世界的評価を受けた『一年之初(一年の初め)』や『ヤンヤン』など、人と人のつながりや人生模様、アイデンティティを描くことに長けたチェン・ヨウジエ監督が5年ぶりにメガホンを取り、緻密で繊細なストーリーラインで愛の極限を描いた最新作『親愛なる君へ』が公開中。

今は亡き同性パートナーの母と子との血の繋がりを越えた“家族”の絆をつむぐ物語

老婦・シウユーとその孫のヨウユー、そのふたりの面倒を見る青年・ジエンイーの3人が、血の繋がりを越えた家族の絆をつむぐ物語。ただの間借り人のはずのジエンイーがふたりに尽くすのは、今は亡き同性パートナーの家族だからだ。しかしある日、シウユーが急死してしまう。その死因を巡り、ジエンイーは不審の目で見られるようになる。警察の捜査によって不利な証拠が次々に見つかり、終いには罪を認めてしまう。だがそれはすべて、愛する“家族”を守りたい一心で選択したことだった…

画像1: 今は亡き同性パートナーの母と子との血の繋がりを越えた“家族”の絆をつむぐ物語
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主演は『一年之初(一年の初め)』でもヨウジエ監督とタッグを組んだモー・ズーイー。本作でも高い評価を受け、第57回台湾アカデミー賞(金馬奨)や、第22回台北映画奨、第2回台湾映画評論家協会奨で最優秀主演男優賞(台湾映画評論家協会奨は主演・助演の区別がない最優秀男優賞)を受賞。また、老婦の名演が光った“国民のおばあちゃん”の別名を持つ台湾の国宝級女優であるチェン・シューファンは、第57回台湾アカデミー賞で最優秀助演女優賞を獲得した。

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主演のモー・ズーイーからのスペシャルメッセージ動画が到着

本作で、モー・ズーイーは、ピアノ教室の先生を演じている。ピアノを弾く役は今回が初めてではなかったとのことだが、その腕はなかなかのもので、この動画を制作するきっかけも、モー・ズーイーが監督に突然「(今は亡き同性パートナーの登場人物の)リーウェイのことを考えながらこの曲を作りました」と連絡してきたことから始まっている。それを聞いた監督も「私だけが聴いたらもったいないので、皆にもシェアしようと思いました」と奮起。約2分という短さの中に、モー・ズーイー演じるジエンイーの役作りにも繋がる同性パートナー・リーウェイへの想いや、モー・ズーイーの自作自演のピアノの音色、そして本編ではカットされているジエンイーとリーウェイの仲睦まじい未公開シーンも含めた愛情あふれる素材を、ショートムービーの域にまで凝縮している。

画像: 『親愛なる君へ』モー・ズーイーからのスペシャルメッセージ youtu.be

『親愛なる君へ』モー・ズーイーからのスペシャルメッセージ

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過去には登山でパートナーであるリーウェイを亡くしたことにも大きく関わり、終いには義母の殺人容疑で囚われの身となるジエンイー。ふたりの死をめぐるミステリー作品の中に垣間見える、ふたりの愛情が際立つ場面写真となっている。本作の舞台のひとつである山について監督は「台湾人にとって山は特別なもの。本作にも山の景色が多く出てきますし、ジエンイーとリーウェイにとっては、山こそが彼らの居場所。山はすべての生き物を平等に見ています。山が彼らにとって、誰からも咎められることのない家なのです」と語っている。

画像1: 主演のモー・ズーイーからのスペシャルメッセージ動画が到着
画像2: 主演のモー・ズーイーからのスペシャルメッセージ動画が到着

第57回台湾アカデミー賞(金馬奨)
最優秀主演男優賞 受賞 / モー・ズーイー
最優秀助演女優賞 受賞 / チェン・シューファン ※1
最優秀オリジナル音楽賞 受賞
最優秀作品賞 ノミネート
最優秀監督賞 ノミネート / チェン・ヨウジエ
最優秀オリジナル脚本賞 ノミネート / チェン・ヨウジエ
※1 チェン・シューファンは『弱くて強い女たち』で最優秀主演女優賞も受賞。女優賞を独占する快挙となった。

画像3: 主演のモー・ズーイーからのスペシャルメッセージ動画が到着

第22回台北映画奨
最優秀主演男優賞 受賞 / モー・ズーイー
最優秀助演女優賞 ノミネート / チェン・シューファン
最優秀美術デザイン賞 ノミネート

第2回台湾映画評論家協会奨
最優秀男優賞 受賞 / モー・ズーイー
最優秀女優賞 ノミネート / チェン・シューファン ※2
最優秀作品賞 ノミネート
最優秀監督賞 ノミネート / チェン・ヨウジエ
最優秀脚本賞 ノミネート / チェン・ヨウジエ
※2 チェン・シューファンは『親愛なる君へ』と『弱くて強い女たち』の2作品でダブルノミネート。『弱くて強い女たち』で最優秀主演女優賞を受賞した。

【ストーリー】 君が生きていてくれたら… 僕はただ、大好きな君を守りたかった ──
老婦・シウユーの介護と、その孫のヨウユーの面倒をひとりで見る青年・ジエンイー。血のつながりもなく、ただの間借り人のはずのジエンイーがそこまで尽くすのは、ふたりが今は亡き同性パートナーの家族だからだ。彼が暮らした家で生活し、彼が愛した家族を愛することが、ジエンイーにとって彼を想い続け、自分の人生の中で彼が生き続ける唯一の方法であり、彼への何よりの弔いになると感じていたからだ。しかしある日、シウユーが急死してしまう。病気の療養中だったとはいえ、その死因を巡り、ジエンイーは周囲から不審の目で見られるようになる。警察の捜査によって不利な証拠が次々に見つかり、終いには裁判にかけられてしまう。だが弁解は一切せずに、なすがままに罪を受け入れようとするジエンイー。それはすべて、愛する“家族”を守りたい一心で選択したことだった…

画像4: 主演のモー・ズーイーからのスペシャルメッセージ動画が到着

監督/脚本:チェン・ヨウジエ
監修:ヤン・ヤーチェ
出演:モー・ズーイー、ヤオ・チュエンヤオ、チェン・シューファン、バイ・ルンイン
2020年/台湾/カラー/106分/シネマスコープ/5.1ch
原題:親愛的房客
配給:エスピーオー、フィルモット

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