『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)『ゾンビ』(1978)などゾンビ映画の第一人者であり、ホラー映画の巨匠、2017年に他界した故ジョージ・A・ロメロ監督が1973年に手掛けた幻の未発表映画『アミューズメント・パーク』がこの度、半世紀を経て日本初公開となる。

同時に『ザ・クレイジーズ』『マーティン/呪われた吸血少年』公開決定

画像: 『アミューズメント・パーク』

『アミューズメント・パーク』

米国の高齢者虐待問題を容赦なく描写したロメロが残した超問題作が日本初公開決定!また、この『アミューズメント・パーク』公開を記念して同じジョージ・A・ロメロ監督作品『ザ・クレイジーズ』(73年)、『マーティン/呪われた吸血少年』(77年)も劇場公開されることが決定した。

一般公開に先駆け、7月9日(金)より新宿シネマカリテで4週間に渡り開催される映画祭「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクション®2021」 (略して「カリコレ®2021」) 内にて、ロメロの命日である7月16日(金)に3作品を上映、10月15日(金)よりシネマカリテにて公開となる。

画像: 『ザ・クレイジーズ』

『ザ・クレイジーズ』

画像: 『マーティン/呪われた吸血少年』

『マーティン/呪われた吸血少年』

幻の未発表映画が3年前にその存在が発見され、今回4Kレストアが行われた

1978年に『ゾンビ』を発表し、全世界を恐怖のどん底へ叩き落し、以降の“ゾンビ映画”というジャンルを確立した故ジョージ・A・ロメロ監督の幻の未発表映画が発見されたのは3年前。4Kレストアが行われ『アミューズメント・パーク』はついに日本公開。本作はもともと年齢差別や高齢者虐待について世間の認識を高めるためにルーテル教会がロメロに依頼した企画だったが、出来上がった作品は老人の悲惨な状況が容赦なく映され、そのあまりにもストレートに当時のアメリカ社会を描いた内容に依頼者は慄き、封印されていた。ロメロがある意味での教育映画を撮っていたという希少性。ホラー映画ではないがロメロの視点で現実を映し出した貴重な作品であり、半世紀封印されていた幻の作品が日本初上陸する。

『アミューズメント・パーク』
遊園地で老人が罵られ、大変な目にあう。
監督:ジョージ・A・ロメロ
出演:リンカーン・マーゼル『マーティン/呪われた吸血少年』
1973年/アメリカ映画/53分/原題:THE AMUSEMENT PARK
キングレコード提供 ビーズインターナショナル配給
©2020 George A. Romero Foundation, All Rights Reserved.

同時上映となる『ザ・クレイジーズ』は人間を発狂させる細菌兵器の事故による人々の混乱をセミ・ドキュメントタッチな設定と残酷描写を交えながらの狂人、軍人、生存者の手に汗握る三つ巴で描いたパニック・ホラーの傑作。『ザ・クレイジーズ』に続いてロメロが監督した劇場用映画『マーティン/呪われた吸血少年』は現代を舞台に、人間の血を求める少年(自称84歳)と、彼を監視するいとこの老人との確執を軸に、ドラキュラに代表される吸血鬼伝説を新たな視点・角度から描いた作品である。ロメロは本作を「自身の手掛けた作品の中で、最も気に入っている」と公言している。本作にはジョージ・A・ロメロも出演している。

画像1: 幻の未発表映画が3年前にその存在が発見され、今回4Kレストアが行われた

『ザ・クレイジーズ』
アメリカの田舎町、エバンズ・シティ。住人の男性が突然発狂して妻を殺し、家に放火する事件が発生した。やがて町に防護服に身を包んだ兵士たちが現れ、伝染病の発生を理由に住人たちを強制的に連行し始めた。実は町の付近に軍の輸送機が墜落し、搭載していた生物兵器のトリクシーが流出して飲料水の水源を汚染し、住人たちを発狂させていたのである。政府は事態が明るみに出ることを恐れ軍政を敷いて町を完全に封鎖すると同時に、封鎖失敗に備えて核爆弾による焼却を行うべく、上空に爆撃機を待機させる。
監督・脚本:ジョージ・A・ロメロ
出演:W・G・マクミラン/レイン・キャロル/ハロルド・ウェイン・ジョーンズ
1973年/アメリカ/104分/原題:The Crazies
キングレコード提供 ビーズインターナショナル配給
©1973 PITTSBURGH FILMS.ALL RIGHTS RESERVED.

画像2: 幻の未発表映画が3年前にその存在が発見され、今回4Kレストアが行われた

『マーティン/呪われた吸血少年』
青年マーティンと老人クーダ。とても同年代には見えない2人だが、関係性は“いとこ”であるという。マーティンの吸血行為を知っているクーダは、行動のすべてを監視することにしていた。孤独を抱え、自らが何者であるか思い悩むマーティンは、ラジオの身の上相談に匿名で電話。自分が吸血鬼であることを告白すると、彼は次第にリスナーの人気者となっていく。マーティンは唯一、町で暮らすサンティーニ夫人と心を通わせていく。吸血衝動が次第に抑えられ、このまま普通の生活を送っていくかに思えた。だが、夫人が突然自殺したことをきっかけに、物語は衝撃的な結末を迎える。
監督・脚本:ジョージ・A・ロメロ
特殊メイク:トム・サヴィーニ
出演:ジョン・アンプラス/リンカーン・マーゼル/クリスティーン・フォレスト
フィールドワークス提供 ビーズインターナショナル配給
1978年/アメリカ/96分/原題:Martin ©1977 MKR Group Inc.

『アミューズメント・パーク』
『ザ・クレイジーズ』
『マーティン/呪われた吸血少年』
7月16日(金)カリコレ®2021にて3作上映!
10月15日(金)より、新宿シネマカリテにて3作公開!

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