはあなたの将来を決めるパワーがあるのです。望むものがあるなら、恐れずにそれを追いかけるべき。アリエルはそれをやり遂げる勇気のある女性。だから私たちは彼女が好きなのです。

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リトル・マーメイド
2023年6月9日(金)公開
監督:ロブ・マーシャル
音楽:アラン・メンケン、リン=マニュエル・ミランダ
出演:ハリー・ベイリー、メリッサ・マッカーシー、ジョナ・ハウアー=キング、ハビエル・バルデム
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

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