これは2010年に日本でも出版、世界を驚かせ興奮させたノンフィクションの映画化。2001年、アフリカの最貧国のひとつマラウイで、干ばつによる貧困で中学を退学になった14歳の少年が、自分の頭脳と手だけを頼りに風力発電装置を作ることに成功。家族と村の人々を救うだけでなく、自身も大学へ進学し、2013年にタイム誌の「世界を変える30人」に選ばれるという素晴らしい人生も手に入れた。その本人であるウィリアム・カムクワンバ氏が来日、7月11日(木)にユニセフ・シアター・シリーズとして上映する本作の試写会に登壇し、映画の主人公である当時のカムクワンバ氏(14歳)と同世代で6月7日に15歳の誕生日を迎えたばかりの鈴木福と、トークイベントを行なった。
映画の感想について、「この映画を観て、こうやって飢餓に苦しみながらも、自分の地元マラウイを守りたいという気持ちから、皆んなが協力すれば何でもできるんだなと驚いています。本当に感動して、とても尊敬しています。」と語った福。
また、自身と同世代である主人公の少年の姿を観て、「日本にいると、学校に当たり前に行けて、たまに「学校イヤだなぁ」という時も僕もあります。そういう中で、世界には同い年ぐらいの子で「学校に行きたい」「学びたい」という人がいて、こうやって世界を変えられる。僕とほぼ変わらない年齢の人でもそういうことができるんだと思うと、本当にすごいなと、カッコイイなと思います。」と感銘を受けたそう。「同い年くらいの友だちも、夢がまだ決まっていないという子は多い。だから、僕らの世代にぜひ観て欲しい。これが実話ってことが本当に信じられないくらいに、驚きと感動がある映画です。」とメッセージを発信しました。
また、福からの「今まで生きてきた中で一番大変だったことはなんですか?」との質問に、「まさに映画で描かれている時期。でも、誰かがやってきて、問題を解決してくれるのを待つのではなく、自分の問題に対して自らが長期的な解決法を見つけたいという気持ちで、希望を持つことができたんです。」と明かしたウィリアム氏。
現在マラウイで、若い才能を支援するイノベーションセンターの立ち上げに取り組んでいるそう。
「自分たちの夢やプロジェクトを形にしてもらえるような場所を作りたいという思いがあリます。自分自身も風車を作っている時に誰かに相談できたらなと思っていたんです。アメリカに進学して、世界中の方々と触れ合えて得ることができた知識を、色々な課題の解決に生かしていきたいと思います。」と将来のビジョンを語った。
最後に福からの「日本で今暮らせている自分が幸せものだなと気づかせてくれる映画。ぜひたくさんの人に見て欲しいです!」という熱いメッセージで締めくくられ、本イベントは大盛況のもとに幕を閉じた。
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