先日行なわれた第91回アカデミー賞で作品賞ほか全3部門を受賞した「グリーンブック」のピーター・ファレリー監督が来日会見を行なった。

この映画で描いたのは話し合うことから生まれる希望なんだ

2019年3月1日から日本でも公開された「グリーンブック」。監督は3日に舞台挨拶を行ない、多くの観客から『おめでとう』の言葉をかけてもらったそう。一日置いての記者会見に臨んだ監督は、上機嫌。前日は青山の牛彩で『人生最高の肉料理』を食べたそう。

アカデミー賞受賞の感想を聞かれると、『やっと少し落ち着いてきて、ちょっとだけ実感がわいてきたところ。でも自分の生涯でこんなことが起きるなんて。僕がこれまで作ってきた作品はこういのじゃなかったから(笑)』と笑いを取る。それでも評価された点を尋ねると『この話に希望が感じられるからではないかな。主人公はなにもかも真逆の二人だけど、彼らは話し合うことでお互いの違いをわかりあい、そこに希望を見出していくだろう。話をすることがわかりあえる希望を生み出すんだ』

この大きな受賞で何か変化が起きただろうか。『業界の人たちはこれまでも親切だったけど、さらに親切になったかな(笑)。僕自身はこれまで同様コメディーが大好きなので、いままでのようなコメディー映画を作り続けるつもり。でも時々この映画のような感動作もまぜて、交互にやっていきたいね。もともと「グリーンブック」を最初に作ろうとした時も、こんな作品になるとは思わなかった。ただ話を聞いた時、これは作らなくてはいけない、と感じたんだ。トロント映画祭で観客に大受けした時、はじめてこの映画が生まれたと思った。観客の反応を見た時に自分たちがここまでいいものを作ったんだと実感できたんだ』とこれまでになかったという経験を明かしてくれた。

画像: ゲストの伊藤健太郎と鏡割りを

ゲストの伊藤健太郎と鏡割りを

この後、「グリーンブック」を見て感動したという、俳優の伊藤健太郎がゲストで登場し、『最初に見た時、僕はこの映画はアカデミー賞を取ると確信したんです。友人にもその話をしました。で、本当に取った時、「ほらみろ」という気持ちになりました』と本作に一気に惚れ込んだ心情を述べ、監督を喜ばせた。
伊藤から監督にグリーンの法被がプレゼントされると『着心地がイイネ。自宅でこれを着るよ』と語り、二人でさらなるヒットを祈願して、日本式に鏡割りが行なわれた。

撮影:友田和俊

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