LGBTの人々が直面する厳しい現実や社会問題に焦点を
本作は、初監督・初脚本となるデイモン・カーダシスが、ボランティアを務めていた教会での実体験と綿密なリサーチをもとにLGBTの人々が直面する厳しい現実や社会問題に焦点をあてたもので、実在するLGBTの人々のための支援プログラム“サタデー・チャーチ(土曜の教会)を舞台に、若者たちの経験談が物語を紡いでいく。セクシュアル・マイノリティであることによる学校でのいじめや、家族でさえ自分のことを理解してくれない孤独や家出などの辛い現実の一方で、土曜の夜の教会での新たな仲間との出会い、そして恋愛模様も描かれていく。物語が進むにつれて主人公の辛い経験が増え、現実逃避をするかのようにミュージカル調に歌い上げる空想も同調して増えていく。その空想は教会で出会う仲間たちにも広がり、彼らのダークな人生の中に光が射した瞬間をミュージカルタッチで描いているのも見所のひとつとなっている。
カーダシス監督も、「虐待を受けたこと、ストリートで暮らさざるを得なかったことなど、本作で主人公が経験するエピソードは全部事実に基づいています。サタデー・チャーチのプログラムを受けていた実際の若者たちにも出演してもらっています。彼らの声に耳を傾け、彼らのコミュニティと対話しながら、出来る限り忠実に反映しています。孤独や初恋などの感情は誰もが経験するものであって、国籍や、肌の色、セクシュアリティの違いに関係なく共感できるものです。結果的に誰もが共感できる普遍的な映画になったと思っています。」と語っている。
ポスタービジュアルも完成した。とある夜に、主人公のユリシーズが自分の選択した生きる道を力強く歌い上げるワンシーンをメインに、母親や友人との熱い感動を予感させる仕上がりになっている。
通常、洋画の邦題は映画を買い付けた配給会社が、社内で決定するのが常だが、今回は邦題の決定にあたり、邦題案を本作の公式Twitterや、世界中のLGBT映画を長年上映している「レインボー・リール東京~東京国際ゲイ&レズビアン映画祭」などで、一般から公募した。様々なアイディアが集まった中から、最終的に50代男性から寄せられた『サタデーナイト・チャーチ』が採用された。また、本作がミュージカルタッチで描かれる自分探しの物語であることから、副題には20代女性から寄せられた「夢を歌う場所」が採用された。
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